2001年9月19

生活環境についての新座市民調査

調査結果の概要

 立教大学社会学部産業関係学科では、「社会調査実習」の一貫として、『生活環境についての新座市民調査』を実施させていただきました。多くのみなさまにご協力いただき、教育研究のための貴重な調査結果を得ることができました。深く感謝いたします。

 以下に、調査結果の概要を掲載いたします。これは、主な項目についての結果を要約したものになっております。本調査は2001年6月に実施され、600名の女性を対象にいたしました。その内371名の方からご回答をお寄せいただいております。

 これらのご回答を整理してコンピュータに入力した上でのデータ作成作業や分析には、通常、長期間を必要とします。今後、さらに分析を進め、このページに結果を掲載する予定です。

立教大学社会学部

助教授 村瀬洋一

担当  大学院生 大勢待利明

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1 一般的な社会意識ついて

1.1 生活満足感

「満足している」と「どちらかといえば満足している」の割合の合計が80%を超えています。全体的に、自分の生活に満足している女性は多いという結果が見受けられます。

1.2 今後の世相

今後の世の中は「悪くなる」と考えている割合の方が「よくなる」の割合よりも若干多くなっています。また「無回答」の割合が高くなっており、今後の世の中の不透明さを物語っているようです。

1.3 社会への不公平感

世の中は「公平でない」・「あまり公平でない」と考えている女性の割合の合計は69%になっています。生活満足度とは対照的に、不公平感を感じている女性は多いようです。

2 ごみ問題に関する意識について

2.1 ごみ問題に関する心配

全体的に、ごみ問題に関して心配をしている女性は多いということがわかります。

2.2 ごみの規制強化に対する心配(年代別)

 年代が上がるにつれて「非常に心配だ」の割合が高くなっています。しかしまた一方で「全く心配でない」の割合も高くなっています。

2.3 ごみ問題に関する意識

 環境政策への期待意識が高く、ごみ問題解決のために「生活の不便さ」や「税金が高くなること」を受け入れる意識も高いようです。

2.4 ごみ問題で生活が不便になっても仕方がない(年代別)

 年代が上がるにつれて、ごみ問題で生活が不便になっても仕方がないという質問に対し「そう思う」と答える人の割合が高くなっています。しかしその一方で、「そう思わない」という人の割合も高くなっています。

2.5 ごみ処理のため税金が高くなっても仕方がない(年代別)

年齢が上がるにつれて、ごみ処理のため税金が高くなることを受け入れる傾向が強くなるようです。

2.6 ごみ問題は誇張されて伝えられている(年代別)

 ごみ問題が誇張されて伝えられていると思っている人は、年代が上がるごとに多くなっています。

3 住民のごみ分別・回収について

3.1 ごみの分別・回収の実行

 全体的に、ごみの分別・回収の実行率は非常に高くなっています。その中で「発泡トレーの回収」と「牛乳パックの回収」が他に比べて低くなっています。また「生ごみの水分をよく切る」も若干ですが実行率が低くなっています。5ページの「ごみの分別・回収の手間意識」を見てみると、「発泡トレーの回収」・「牛乳パックの回収」・「生ごみの水分をよく切る」において「手間がかかる」と答えている割合が高くなっています。手間意識の強弱が実行に影響しているようです。しかし一方で「粗大ごみを処分する」は手間がかかるようですが、実行率は高くなっているという結果も出ています。

3.2 牛乳パックの回収(年代別)

 年代が上がるほど、牛乳パックの回収を行っているようです。

3.3 発泡トレーの回収(年代別)

 年代が上がると、発泡トレーの回収を行っているようです。「実行していない」という人はどの年代でも同じ割合になっています。

3.4 牛乳パックの回収(新座市居住年数別)

 新座市居住年数が10年以上20年未満の人で牛乳パックの回収を「実行していない」割合が最も低くなっています。

3.5 発泡トレーの回収(新座市居住年数別)

 発泡トレーの回収を「実行している」割合が、新座市居住年数20年以上30年未満で最も高くなっています。また「実行していない」という割合が、居住年数20年以上30年未満で最も低くなっており、その他では一様に39%になっています。

3.6 雇用形態による回収の実行率(%)

「牛乳パック回収」・「発泡トレーの回収」を実行している割合が最も高いのは専業主婦であり、最も低いのが学生です。またどの雇用状態においても、「牛乳パック回収」の割合の方が「発泡トレーの回収」の割合よりも高くなっています。

3.7 ごみの分別を実行する理由(複数回答,%)

 「ごみ問題の解決に役立つ」・「習慣」・「当然のことと思う」ということが、ごみの分別を行う理由になっていることがわかります。

3.8 市が要請するごみの分別方法への共感度

「共感する」と「どちらかといえば共感する」の割合の合計は80%を超えています。共感しない理由として「他の自治体に比べて分別基準が緩慢である」や「もっと細かく分別すべき」という意見がありました。

3.9 市が要請するごみの分別方法への共感度(年代別)

 年代が上がるごとに「共感する」の割合が高くなっていくことがわかります。

3.10 ごみの分別・回収の手間意識

 「粗大ごみを処分する」・「牛乳パックの回収」・「発泡トレーの回収」において手間意識を感じている人が多いことがわかります。

3.11 牛乳パックの回収の手間意識(年代別)

 年代が上がると、牛乳パックの回収に「全く手間がかからない」と答える人の割合が高くなっていることがわかります。

3.12 発泡トレーの回収の手間意識(年代別)

