更新日:2017年11月27日  Version 20.1

SSM調査のページ

社会階層と社会移動全国調査の解説

by 立教大学社会学部 村瀬洋一


調査名 「社会階層と社会移動全国調査」  略称 SSM調査
     The national survey of Social Stratification and social Mobility

 SSM調査とは、1955年以来、10年に一度、全国規模で無作為抽出により実施されている、社会学者による日本最大規模の調査。日本の3大社会調査(日本人の国民性調査、NHK国民生活時間調査と共に)の一つと言われているもの。調査主体は回によって異なる。社会階層構造(不平等の構造)と社会移動(社会的地位の変化)について、無作為抽出を伴う全国規模の社会調査によって調べることを目的としたもの。村瀬は1995年SSM調査のメンバーとして調査実施と分析に参加した。

 具体的な目的は、日本社会に、どのような不平等構造(様々な社会的資源の不平等分配の状態)があるか、また、社会的地位(階層的地位、具体的には職業)はどのようなメカニズムで形成されているか、社会や不平等に対する認識等、人々の社会意識の違いの解明等。収入や学歴や威信など、人々の欲求対象だが十分には存在しないものを社会的資源という。第1回のみ日本社会学会調査委員会によって実施された。その後は任意の研究者グループにより実施。1995年は、科学研究費特別推進研究を用いた任意の研究グループ(1995年SSM調査研究会)によって実施されている。継続的な組織はなく、全国の社会学者が、その都度、組織を作って実施している。これまでの調査票は、東京大学の社会学研究室で保存されており、1955年威信票の一部が失われた以外は、すべてが保存されているはずである。なお1960年には東京周辺での調査も行われている。1995年調査は、回収率も6割以上であり、面接法により適切に行われていた。しかし、2005年調査以降は、一部に留め置き法を使うなど、調査法を変更してしまい、回収率も低く、階層研究のためには使い物にならないデータになってしまった。

 2015年調査は、2015年1月以降に16000人を対象として実施。予備サンプルを用いずに計算した回収率は5割にも満たず、残念ながら低すぎて失敗である。回収数が足らないので、予備サンプルを補充し、結局19000人ほどを対象として回収率を計算し、多めに回収出来たように見せることは不適切である。と某教授が発言していたので、久しぶりにこのページを改訂することにしたが、回収率は、予備サンプルを用いずに正直に計算すべきものである。回収率が低い社会調査では、長時間労働や夜間労働の階層、低学歴や低収入の人、都市部の一人暮らし層の回答が少ないデータになってしまう。このことは統計的社会調査の常識であり、そんなことも知らずに調査に参加する人がいるのは極めて不適切なことである。回収率が6割にも満たないデータで、社会階層に関する研究をすべきではない。高回収率を得るための努力が不十分で、調査会社に実際の調査実施を丸投げしてしまうのは、あまりにも手抜き作業である。しかも冬の寒い時期に行うと、当然ながら、高齢のパート女性が多い調査会社の調査員達が一日中、熱心に活動するのは困難となってしまう。2015年調査は、文部科学省科学研究費補助金の特別推進研究として総額3億円以上の税金をかけているのだから、面倒な作業も手抜きをするのでなく、適切な社会調査になるよう、努力すべきである。一つの調査なのに色々な回収率があるというのは奇妙なことだ。少なくとも追加サンプルを使わず正直に計算した回収率がいくつなのかは基本的事実として公表すべきこと。やましい部分がないなら公表できるはず。

 2005年調査も、回収率が約4割程度かそれ以下と低い。低階層の人が少ない偏ったデータになってしまい失敗に終わった。2005年の主要メンバーは、恣意的に閉鎖的組織を作ったため、合理的選択理論や数理社会学の専門家が多く、調査現場をきちんと把握していなかった。また現場で回収のための努力が不十分だったことが失敗の原因である。これは、サッカー日本代表メンバーに野球選手を入れたようなもので、いくら他の分野で優秀なつもりでも、社会調査では役に立たない。SSM調査は、これまでの調査メンバーを含む多くの人に支えられてきたものであり、それらの人々を無視して閉鎖的組織を作って不適切な運営をしていいものではない。なお、2015年調査のための組織ができたが、これも、これまでのメンバーの努力を無視して少人数で組織を作っているとのこと。やる気がなさすぎて困ったことである。

