第5章 不法行為法の経済分析 解答 5.6〜5.8

問5.6

完全補償より小さい賠償⇒P(x)A曲線は左下にシフト

SC曲線が左下にシフト

x*の値は減少
つまり、完全保証の下での社会的費用最小化レベルより小さくなる

問5.7

問5.6と全く逆のこと
完全補償より大きい補償をするとP(x)A曲線は右上にシフト

SC曲線が右上にシフト

x*の値は増加
つまり、完全保証の下での社会的費用最小化レベルより大きくなる

問5.8

(「効果的予防のインセンティヴ」の点に着目)

(a) 過失責任:ミンク牧場は、発破作業があることを知ったら何らかの予防をできたはず。たとえば、発破作業が終わるまで一時的にミンクをどこかへ移動させておく、など。

(b) 厳格責任:消費者には、予防のしようがない。また、厳格責任ルールの適用には、製薬会社に“不純物が混入しないパッケージ”の開発努力をさせることができるというメリットがある。

(c)1 厳格責任:盲目の人には信号が見えず、予防が難しい。一方スピード違反は容易に予防できる。車の運転手のみが予防可能。

2 過失責任:理由はどうあれ、お互いに注意することで、責任、あるいは残余責任を免れようとする。つまり「予防の双方性」の状況にある。

3 →場合分けしてみる
  @子供の親を含めて考える場合
  過失責任:子供が道路に飛び出さないよう、日頃から親は子供によく教えるべき。また、外に出たときは子供から目を離さず、道路に飛び出すことがないよう注意しておかなければならない。それをしなかったところに過失があるといえる。

  A子供だけで考える場合
  厳格責任:小さな子供には自己利益を追求するという感覚がなく、過失ルールによって残余責任を課されても何とも思わない。すなわち予防を講じるインセンティヴが生じない。
(…とはいえ、道路に飛び出すことが危険だと判断できないほど幼い子供が、たった一人で行動していることは、通常ありえないだろう。)

4 過失責任:未成年とはいえ、スピードを守ることぐらいは簡単にできる。また、信号を守ることもたやすいはず。双方とも事故の確率を減少させる予防をすることが可能な「予防の双方性」の状況。

 5 ???


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