問題と回答へのヒント【2】

近年、フィールドワークという言葉がよく聞かれる。
しかし、それは、もともとは、文化人類学が培ってきた調査研究のための手法であった。
第4回目の講義では、大航海時代以降、19世紀前半まで、ヨーロッパへ珍品をもたらすだけのコレクターであったフィールドワーカーに対して、高い価値が与えられるようになったということについて述べた。
その後、調査隊調査によるフィールドワークが行われ、20世紀に入ると、フィールドワークを調査研究の手法として組み入れることによって、現代人類学の祖となった人物が現れた。
その人物によって提唱された手法が現代にまで継承されているが、文化人類学のフィールドワークの特徴というのは、いったいどのようなものなのだろうか?
あるいは、この授業の担当講師のフィールドワークの経験とはどのようなものであったのだろうか?
そのあたりから、フィールドワークという調査研究の手法について考えてみてほしい。