 社会階層とは、収入や学歴や政治力など、様々な「社会的資源」が、社会全体の中で不平等に分配されている状態のこと(不平等分配の構造)である。社会階級は、生産手段を保有するかどうかという1つの尺度により考える(社会全体を資本家、中間層、労働者に分ける)が、社会階層は、複数のものさしによって測定する。通常は連続的に測定するが、カテゴリーを作る時は職業によって日本社会全体を分けることになる。例えば、自営業層、農業層などは社会階層の考え方の一つである。職業は、様々な社会的資源の総合的指標として考えられている。主な調査内容は、本人や親の職業、学歴、経済状況、各種の社会意識である。親子で同じ職業が多いか(社会移動の閉鎖性が高いか)、親の社会的地位によって本人の学歴に違いがあるか(教育社会学)、女性研究、社会意識、政治意識などについて、多くの研究成果があがっている。日本の社会学の中で数少ない、国際的に通用する研究成果である。研究成果について詳しくは報告書や単行本を参照。

 2005年と2015年のデータは、手抜き調査で低回収率となってしまったため、不平等研究のためには使い物にならないのが実情である。調査会社にまる投げするのでなく、きちんとした回収率をあげるよう、努力すべきだった。回収率が低くても構わないとか、低くてもデータの偏りに問題がないというのは、社会調査の実態を無視した不適切な言い訳であり、低回収率の社会調査データを信用してはいけない。また、調査メンバーなのに回収率の実態について知らないとか、自分の責任ではないと発言する学者がいるのは極めて呆れた話しであり、非常に無責任で不適切なことである。低回収率データの分析結果を信じてしまう人が出ないよう、ここに問題点を記すものである。過去の調査で、各地の大学と協力体制を作り高回収率をあげたのは意味のある努力だったし、調査会社にまる投げする手抜き調査で税金を無駄遣いするのは良いことではない。2005年調査は、一部の回収法を、面接法でなく、回答者のお宅に紙をおいてくるという留め置き法に変えたため、階層帰属意識等の無回答が増えてしまい、これまでとの比較ができなくなってしまった。科学研究費として何億円もの税金を使っているのに、このような初歩的ミスをして誰も責任を取らないというのも非常に問題である。

 なお、2005年は、韓国と台湾でも、日本側の予算により調査が実施された。しかし、韓国では、現地の調査会社に丸投げしたところ、いい加減な回収となり、男性の倍以上の女性回答があり、回収率もかなり低いなどデータの内容に問題があり、あまりに恥ずかしい結果なので、データ公開の予定はないとのことである。台湾も、実質的な回収率はかなり低く、日本の税金を使った結果として、使い物にならないデータができてしまった。少なくとも、調査結果とデータの公開は、すべきである。


新着情報

 ★各年度のSSM調査とJGSS2005 用の分析プログラム追加


データの説明

 大阪大学SRDQ

 SSM調査等の調査概要

 田中重人氏 SSM調査説明

 東京大学社会科学研究所 SSJデータアーカイブ

その他

 95年SSM報告書PDF

 HARRY GANZEBOOMさん ISCO用シンタックスなど

 財務省 社会階層・意識に関する研究会

  富永健一氏 SSM調査について

  片瀬一男氏 SSM調査について

  熊坂賢治氏 日本の社会階層と社会移動

  高坂健次氏 階級階層研究

  村瀬洋一 ネットワークに関するSSM調査分析


1.これまでの調査の説明

 1955年以来、10年に一度行われている。ただし1953年には六大都市調査、1960年に東京調査という予備調査的な性格の調査が行われた。1975年までは男性のみが調査対象。

データの特徴
 選挙人名簿を用いて無作為抽出を行い、全国の20-69歳の有権者を対象にしている。したがって70歳以上の高齢者は含まない。1955年当時は、70歳以上の人は少なかったのでそれが当然だった。最近の他の調査は、高齢者も対象としているものがあるので、比較の際は注意が必要。

 1985年以降は女性も調査対象としているが、男女別々にサンプリングをしているので、厳密には、日本社会の縮図にならないことに注意。普通は高齢の女性が長生きするなど男女比に偏りがあるが、SSM調査の標本は、その偏りは反映していない。

 2005年は韓国と台湾でも調査を行ったが、これは回収率が低いなど問題があり、データは公開されていない。2005年の日本での調査も、実態としてはかなり回収率が低かった。


◆55年SSM調査 回収率80.6%
  『日本社会の階層的構造』p.9より
  ロックフェラー財団の資金を得て国際比較調査の一貫として実施。社会学者による戦後初の本格的な社会調査。


◆60年SSM東京調査 回収率62.6%
  『社会移動の研究』p.569より

◆65年SSM調査 回収率71.6%
  『社会移動の研究』p.570より
 この時は研究資金が少なく、安田三郎らによる個人的な努力で行われ、成果は『社会移動の研究』にまとめられたが調査報告書は出ていない。


◆75年SSM調査 このときから2種類の調査票が用いられた
A票 計画標本4001人 有効回収数2724人 回収率68.1%
B票 計画標本1800人 有効回収数1296人 回収率72.0% 職業威信に関する調査
  『日本の階層構造』p.26より
 パス解析や地位の非一貫性などについて分析が行われた。また、職業威信に関する本格的な調査が行われた。


