ズムを示す酸化還元活性配位子白金錯体のその反応が、一見反応式上関係のないpHにも依存して起こることを発見しました。なぜそのような反応が起こるのか、調べているところです。による新規発光性一次元白金錯体がd-p相互作用に基づいて発光するのをヒントに、d-p相互作用を電荷移動相互作用に見立てて、白金錯体に有機アクセプターを新しい化合物構成成分として導入し、新概念に基づく新しい発光性結晶を構築します。写真は、導入した有機分構成メンバー助教:横森 創 大学院生:2名 学部4年生:7名 学部3年生:3名卒業生の進路大学院進学(立教大学、東京大学、北海道大学、熊本大学)、高校教員、中学校教員、公務員、BASFジャパン、ニチアス、トクヤマデンタル、日本ペイント、NEC、リコー、富士ゼロックス、NTT東日本、NTT DATAなど子がアクセプター性がある場合(左の結晶)は発光し、アクセプター性がない場合(右の結晶)は発光しないことを示したものです。②一次元混合原子価白金錯体液晶の構築と液晶相での 外場応答物性の開発2価の白金錯体と4価の白金錯体を系中に含む一次元混合原子価白金錯体は、白金鎖軸に沿った2価白金と4価白金間の電荷移動相互作用により一次元的な混合原子価状態を形成しており、光との相互作用に著しい異方性を示します。そのため、一次元鎖軸に垂直な偏光では相互作用をまったくせず、透明に見えるの(右図)に対して、平行な偏光では相互作用の結果、非常に強く光を吸収します(左図と中央図)。この混合原子価状態を生み出している相互作用は、白金錯体の一次元的集合状態に依存しているので、液晶のように構造を柔軟にしてやると、温度や外的要因によって変化する性質を示すようになると期待できます。このように、集合状態に依存した応答物性発現を目指しています。23■分子間相互作用によって新規物性を 発現する金属錯体の構築①有機アクセプター・白金錯体結晶の電荷移動相互作用from labo.物質が示す性質の中で「色」や「発光」は、人間を最も魅了するものではないでしょうか。「どうしてそんなきれいな色が出るの!」、「どうして色が変わるのだろうか」、「なぜこの物質は光るのか」といった疑問、好奇心を抱いたあなた、是非いっしょに物質の色にまつわることを探求してみませんか。その道を楽しみながら、しかし地道に進んでいくと、自然とあなたも物質のエキスパート、一端の化学者です。好奇心、探求心は人を大きく成長させます。
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