「体に合ない」はどう表現したらいか。
内容語の大切さ
英語の学習は、文法を学び、文の構造(主語動詞の関係と修飾関係、時制)が分かったら、語彙を増やすことです。特に内容語を増やしてください。

英語の単語は大雑把ですが、内容語(content words)と機能語(function words)に分かれます。
内容語のうちでも、名詞と動詞の語彙数を増やすことが一番大切です。表現内容を豊かに色付けするためには形容詞や名詞と前置詞を使った形容詞相当語句も増やしてください。

知っている動詞でも意味が異なって使われる場合には、その意味も習わなくてはいけません。

体に合わない
たとえば、「体に合わない」という場合の言い方はどのようにしたらよいでしょうか。

基礎的な語彙を用いればそれなりに表現可能です。

I don’t like whisky.
Whisky is not my favorite.
I don’t drink whisky because I feel sick(=ill米) when I drink it.
Whisky is not good for my body.

実際にこういう表現で十分自分の言いたいことを表現できます。ですから、そこまで訓練して使いこなせるようになれば外国語教育/学習は大成功です。
もちろん、文型の違いも習わなければ次のような使役動詞(causative verbs)を使った文を作ることはできません。

I don’t drink whisky because it makes me sick.

そして、他の語句を使うとさらに抽象化が深まることになります。子供向けの絵本の文章から大人向けの小説になると、しだいに抽象化の深い語句が使われるようになります。そういう抽象化の深い語句を理解するためには、そういう語句を知らなければどうにもなりません。それはさらなる学習の深化を必要とします。

たとえば、「体質にあわない」というように「合ない」という英語は?これは知らなければ上のような文章で表現すればよいのですが、それでも敢えて別表現を使うとなると、どのような動詞を使えばよいでしょうか。解答は最後にありますので、次の英語の品詞についてを読むのが面倒なひとはスクロールして例文をご覧ください。


英語の品詞について

内容語とは名詞、形容詞(副詞)、動詞(助動詞)です。私の分類では、その数がとても多いというものです。
機能語とは冠詞、数詞、前置詞、代名詞、指示代名詞(thisやthoseなど)、接続詞、感嘆詞(間投詞)です。私の分類では、その数が限られているというものです。

冠詞と数詞は名詞を修飾しますので、形容詞の仲間であるとの考え方もあります。
さらに、数詞、冠詞そして指示、所有代名詞、否定の形容詞(=no)、疑問形容詞(=which, what , whose)は名詞を限定しますので、これらをまとめて「限定詞(determiner)」と呼ぶ人もいます。
もうひとつadjunct(補助詞)という分類もありますが、これは複雑ですので、後ほど別項で説明します。
この他に、関係詞や疑問詞と呼ばれる単語の分類もあります。

ここでは、動詞がどのような性格を持って文を作り、どういう意味を伝えるか見て行きます。
上で述べたように、動詞は内容語ですので、その数がとても多いということです。動詞句や形容詞句(be afraid ofなど)を含めるととてつもなく多くなります。私たち英語の母国語話者でない人の大半はそのうちのごく限られたものしか使いこなせないと思います。もちろんそれで英語の総体の実用的な部分を把握(理解し使用)できますので、それ(いわゆるご威力)を少しずつ膨らませていけばよいのですが、どこまで膨らませていけばよいのかについては、その人の使用範囲によります。たとえば、英語の子供用の絵本を読むだけでよいというひとはそれほどの語彙力は必要ないでしょう。大人が読む小説を細かいニュアンスを理解しながら読み取るためにはそれなりの語彙力が必要です。

大人用の小説などを読む場合は特に名詞と動詞(動詞句を含めて)と形容詞(副詞)は数が多いですから、少しずつ習得数を増やしていく必要があります。

知っている単語でも、おやこんな使い方があったのかというものがありますので、意味や語法について気がついた動詞について記録していきます。


Something agrees/doesen’t agree with me.
「体に合う、合わない」には、agreeが使えます。
「賛成だ」「同意する」が基本的な意味であることはよく知られていますから問題ないでしょう。

I don’t think he agrees with me/my opinion. He has a more radical idea.
(彼は私の意見に賛成していないと思う。彼の考えはもっと過激だ。)

もう一つの意味は、「体(質)に合う合ない」です。食べたり飲んだりするとなんとなく体に悪いような気がする時にこのagree withを使うと便利です。性格に合ないというよりも体に合わないのです。特に食べ物やお酒の話になったりして、ウィスキーはちょっと、というような時には、

Whisky/Sake doesn’t agree with me.
Wine doesn’t seem to agree with me. When I drink it, I feel kind of funny.
The climate here doesn’t agree with me.
The snobbish way of living in this house doesn’t agree with me.(体質に合わなくて幸せを感じない。)

suitは体質というよりも、性格とか気持ちとか好み、趣味に合ない時に使います。 上記のagree withでも使った天候や生活習慣はどちらの分類にも入りますので、suitでもagree withでも使えます。

The climate here doesn’t suit me.
Their snobbish life doesn’t suit me.(私の生き方の趣味に合ない。)

体というよりも性格とか性向に趣味に関わるものが主語ですと、仕事とか着物が合う合ないはsuitが向いているようです。

The job doesn’t suit me.

Can this coat suit me?

marriageは、うまく行かなくて自分には向いていないではsuit,自分に合っている生活習慣で幸せならagree withtというところで、違いがとても微妙で、人によってはどちらでもよいということでしょう。

簡単に言えば、agree withもsuitも「嫌いだ」「好きではない」ということですから、likeやfavoriteが使えるのです。そうすると、体質的なものでも性格的なものでも使えます。
I don’t like this job.
It’s not my favorite job.(favorite=形容詞)
This job is not my favorite.(favorite=名詞)

ただ、白黒と割り切ってしまいますので、「ちょっと体が受け付けないというか。。。」という微妙さが表現できないのです。ですから、どのように嫌いだとか好きだとか、どういう感じがするかを補足説明するとよいのですが。(agree withは食べ物とか健康とかの意味範囲が少し広がります。)なぜ合ないかという理由を述べることが大切ですが、慣れていないと、ひとつかふたつのぶっきらぼう文だけで終わる傾向がありますので、そこのところはこれからの英語教育で補足していかなければならないところです。いくつか言い訳の例を述べますと。。。

I don’t like whisky. It’s too strong. Its alcoholic content/percentage is 45. I get kind of ill when I drink even two drams. And I have a headache later if I drink too much of it.

My father didn’t like it, either, He didn’t drink whisky even if it was a good one. So it’s hereditary. I like sake better.

They say that grain and grape don’t mix, which means “cham-pon”drinking is no good in Japanese. I agree, but sticking to whisky gives me a hangover. I had a terrible experience when I drank whisky for the first time. I threw up soon after I drank a glass of my father’s, probably cheap one. Since then I drank whisky several times, and each time I felt sick, so now I never drink it.I prefer beer and sake

英語検定の面接や食事会などで話さなければいけない場面では、statementを一文二文言ってからその具体例や理由を付け加えるようにしてください。それ以外の必要最低限の情報ですむ状況ではstatementやyes, noだけで構いませんし、むしろ余計なことを言わない方がよい場合があります。


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