◆85年SSM調査 男性A,男性B,女性票計 全体回収率63.3%
  『現代日本の階層構造』1巻p.186より
 初めて女性も調査対象とした。この時は男性Aと男性B票の他に女性用の調査票を用いた


◆95年SSM調査 約1万人を対象 A票、B票、威信票の3種類の調査票がある。全体回収率67.5%
 『1995年SSM調査 コード・ブック』p.2より
   なおこのページの威信票サンプル数、B票男性有効回収率は間違っているので注意
 この時から、とくに女性用の調査票は用いていないが、無作為抽出は男女別々に実施している。

◆2005年SSM調査 約1万4千人を対象。予備サンプルや補充サンプル等といわれるものを用いず厳密に計算した回収率は3割程度か
 1995年までのSSM調査は、全国の大学が協力して実査を行うなど、質の良いデータをとるための努力がなされていた。しかし、2005年SSM調査は、調査メンバーに社会調査の専門家でない人材が多かったこともあり、調査の実施体制が不適切だった。具体的には、東北大のみが実査の一部を担当しただけで、手抜きが多く調査管理を適切に行わず、調査会社に丸投げ状態だったのである。その結果として、3割程度の回収率しかない。このようなデータを用いた分析結果を信用してはいけない。回収率が低ければデータの偏りが大きく、分析結果は日本社会の縮図とはいえない。少なくとも、このようなデータによって不平等の研究を行うことは不適切である。なお、若者調査と称するインターネット調査も実施されたが、これも回収率が低く、社会の縮図として信用できるデータではない。韓国と台湾でも調査を実施したが、これも、回収率が低いなど、問題が多い結果となっているが、実態について正直な報告はない。科学研究費補助金を1億円以上用いた調査なのだから、調査現場で十分な努力をし、結果を説明するくらいのことはすべきであろう。

 なお、面接法と留め置き法の両方を用いた調査だが、留め置き調査票は2種類の質問がある。
◆2015年SSM調査 1万6千人を対象。予備サンプルや補充サンプル等といわれるものを用いず厳密に計算した回収率は4割程度か
 東京大学の白波瀬佐和子教授を中心に、少子高齢化へ問題にとくに注目して調査実施。科学研究費補助金を4年で3億円以上使用した。結果はまだ公開されていないが、予備サンプルを用いずに、正直に計算した結果の回収率くらいは、きちんと公表すべきものであろう。

 なお、面接法と留め置き法の両方を用いた調査だが、留め置き調査票は1種類のみであるようだ。


分析上の注意点とプログラム(SPSS、SASなど)

 以下のプログラムは、興味のある方はご自由にお使いください。SSM調査データについて、職業威信スコアや職業分類などを作ることができます。プログラムをコピーしたい時は、コピーしたい部分をマウスで選択して右クリックすればコピーできます。その後、ワープロなどの画面に移って右クリックして「はりつけ」を選んでください。あるいはブラウザで、画面の上「表示」をクリックして、ページのソースを見れば、読みやすいでしょう。

 95年『SSM調査コードブック』P114に「管理的職業コードの注意点」がある。95年以降のデータは、これに基づいて修正しないと、管理職が少なくなる。また、1995年までのSSM調査は20-69歳を対象としており、それ以上の高齢者は含まれていないので、他の調査と比較する時には注意が必要。

管理職コードの修正について
 ★95年データにおける職業小分類コードの、管理職の修正について

職業威信スコア作成のプログラム
 ★従業先規模を考慮した新威信スコアのプログラムを掲載

職業大分類(旧SSM8分類、SSM総合職業分類)作成のプログラム
 ★新8分類用プログラムも追加

 

各年度のSSM調査用プログラム(SPSS)

1955年SSM調査用 SPSSシンタックス

1965年SSM調査用 SPSSシンタックス

1975年SSM調査A票用 SPSSシンタックス

1975年SSM調査B票用 SPSSシンタックス


1985年SSM調査男性A票用 SPSSシンタックス

1985年SSM調査男性B票用 SPSSシンタックス

1985年SSM調査女性票用 SPSSシンタックス

1985年SSM調査男性AB合併票用 SPSSシンタックス


1995年SSM調査A票用 SPSSシンタックス

1995年SSM調査B票用 SPSSシンタックス

1995年SSM調査威信票用 SPSSシンタックス

1995年SSM調査AB合併票用 SPSSシンタックス

おまけ JGSS2005用プログラム(SPSS)

職業大分類(旧SSM8分類、SSM総合職業分類)作成のシンタックス

職業威信スコア作成のシンタックス

  SSMとは関係ありませんが、JGSS調査について、分析用のSPSSシンタックスを作ったので、ご参考までにここにおいておきます。JGSSも、職業コードはSSM調査と同じコードを用いているので、同様のシンタックスを使うことができます。

