Nobel-Sho
Kazuo IshiguroさんのNobel Prize Banquet Speechの中で、小さい頃お母さんがノーベル賞のことを話してくれたという逸話を紹介しています。そのスピーチで、Nobel Showではなく、Nobel Shoと発音しています。

日本語では、学校の発音で分かるように、「がっこう」でも「ガッコー」でも構いません。ただひらがなで書くときは「がっこう」にしなくてはいけません。ノーベル賞も「のーべるしょう」と書かれますが、Ishguro氏は誤解されないように「のーべるしょー」と発音しています。
短いですが、美しいと言う形容詞が合うスピーチです。以下はその一部です。

I was five years old, lying on my front on a traditional Japanese tatami floor. Perhaps this moment left an impression because my mother's voice, somewhere behind me, was filled with a special emotion as she told the story about a man who'd invented dynamite, then concerned about its applications, had created the Nobel Sho - I first heard of it by its Japanese name. The Nobel Sho, she said, was to promote heiwa - meaning peace or harmony. This was just fourteen years after our city, Nagasaki, had been devastated by the atomic bomb, and young as I was, I knew heiwa was something important; that without it fearful things might invade my world. (https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/literature/laureates/2017/ishiguro-speech.html)

日本の子供たちは家で、あるいは学校でノーベル賞についての話を聞いてIshiguro氏と同じ気持ちを抱くのだと思います。( 世界の子供たちと言いたいのですが、そういう話をしてくれる人がいない地域もあることでしょう。)Ishiguroさんは、ノーベル賞が競争だけによって獲得されるのではないということを教えてくれたように私には思えます。Ishiguroさんの個人的な努力があっての受賞です。---競争社会の中で邪魔者は消せというような考えを持つ人はヒトラーを含めて何らかの劣等感があるからです。自分より優れた人をつぶそうと画策するのではなく自分の道に努力を続ける---ある程度才能と環境に恵まれていないと難しいことです。実際には競争による淘汰がこの世の至る所にありますから、それは飽くまで理想です。ノーベル賞自体も理想です。人のこころも理想と現実の間で揺れ動きます。
とは言っても、イシグロ氏もこれまでに至るまでに別の種類の競争はあったかもしれません。しかしそれは絶えず自分との競争だったように私には思えます。受賞を知らされた時にノーベル賞のことなど考えてもいなかったというところが面白いと思います。まったく無欲ということはないにしても、人を妬まず、自分の不運を呪わず、自分と競争するというのは苦しくも楽しく、理想の生き方のひとつの見本です。もちろん他の作家もノーベル賞のために作品を書いているひとなどいないと思います。イシグロさんは家庭的にも恵まれてもいたのでしょう。英国でも差別されることなく、また、当時は日本人の家庭が珍しいため、地域の人たちに注目されながら育ったということを受賞スピーチで述べています。
晩餐会のスピーチは短いものですが、お母さんへの感謝を含んでいて心温まります。そして、現実と理想、戦争と平和について考えられます。

[オウ]と[オー]の発音に戻ります。
smokeを[スモーク]と発音しないように学生に指導してください。
Do you smoke?
Do you [すもーく]?-->Do you [すもうk]?

I taught English.
I [トウト] English.と言わないように。--> I [トーt] English.

droneも[droun]
bonusも[ボウナス]
ただし、
goneは[ゴーン]とか[ゴン].goは[ゴウ]なのに。[ごうん]と発音しないように。
coralとかchorusなども[おー]。これはrがあるから。


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