理学部化学科 研究室紹介冊子2023
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する高活性な触媒の開発は急務となっています。最近、一連の遷移金属リン化物がHDSに対し極めて高い触媒活性を持つことが見いだされました。私たちは、その触媒活性の本質を解明し、それにより高機能触媒を設計することを目指して、リン化物表面の研究を進めています。応過程は未知の状態です。私たちは、全員が新たな分野を切り拓く開拓者のつもりで、研究に励んでいます。私たちが最近力を入れているテーマの一つに、ナノ構造があります。1,000個程度の原子の集まり(ナノ粒子)、厚さ2〜3原子層程度の薄膜がこれにあたり、これらは表面のみから成る物質と見なすことができます。これらの性質については全く未解明で、日々新たな発見があるという状況です。皆様も、新たな分野を切り開く研究に参加してみませんか。構成メンバー博士課程前期課程:4名 学部4年生:6名 卒業生の進路日立システムズ、ニチアス(株)、衆議院事務局、ベネッセコーポレーション、東京工業大学大学院進学 などTiO結晶作成の実験風景ナノ構造・薄膜作成用原子源5■表面上での新規物質の合成表面上に原子を配列させ、少しずつ積み上げていくことにより、様々な物質を作り出すことができます。この方法を用いると、大気圧下では作ることのできない物質も、合成することが可能です。私たちは、真空中でチタン原子と酸素原子を配列を制御しつつ銀の表面に積み上げることにより、これまで合成が不可能とされてきたTiOの結晶を合成することに成功しました。現在も、これまで作られたことのない様々な物質の合成にチャレンジしています。(枝元研究室は2023年度末で閉室の予定です)from labo.表面科学は比較的歴史が浅く、まだまだ未成熟な研究分野です。特に、表面反応はほとんどがブラックボックスのままで、反

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