おまけ ISSP2015用プログラム(SPSS)

職業大分類(旧SSM8分類、職業ダミー変数)作成のシンタックス   ISSP2015データを開いたあとで、このシンタックスを実行すると、SSM職業8分類の変数ができます(単純化のため、最初に日本だけにデータ人数を絞っている)。ISCO2008職業コードをSSM95職業コードに直してから、SSM職業8分類を作るためのSPSSシンタックス。


このページについて

 ここはSSM調査に関して、村瀬の個人的意見を掲示するための場所です。分析上の注意点や分析用プログラムなどをご参考までにのせています。なお最近のこの調査は、適切な社会調査を実施しよい研究成果を出している状態ではありません。社会調査において回収率が低い場合、低階層の人達が少ないデータとなるので、分析しても階層研究としては意味がないことは事実。低賃金、低学歴、長時間労働の人や単身者が少ない、偏ったデータとなってしまったのです。活発な人や、大学に共感を持つ人ほど調査に回答するなどの、心理的な偏りもあります。なお、ウエイト付けをしたり補正をすると、さらに心理的な側面での偏りが多くなるなど問題がおきるので、やらない方がよいでしょう。どのように偏っているのか正確には分からないので補正は不可能◆注1。低回収率になったのに、何の説明もせず、責任を取らないというのは困ったことです。多額の税金を使った以上、説明責任があるし、調査メンバーなのにデータや回収率について説明できない人がいるのも極めて不適切なことです。

 また、私が参加を断ったと思っている人がいるのだが、そうではありません。私としては、真面目に調査をやるなら協力するつもりだったが、メンバーから排除されたのです。なお、1995年SSM調査のメンバーであり、経験豊富で優秀な研究者だが、2005年には参加していない人はたくさんいます◆注2。下記のように、私は、2003年予備調査という科研費プロジェクトではメンバーだったのですが、私が調査内容や閉鎖的な組織運営を批判したところ、2005年SSMのリーダーの佐藤嘉倫氏に排除されたというのが事実。自分でやめたわけではないので、誤解なきよう。2003年予備調査の時に、面倒だからなるべく議論はしたくないとか、少人数でやりたいとか、大きな組織は作りたくないという怠慢の発言を佐藤嘉倫氏がしたため、私がそのような閉鎖的方針を批判したところ、2003年調査後は調査幹事から私に連絡もなくなったのです。なぜ連絡しないのかと、私から佐藤嘉倫氏にメールを出したところ、お前はもうメンバーではないので連絡はしない、というメールが嘉倫氏から私に来たというのが、間違いのない事実なのです。研究者の能力でなく、自分の好みでメンバーを決めてしまうというのでは、独裁的で困った人達です。やましいところがないならば、どのように組織を作って、どんな調査をするか、みなさんにきちんと説明すれば良いのだが、それさえもないのが本当のところ。2005年SSM調査は、嘉倫氏と仲がいい一部の人だけに声をかけて、閉鎖的にメンバーを決めているので、前回SSM調査の参加者でも参加していない人はたくさんいます。きちんと組織を作らなかった結果として、かなりの低回収率に終わってしまったのは確かだが、正式な回収率の説明さえ、調査メンバーにないとのこと。やましい部分がないならば説明すべき。幹部として偉ぶりたいという意向が強い人達で、みんなの意見をきいて良い調査をしようという姿勢に乏しい。少なくとも、1995年メンバーに連絡もせず恣意的なメンバーで全国調査をやるのはおかしなこと。適切な調査をできないのでは、恣意的に調査に不慣れな2軍メンバーだけで調査をやったといわれても仕方がないのである。閉鎖的な組織を作れば、優秀な人材が集まらず研究が失敗する結果となるのは当然のことである。また、優秀な調査の専門家を排除していい理由はなく、恣意的に閉鎖的なメンバーで研究をしても構わない、という話しにはならない。

 高級ホテルで研究会をやったり、旅行で予算を使うくらいなら、回収率を挙げるために調査員を増やすなど努力すれば良い。科学研究費は税金。貴重な税金を何だと思っているのでしょうか。予算で幹部が石垣島へ旅行したなど、情けない話しばかりが聞こえてくるのだった。不正行為に関しては厳正な措置が必要です。回収率は、2005年末時点で3割程度しかなく、その後、かき集めたが4割程度との情報(不適切な予備サンプルで補充しない場合の正確な回収率は不明)。ここまで回収率が低いと、低階層の人達が少ないデータとなっているため不平等に関する分析に用いても意味がない。なお、調査メンバーであるにも関わらず、なぜ回収率が低いのか自分には分からないと発言する人まで出現する始末。これは無責任かつ不適切で困ったことです。回収率は低くても構わない、何%でもデータの偏りは同じ、というわけではないのです。

