先日、埼玉県戸田ボートコースで行われた東日本選手権。夏の大舞台と言えるインカレの前哨戦ということもあり、白熱したレースとなった。
今大会注目の立大クルーは男子舵手なしフォア(M4-)だ。男子舵手なしフォアは昨年の全日本大学選手権で準優勝、全日本選手権で4位入賞を果たした立大で最も優勝への期待がかかるクルーである。メンバーは菱木(理4)、勝又(法3)、安藤(コ3)、中田(コ3)。昨年から変わったメンバーは勝又のみで、彼も昨年は別種目で準優勝を果たしている実力者だ。 1日目の予選は6分18秒15でゴール。ユニバーシアード代表の日大チームには12秒もの差をつけられたものの、他チームを圧倒する漕ぎを見せつける。昨年彼らが出した好タイムに迫る勢いで、翌日の決勝へと駒を進めた。 決勝戦の相手は、明治安田生命、中部電力の社会人2チームと日大、東海大、東北大の強豪校との対戦となった。この日は逆風が吹き荒れる悪条件下でのレース。立大はこの逆風に苦戦を強いられた。1000m時点で隣レーンの明治安田生命から約14秒もの遅れをとる。得意の後半でラストスパートをかけたものの、中盤で離された距離を埋めることはできない。最後まで追いつくことができず、6艇中4位という結果に終わった。 「逆風に完全にやられた」と主将・菱木。ポテンシャルの高い4人だが、大学から始めた彼らはレース経験がまだまだ少ない。コンディションが良くない時のレースの進め方が上手くいかず、対応力のある社会人や日大とはその部分で差が開いた。しかし、その中でも決勝の舞台に残れたことは、クルー全員の自信となった。 「普段の練習からもっと常にレース本番を意識して練習に取り組めるような姿勢を作っていくことが大事」とインカレを前に今ある課題を再認識できた彼ら。次の大会は8月下旬に行われるインカレだ。「あくまでも優勝しかありません。優勝というのは立大ボート部として史上初なので、そこを必ず達成したいなと」(菱木)。 彼らは昨年優勝を逃してから、今年のインカレでのリベンジを誓い、出来る限りの時間をボートに費やしてきた。インカレまで残り約1カ月。昨年成し遂げられなかった学生日本一の夢を自らの手でつかみ取る――。6分10秒の好タイムでの優勝を目指し、彼らは今日もボートを漕ぎ続ける。 (7月27日・平野美裕)
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