Tanabe LaboratoryATR分光の模式図26有機半導体/電解液界面分光の模式図電気化学ATR 分光装置■研究背景モノとモノが接する界面は、電池をはじめとした電気化学デバイス、触媒、センサーなど様々なデバイスの機能発現の場であり、私たちはその恩恵を受けて生活しています。一方で、モノとモノに挟まれている界面を測定するには、工夫が必要になります。私たちの研究室では、材料がその機能を発現している最中の、界面の電子状態を明らかにする新しい分光分析手法の開発を目指しています。■ATR紫外可視分光法界面を知るために私たちが主に活用する手法が、日本発の世界に数台しかない減衰全反射型紫外可視分光装置(ATR–UV–Visible装置)です。この装置は、試料台(ATR プリズムの表面から数十ナノメートル程度の狭い空間の、紫外可視スペクトルを測定することができます。実験だけでなく、量子化学計算をはじめとした理論計算や数値解析を駆使して、単なる“線”にみえるスペクトルから多くの情報を引き出します。■電気化学デバイスのoperand測定電気二重層型電界効果トランジスタ(EDL–OFET)は、有機半導体と電解液の間に生じる電気二重層を活用することで、従来のトランジスタとくらべ10分の1以下の動作電圧を実現しています。我々は最近、ATRプリズム上に作製したEDL–OFETのデバイス動作中の分光測定を実現しました。量子化学計算によるスペクトルの帰属のみならず、分子動力学計算による界面分子の挙動にまで迫っています。他にも、リチウムイオン電池を想定した、電解液中のリチウムイオン周りの溶媒和構造や、金属電極近傍での電解液の電位応答についても、明らかにしてきました。田邉研究室
元のページ ../index.html#28