 

 それと、データの内容に問題がないならば、早めにデータを公開するべきでしょう。私はこんなひどいデータを使って研究をするつもりはないが、データの中身にどのような問題があるか、明らかになるという意義はあるでしょう。韓国や台湾での調査も、日本の税金でやったのに、手抜きのため回収率が低く、データに偏りが大きく主婦や老人が多いということであれば研究として問題が大きいことは事実だし、事実は明らかにすべきなのです。

 ◆注1 社会調査において回収率が低い場合、調査現場で調査員が会うことが困難な、単身者や長時間労働の人が少ないデータとなる。また欧米の調査でよくあるように、回収率が低い調査で、得られた結果を数学的に補正することは、より不適切な結果となるのでやらない方がよい。表面的に20代男性が少ないからと言って、年齢や性別を手がかりに補正をすると、さらに単身者が少なくなるなど、データの偏りがより大きくなる。よいデータを得たいならば調査をやり直すしかない。

 ◆注2 ここで個人名を挙げる必要はないが、1995年SSM調査メンバーの中には、実績のあるベテラン社会学者であり、2005年は当然メンバーになると思っていたのに声もかからず、こんなやり方は不誠実だと言って怒っている人が、いくつかの大学において、私が知っているだけで現実に何人かいる。研究において閉鎖的な運営というのは、もちろんいいものではない。私は何度かアメリカ社会学会で発表もしたが、その際など、海外の人々からも閉鎖的な運営への批判をきいている。日本の社会学の評判を落とすという弊害もあるし、優秀な人材がいなければ、よい研究成果が出てこないという根本的な弊害は大きい。優秀な方を差し置いて、調査の専門家ではない人をメンバーに入れるのも、よい方針とは言えない。

 

2.SSM調査の問題点  以下は以前に書いたもの

 

 

2.0.2005年調査のずさんな体制について

 2005年SSM調査は、東北大学の佐藤嘉倫教授を責任者として実施したらしい。私は1995年SSMでは、東北大の院生としてこの調査に参加し、その後、階層についての論文や発表も多いのだが、この調査のメンバーではない。私以外に、海外の優秀な方を含めて、1995年はメンバーだったのに2005年に参加していない人は多い。ただ私は、2003年SSM調査と称する予備調査プロジェクトのメンバーではあった。2002年9月に日本に帰国してすぐに、調査準備の研究会に参加して発表するように斎藤友里子氏から誘われたのである。しかしこのプロジェクトは、1995年SSM調査のメンバーに広く声をかけることはせずに、ごく一部の人だけで行われていた。この調査の準備中、佐藤嘉倫氏や斎藤友里子氏などの調査幹事と称する人達は、面倒だから95年SSMのように大人数にしたくない、少人数でやりたい、もめるといやだから議論はしたくない、コーディング合宿も省略したい、などの発言を繰り返した。私が、閉鎖的な組織を作るのはよくないし、調査内容についてメンバーに説明しないのはおかしいと、そのような方針を批判すると、2003年調査後は、私にはほとんど連絡がなくなり、2004年の10月に、なぜ連絡しないのかと佐藤嘉倫氏にメールを出したところ、お前はもうメンバーではないので連絡はしない、という返事がメールで嘉倫氏から私まで来たのである。別に私が参加を断ったわけではなく、連絡がないので状況がよく分からなかったのが事実なのである。少なくとも、参加を断るならば、それなりの説明や連絡をするのが、人間として最低限のルールというものだろう。SSM調査の幹事と称する人達は、その程度のこともできない学者なのである。

 ただ私に連絡はなかったが、2004年9月に、第一回の全国会合というものが、仙台国際ホテルで行われたのは事実である。しかしこれは各自が調査について希望を言うだけで、きちんとした議論も組織作りもなかったのである。まじめに調査をやらないと予算が余るので、ホテルで豪華に研究会をやり、しばしば海外旅行へ行き、予算を使ってしまうのはよくきく話であるが、困ったことだ。

 税金の無駄使い問題はひとまず置いておくとしても、調査内容について広く意見を集め、きちんと議論を繰り返して質問項目を決めていく体制を作らないと、調査はうまくいかないのである。また、1995年の調査のように、全国の大学と協力体制を作り、十分な回収率があがるように組織作りをしなければ、良いデータは取れない。しかし、佐藤嘉倫氏は、昔は謙虚な人だったのだが、国立大学教授がよくかかる症状で、すっかり傲慢で独裁的な教授になってしまい、自分のプランで調査をやればうまくいくと(少なくとも予備調査実施前までは)信じていたのである。

