(1)peopleと同じ複数名詞です。その考えに立つと、two cattle, three cattle, ten cattle...と、twoからの数詞で数えることができます。many cattleと言えます。しかしone/a cattleとは言えません。
(2)two, three... seven cattleのように低い数で数えられないという人がいます。(しかし、seven head of cattleのように、head ofを付けるならよいとも言っています。headはこの場合単複同形です。)a thousand cattleのように大きな数ならよいとしていますが、実際どのくらいのサイズならよいかは個人差がありそうです。これは、群れのサイズについての理解が、人によって異なるからだと思われます。
どちらの用法を選択すべきでしょうか。たぶん、世代と地域の間で違いがあるのだと思いますので、
一番安全なのは、head ofを付けることだと思いますがheadが単数複数同形というのが使いにくいところです。それから、これも逃げなのですが、あまり小さい数の場合はcattleを使わないで、cowsやbulls やcalvesを使ったり、I have some cattle on my farm. などと大雑把に言うこともできます。
policeもこれと同じように、two policeなど、「警官隊」という集団とtwo police, three police, four policeなど、低い数との組み合わせは違和感がある人もいるようですので、several police, some police, many police, a lot of policeのように使います。また、police officersを使うと数が少なくても安全です。例をあげます。
We have 100 (head of) cattle on this farm.
この農場には100頭の家畜(牛類)がいる。
There are 90 cows and 10 bulls in this herd of cattle/in these cattle.
この家畜の群れには90頭の雌牛と10頭の牡牛がいる。
They sold many cattle, but still there were a lot left.
かれらは多くのの牛を売ったが、まだ、たくさん残っている。
There are many cattle on your farm. How many cattle are there?
There are 150 of them. (There are 130 cows, some of them are calves, and 20 bulls.)
(1) 数詞とともに用いることはできない。
Michael SwanはPractical English Usage (2005)の中で、three cattleなどのように数えることはできないと述べています。しかし、many cattleは容認しています。
Cattle is a plural word used to talk collectively about bulls, cows and calves; it has o singular, and cannot be used for counting individual animals (one cannot say, for instance, three cattle).(p.517)
cattle(畜牛)は、牡牛、雌牛、子牛を集合的に言うのに用いられる。単数形はない。個別に牛を数えるのには使えない。(例えば、three cattleとは言えない。)
(2)数詞とともに使って構わない。
(1)とまったく対照的ですが、Douglas Biber, etalによるLongman Grammar of Spoken and Written English(1999)では、次の記述があります。ここでは数詞を使って数えてよいというのです。every head of cattleも容認されています。(だからといって、a head of cattleも容認されるかどうかは不明です。)
Cattle combines with numerals (e.g. a group of 36 cattle). Countable reference can also be achieved by the use of a collective noun (a herd of cattle), a unit noun (every head of cattle), or by using a corresponding singular noun (a cow/bull/bullock).
cattleは数詞と結びつく(たとえば、a group of 36 cattle)のように。可算用法としては集団名詞として(a herd of cattle=牛の群れ)や一頭単位での用法もあり(every head of cattle=すべての一頭一頭も牛)、あるいは、対応する(cow,bull, bullock)
単数名詞が使える。
(3)小さい数詞、たとえば、two cattle, three cattleなどは使えない。しかし、どのくらいの大きさの数詞から使えるのかは明言されていない。
The Cambridge Grammar of the English Language (Rodney HuddlestoneとGeoffrey K. Pullum: 2002)では、cattleとpoliceは少ない数で数えることができない、大きくてしかも端数のない数ならよいとしています。そして、この二つは、quasi-count nouns(疑似可算名詞)と呼んでいます。イギリスの文法学者が中心になって編集された文法書ですので、もしかしたらイギリス英語はそういう傾向があるのかもしれません。
cattle, livestock(牛、馬、羊などの家畜), police, poultry(家禽), vermin(害獣、狐、狸、いたちなど)
が、このquasi-count nounsだと言っています。そして次のように説明されています。
これらの名詞は小さい数詞とともに用いられません。大きくて端数のない数詞と一緒に用いられます。したがって疑似可算名詞という種類に「分類されるかもしれません。
例として、a thousand cattleはよいが、seven cattleはだめ。その場合にはseven cowsを使うとよい。two hundred police はよいが、four policeはだめ。代わりにfour policemenとかfour police officersを使うとよい。
They cannot be used with low numerals, but are found with high round numerals (and hence might be classified as quasi-count nouns.)
a thousand cattle *seven cattle seven cows
two hundred police *four police four policemen/police officers
There are many cattle on this farm. How many cattle do you have? という言い方をすればよいということでした。
それで、答えにtwenty cowsやtwenty cattleあるいはtwenty (head of) of themなどという答えを期待すればよいのだと思います。