理学部化学科 研究室紹介冊子2021
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27酸化反応を触媒する幾つかの遷移金属錯体が報告されていますが、2分子の水からO-O結合が形成される過程を明らかにしたのは、私たちが世界で最初です。■酸素還元反応を触媒する 複核コバルト錯体式1の逆反応である酸素還元反応は全ての燃料電池で行われている反応であり、エネルギー変換の観点から考えると最も重要な化学反応だと言えます。先ほどの水の酸化反応を触媒する錯体のルテニウムをコバルトに代えると、酸素還元反応を触媒することが分かりました。同じ構造をもつ錯体で金属の種類を変えると、全く逆向きの化学反応を触媒するのです。これは金属元素の性質を反映したものですから、基礎化学の観点からも大変興味深い現象であると考えています。ESI-MS測定装置定電位電解反応の様子世界中で誰もやったことのない研究を行うと知識や技術ばかりではなく、ちょっとした変化に気づく注意力が大切です。見逃さないためには常に研究のことを考え続け、準備することが必要です。チャンスは準備をしている人にしか訪れません。化学は知れば知るほどやめられなくなるほど面白い学問です。化学に“はまる”と一日中研究のことを考えたくなってしまいます。立教大学で一緒に化学に“はまり”ませんか?構成メンバー 助教:中薗孝志 博士課程後期課程3年生:1名 博士課程前期課程2年生:6名 博士課程前期課程1年生:3名       学部4年生:4名卒業生の進路日立ハイテク、アルペン、日本パーカライジング、大同化成工業、ニチアス株式会社、三菱アルミニウム、日本コルマー、ゼオン化成、東京電力、東洋合成、リンテック、他大学大学院進学(東工大など)などfrom labo.

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