 そもそもたくさんの研究者を集めて意見を出させたのに、その後ろくに連絡もなく、勝手に調査内容を決めてしまうのでは、意見を出させる意味がないのである。おざなりの全国会合で各自が意見を発表するだけで、きちんとした議論もなく、結局幹事が調査内容を決めるのでは、泥棒と同じである。私が2003年SSM調査に参加した時は、まさかそんなことになるとは思ってもみなかったし、そのような体制だと説明もなかったのだが、事実として予備調査の時は、なぜ各質問項目が決まったのか、メンバーの多くは理由も分からず、本調査も同様の体制なのである。説明せずに勝手にすすめるのでは不誠実にもほどがある。

 私の全国の友人達の話しによると、次回SSM調査は2005年11月あたりでやることだけは決まったが、3月時点では、調査実施を各大学で分担するかどうかさえも決まっていないとのことだった。そもそも多くの調査メンバーには、今後の予定についてきちんとした連絡はないのである。1995年SSMでは、調査のかなりの部分を全国の大学で学生調査員による回収作業を行ったのだが、面倒だからそれに反対する人達がいるので、決まらないのである。その時点で決まっていないということは、今後、きちんとした体制で調査をやるのは無理だろう。ホテルで研究会をやり、調査は調査会社に丸投げし、研究会での議論も省略して調査をやるのでは、よい成果など望めるわけもない。今後も、形だけの全国会合があるだけで、十分な議論も予定されておらず、本調査の内容も、2003年予備調査以降の進展はあまり望めそうにない。全国会合というのは、各自が質問項目の希望を言うだけで、その内容を検討するための議論はないのが事実である。みんなに意見を出させるだけで、調査内容は幹事ほか一部の人間で、勝手に決めてしまうという、ずさんな体制なのである。議論が面倒だからといって、一部の人で独裁的に調査を運営し、質問項目を決めていいというものではない。2005年SSMの参加者の多くは、あまり連絡もないし、調査実施をどうするのか、何が調査の主な課題か、どの質問項目が採用されるのか、よく分からないそうだ。SSMは社会学最大の重要な調査なのに困ったことだ。幹事にまかせてうまくいくならばともかく、佐藤嘉倫氏はゲーム理論や数理モデルの専門家で、幹事の多くは調査経験が乏しく、2003年予備調査も下記のようにうまくいかなかったのである。

 ただ、これも私の友人達によると、そもそも2002年12月に、予備調査内容検討のための研究会が福岡であり私も参加したのだが、その時の佐藤嘉倫氏の発表は、英語でかっこつけて発表したものの、何を調査したいのか不明で、私が具体的に何をやりたいのか質問したところ彼は答えられず、その後、村瀬のせいで恥をかいたと言って怒って私の悪口を言いふらしていたそうだ。その腹いせで2005年プロジェクトのメンバーにはいれなかったのではないか、とのこと。

 

 いずれにせよ、やる気がない人達と調査をしても時間の無駄だし、意見を出しても調査の素人の幹事が勝手に調査内容を決めるのでは参加するだけ無駄である。幹事達が真剣に反省して、きちんと議論して調査内容を決める体制を作らない限り、調査の失敗は確実である。

 調査内容もかなり問題で、多くの参加者によれば、本調査の内容も、ゲーム理論や合理的選択理論にもとづいた、非現実的で普通の人には答えられないような変な質問が多いのである。だいたい、議論のための研究会も少ないのでは、若い人材を訓練する場も乏しくなってしまう。現状では、調査準備のほとんどを東北大で独占的にやっており、その他の人達は、何か調査の仕事を手伝って、経験を積み訓練する場もないのである。

 

 調査時期とサンプリング方法がどうなっているかしらんが、1995年と比較可能な方法とすることが大切。しかし、回収率が低くて分析に足データがとれず、かつ参加メンバーも少人数で組織を縮小させてしまうのでは、学問に対する巨大な負の貢献なのである。そもそも今回のSSM調査は、調査幹事達が、必死に調査実施に取り組もうという覚悟が足らないことが根本的問題なのである。本当にやる気があるならば、広く人材を集める努力をして、少なくとも調査メンバーの間では、どのような調査内容にするか、十分に議論すれば良いのである。多額の税金を使うのだし、説明責任はあるのだが、どのようにメンバーを決めたのかさえ、何も説明がないのが現状である。なぜ調査幹事が、あのようなメンバーになったのかも、説明がないので不明なのである。調査幹事の多くは、選挙人名簿から自分でサンプリングをした経験さえなく、理論家であり、調査にやる気がない。このような体制では調査の失敗は確実である。やる気のない人達と調査をやっても時間の無駄なのである。その他の問題として、おそらく、文化資本論の某氏を排除して調査を行う、という合意がそもそもあったようなのだが、そんなことでいいのだろうか。閉鎖的な組織を作ると、若い人を訓練する機会が減るし、調査の人材が育たないのは事実。

 

