理学部化学科 研究室紹介冊子2023
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ジアリールエテン単結晶を用いて、従来の可逆的な色変化のみならず、これまでのフォトクロミック分子では実現していない特異な光機能を探索しています。具体的には、分子間相互作用の導入による結晶構造の制御、および独自の結晶成長法による結晶サイズの制御を行い、光により結晶形状が可逆的に変化するフォトメカニカル機能を示す分子結晶の開発とその力学特性の解明に取り組んでいます。結晶構造解析、光反応解析、および物性解析を行うことにより、『どのような分子を用いて、どのような結晶構造に積み上げれば、どのような機能が生まれるのか』という光機能分子結晶の本質を明らかにすくれたときには、すばらしい感動が得られます。しっかり育ててあげれば、必ず応えてくれます!構成メンバー 助教:西村 涼        博士課程前期課程2年生:2名 博士課程前期課程1年生:4名 学部4年生:7名 学部3年生:1名卒業生の進路 日本たばこ産業、キヤノン、関西ペイント、コニカミノルタ、ユニチカ、中学校・高等学校教諭などるとともに、光駆動アクチュエータなどの新しい光デバイスとしての応用の可能性を探ります。ジアリールエテン単結晶のフォトクロミズムジアリールエテン単結晶の光誘起屈曲変形ジアリールエテン単結晶のフォトメカニカル機能:自重の275倍の重さの鉛球を持ち上げる21■フォトクロミック分子結晶の 新機能創出フォトクロミック分子をデバイスとして用いるためには、固体状態で優れた光反応性を示すことが求められます。ジアリールエテンは、溶液中のみならず、単結晶状態においても安定なフォトクロミズムを示します。これまでに、単結晶の光反応を解析することにより、100%の量子収率で反応が進行するなど、結晶という特異な反応場の特徴を明らかにしてきました。from labo.自分ががんばって合成した分子が、期待通りの、あるいは予想もしなかったそれ以上の仕事をして

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