Look1 ヒエロニムス・ボス/快楽の園

Designer 石井成美


ヒエロニムス・ボス
「快楽の園」1480-1500頃

ボスは15世紀中頃〜16世紀初めに活躍した宗教画家である。
彼についての史料は乏しく謎に包まれている画家である。
彼の生きた時代背景・現存する作品の特徴を服にした。

当時、人々の暮らしは権力者である聖職者の汚職などによって抑圧され困窮した生活を送っていた。
ボスの作品の特徴は「悪魔的」であり人間の罪悪を描写しているということだ。

全体のテーマカラーは白。これは宗教画ということのイメージである。
コルセットは抑圧された生活、体のラインを表すことで官能的な感じを表している。
スカートは蛇柄の合皮をボスの描く様々な形の悪魔・生物をイメージしている。
スカートの周りのシフォンは、苦しい生活のなか人々が生きていく糧にしていた素朴な楽しみや陽気さを表している。
また同時に、何層も重ねたシフォンは人々が権力者に抱いていた強い憎悪を表している。
何本も針が刺さったつけ衿はボスの作品の中でよく見られる細い針や棒をイメージした。
これにはボスの悪魔的な作風と攻撃的な感じを表している。