2.1.2005年調査に向けての体制ついて

 2003年SSM調査と称する予備調査が全国規模であったのだが、男性の回収率は54%と、かなりの低回収率に終わった。この調査は、東北大学の佐藤嘉倫教授を中心に、多くの人から意見を集め、科学研究費を使って行ったものである。しかし、全国何地点で行ったのか、そもそも何月にやったかさえ、調査メンバーの多くに連絡がない状態だった。曖昧で意図不明な質問項目も多いが、調査内容は幹事と称する人達が勝手に決めたので、いまだになぜあのような調査票ができたのか、調査メンバーだった私にも分からない。各質問の目的さえ説明がないのが事実である。

 

 ただ残念ながら、男性の回収率が54%に終わり、かつ無回答も多いのは確かである。全国で54%ということは、おそらく都市部の回収率はもっと低いので、かなりゆがんだデータになったと思われる。1995年SSM調査では、7割前後の回収率をあげていたので、かなりの低下である。また2003年SSMは、難しい質問が多く、無回答が5%をこえるものも多いので、実際のゆがみはさらに大きい(1995年SSM調査では無回答は少ない)。2005年調査のデータの質がどうなるか問題である。過去の特別推進研究の全国調査では、調査会社が依頼主に無断で補充サンプルを用いて、表面的な回収率は高くなったことがあるのだが、もちろんそれはよいことではない。

 

 あまり宣伝されていないが、以下のように2002年度からSSMの予備調査プロジェクトが始まっている。次回の2005年については、2003年秋に、本調査のための科学研究費の特別推進研究の申請をした。予算がとれたので、2004年度より本格的に作業が始まったらしいのだが、実は1995年のメンバーの多くには、今後の調査体制について何も説明はないし、私のように、95年のメンバーだが2005年に参加していない人も多い。2005年に、日本の他、韓国と台湾で調査をする予定はあるようだが、私など2003年メンバーへの詳しい説明さえもなかったのである。

 

 2003年と2005年のリーダーの佐藤嘉倫氏は数理モデルやゲーム理論の専門家だが調査経験は少なく、そもそも、調査の現場をどう運営して高回収率をあげればよいのか分かっていない。他の幹事と称する人たちも、調査経験が豊富な人は一部のみであり、実は幹事の多くが、ここ数年、選挙人名簿からの無作為抽出さえやったことがない。調査現場をどう運営すれば回収率があがるのかも分かっていないし、残念ながら、幹事の調査能力は低く、これまでの業績を見ても、階層研究の専門家とはいえない人がいるのである。そのため、とりあえず何とか国際調査をやってみよう、というだけで精一杯で、それ以上の内容は乏しく、2003年調査もデータの質が低い。

 

 2005年の前に、以下の予備調査プロジェクトのようなものが実施されているのだが、実はこれは、あまり宣伝がされていないし、2003年調査メンバーの私にさえ十分な連絡がない。調査メンバーにさえ、2003年調査を、サンプル数何人対象で、いつ行うのか、といった基本的な連絡さえないのである。広く意見を集めて良い調査をしようという意欲が、根本的に欠けているのだった。

 はっきり批判をした方が研究のためなので、あえて書くのだが、プレSSM調査(2003年SSM調査)と称するプロジェクトは、やる気のない人が多く、手間がかかるから大人数で議論はしたくないとか、労力がかかるコーディング合宿はやりたくないとか、報告書も作らないとかいう発言が、これまでしばしばきかれた。また内輪でやりたいという意図が見え見えで、佐藤嘉倫氏を中心とした一部の人が勝手に調査内容を決めてしまい、その後、調査実施や回収率がどうなっているか、メンバーへの連絡さえない。結局、実査もコーディングも、佐藤嘉倫氏と親しい一部の人だけでやってしまった。労力を使って質の良いデータをとろうという意欲がないのである。その後、コーディング合宿は、7月に一部の人間のみで行われたのだが、それさえも調査メンバーに対して連絡は何もない。多額の税金を使って調査を行い、多くの研究者から意見を集め、同志社大学にて2003年には国際シンポジウムと称するものもやったようだが、それも内輪でやっており宣伝はしていない。こんなことで良い調査ができると思っているのだろうか。

 