牛乳パックの回収と同様に、年代が上がると、発泡トレーの回収に「全く手間がかからない」と答える人の割合が高くなっていることがわかります。

4 ごみ処理にかかる費用の負担方法について

4 ごみ処理の負担方法

「可燃ごみ」と「リサイクル資源」については、税金で賄うべきという意見の割合が高く、「粗大ごみ」については意見が分かれているようです。「不燃ごみ」については一部有料化の割合が高くなっています。

5 利他的行動について

.1 利他的行動

 「慈善団体への寄付」の割合は均等に分かれています。「ご老人に席を譲る」では、「している」と「どちらかといえばしている」の割合の合計が80%を超えています。献血では、「全くしていない」人の割合が高くなっています。

5.2 慈善団体への寄付(年代別)

 2030代で寄付を「している」割合が9%となっており、4050代の34%、60代の49%と比べ極端に低くなっています。

6 つきあい・発言力について

6.1 近所づきあい

近所の人たちと「親しく話をする人が多い」と「親しく話をする人が少しはいる」の割合の合計は70%を超えています。親しく話をする人が近所にいる女性が多いようです。

 

6.2 近所づきあい(年代別)

 年代が上がると、「親しく話をする人」が増えていくことがわかります。

6.3 つきあい

 勤め先以外の友人とのつきあいがある人は90%と非常に高くなっています。続いて、勤め先の同僚とのつきあいがある人は60%、町内会や自治体の役員とのつきあいがある人は56%となっています。一方で、役人や政治家とのつきあいはほとんどないようです。

6.4 発言力

 職場や同業者以外の仲間のなかで、発言力があると感じている人が75%と他の項目に比べて高くなっています。

7 伝統的価値観・政治意識について

.1 伝統的価値観・政治意識

 「伝統に合わないことも受け入れる方だ」と「男は外で働き、女は家庭を守るべき」の回答が対照的な結果となっています。「強力な政治家が社会を引っ張るべきだ」という割合が高い一方で、「自分が頑張っても政治は変わらない」という意見が66%に達しています。

7.2 男は外で働き、女は家庭を守るべき(年代別)

 4050代で「そう思う」と答えた人は5%、60代では24%となっており、この両世代で大きな価値観の断絶があることがうかがえます。

7.3 政治はやりたい人に任せればいい(年代別)

 「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計で見るならば、どの世代もあまり違いは見られません。しかし、「そう思う」の割合だけを見てみますと、この割合は年代が上がるごとに高くなっているのがわかります。

8 牛乳パック回収の規定因について

8 牛乳パック回収の規定因

説明変数 参照 質問項目 評価
生活満足感
 
1-1
 
現在の自分の生活に満足ですか 1 不満である〜4 満足している 4段階評価
環境政策を期待 2-3
 
政府は経済成長よりも環境問題に取り組むべき 1 そう思わない〜4 そう思う  4段階評価
手間意識

 
3-10

 
牛乳パックを回収に出すのにどれくらい手間がかかると思いますか 1 全く手間がかからない〜4 非常に手間がかかる             4段階評価
近所づきあい
 
6-1

 
近所の人たちとどのようなお付き合いをしていますか
 
1 顔を知っている人はいない〜5 親しく話をする人は多い        5段階評価
政治意識
 
7-1
 
自分が頑張っても政治は変わらない 1そう思う〜4 そう思わない  4段階評価
被説明変数
牛乳パック回収

 

3-1


 

牛乳パックの回収をしていますか

 

1実行していない〜4 実行している
 4段階評価

上の図8から次のことがわかります。

@生活満足度は、牛乳パック回収をすることにあまり影響がない。

A手間意識の数値が上がるほど、牛乳パック回収をしない。

B環境政策を期待・近所づきあい・政治意識の数値が上がるほど、牛乳パック回収をする。

 ※手間意識が、牛乳パック回収をすることに大きな影響があるようです。

9 情報について

9.1 市の広報活動の認知

 市が行っているごみ削減のための広報活動を「全く見かけない」・「どちらかといえばあまり見かけない」という人の割合が63%となっています。

9.2 市の広報活動への評価

 市の広報活動への評価は、「していると思う」割合が44%、「していないと思う」割合が56%となっており、だいたい意見が半々に分かれているようです。

9.3 ごみの分別方法の知識や情報をどこから得るか(複数回答,%)

 「市の広報」や「町内会の案内・回覧版」が知識や情報を得ている人が多いことがわかります。

10 どこから新座市へ移住してきたかについて

10.1 どこから新座に移住してきたか

東京23区から新座市に移住してきた人の割合が一番高いことがわかります。

10.2 どこから新座に移住してきたか(年代別)

 年代が上がるほど「生まれてからずっと新座」の人が減少し、「東京23区から移住」してきた人の割合が高くなっていることがわかります。2030代では「新座市以外の埼玉県の地域から移住」してきた人の割合が高くなっています。

10.3 前住地と牛乳パックの回収

 「生まれてからずっと新座」に住んでいる人の間で、牛乳パックの回収を「実行していない」の割合が41%と高くなっています。

10.4 前住地と発泡トレーの回収

 発泡トレーの回収を「実行している」割合が、「生まれてからずっと新座」において27%と他に比べて低くなっています。

11 その他

11.1 所属団体(複数回答,%)

 町内会・自治会に所属している人が70%に達しています。続いてスポーツ・学習サークルへの所属が34%、生協・消費者団体への所属が23%となっています。その他への所属は全て10%未満となっています。

11.2 財産保有率(複数回答,%)

 クーラー・エアコンの保有率は98%と非常に高くなっています。乗用車の保有率が82%、パソコンの保有率が64%と続いています。

 


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