 2004年9月に、2005年SSM調査の第一回研究会を、全国から人を集め、仙台国際ホテルにて税金を使って豪華に行ったが、とくに組織作りはせず、幹事が気に入った人に声をかけて行っただけである。参加した人たちが、組織にはなっていなかったと言っていたので間違いない。私は、閉鎖的な組織を作るべきではない、やる気のある人は誰でも参加できる組織を作るべきだ、1995年SSM調査の時のように、きちんとした組織作りをするべきだ、と佐藤嘉倫氏や、私を2003年SSM調査と称するものに呼んだ斎藤友里子氏に、これまでに何度か言ったのである。しかし、面倒だから大人数での組織は作らないとか、議論の手間はかけたくないと言うばかりで、2005年SSM調査の体制については何も説明はなかった。それどころか、2003年調査の批判をした私は、その後は何の連絡もなくなり、結局2005年SSMから排除されてしまったというのが事実である。というわけで、私は2004年の研究会には何も参加していないのが事実である。2003年調査実施後は、佐藤嘉倫氏にメールを出しても、まともな返事もなく、2003年調査の地点数さえ分からないのが現状である。意見を言う人間を排除するのでは、自由に学問的議論ができないし研究成果があがるわけもなく、独裁政治そのものである。だいたい、社会移動研究であるSSM調査の組織が閉鎖的で、機会の不平等の構造を持つのでは、お話しにならない。SSM調査というのは、学問界でも重要な、公共性のあるものであり、佐藤嘉倫氏を初めとする一部の人が、独裁的に運営してよいものではない。私自身は、怠慢な人たちと一緒に仕事をする気はないし、私の本音を言うと、2005年SSM調査の幹事はやる気がない人が多く、税金の使途などで問題を起こす可能性も高いので、そんな調査には参加しない方がいいかとは思っているのである。ただSSM調査が駄目になってしまうのは、学問のためにはならないのだが、何しろ2005年SSM調査の幹事の一人は、私に向かってはっきりと、「いかに佐藤嘉倫にフリーライドするかが重要なのだ」と言ったくらいで、要するに、手間のかかる調査の仕事を自分でまじめにやる気は、幹事達にはないのである。面倒だから少人数でやりたいという姿勢が強く、調査も面倒だからできるだけ調査会社にまるなげしたい、それで予算が余ってしまうならば、ホテルで研究会を豪華にやって予算を消化しよう、という姿勢で、不真面目で無責任そのものなのである。私の本音を言うと、あまりに不真面目だし、怠慢な連中と一緒に研究をして、税金の問題などにまきこまれたら嫌なので、今回のSSMには参加しない方がよいのでは、とも思っていたのだが、私自身のことはともかくも、このまま、調査経験が乏しくやる気のない一部の人たちが、勝手にSSM調査を運営していては、良い研究成果は出ないし、2005年の回収率も下がり、次回以降の協力者も減ってしまうのは確実である。全国の良心ある社会学者は、抗議の声をあげるべきであろう。

 私自身は、2003年調査に呼ばれていたが、2004年度以降は何の連絡もないので、佐藤嘉倫氏に、どうなっているのか問い合わせたところ、もうお前はメンバーではないので連絡はしないというメールが来たというのが事実である。しかし、2003年に人を呼んでいろいろ意見を出させて起きながら、その後、調査メンバーに、調査の概要や今後の予定さえ連絡しないというのは、あまりにも不誠実で、異常な対応ではないだろうか。私が抗議のメールを送ったところ、彼は、2005年SSM調査は能力のある人を集めて適切にやっている、という返事をよこしてきたのだが、事実としては、2005年SSM調査は、1995年SSMで実績のある人の多くは排除され、佐藤嘉倫氏と仲が良いだけで、とくに階層研究に実績がない人が多数入っており、本当のところ、佐藤嘉倫が御しやすい人を適当に集めただけである。佐藤嘉倫氏も、もともとはまともな人たちだったのだが、最近は、国立大の老教授がよくかかる傲慢病になってしまい、自分への批判は受け付けずに勝手な対応をしているのだった。ちなみに私は、2月に偶然、佐藤嘉倫氏にあったので挨拶したのだが、彼は硬直した顔をしているだけで、私の挨拶に答えもしないのだった。彼は2003年予備調査実施頃までは、すっかり天狗になっており、自分の方針でSSM調査はうまくいくと思っていたらしいが、私の知る限り、合理的選択理論やシミュレーションが、社会調査の現場で役に立ったことは一度もないのであり、彼自身も、最近はやや自信喪失しているようだ。これが、私の知る限りのSSM調査の現状である。

 

2.2.プレSSM調査(2002年度科研費、2003年SSM調査)プロジェクトについて

 2002年度に科学研究費をとった人がいるため、プレSSM調査プロジェクト(SSMの予備調査実施プロジェクト)と称する科学研究費のプロジェクトが実施されている。これは、2005年SSM調査とは別のプロジェクトという建前だが、現実には、2005年本調査のための科研費を申請しているメンバーがやっており、関連があるプロジェクトである。関連があるのに、関連はないことにしてくれと言う人がいたので、私はかなり不愉快だった。2002年や2003年に、東北大の佐藤嘉倫教授などがとった、3つの科学研究費(合計金額は数千万円にのぼる)で行われている。2003年時点では、2004年度以降も東北大を中心に、SSM調査は行われるのではないか、と思っている人が多かったようだが、正式な説明はないので、実は村瀬にも良く分からなかった。2003年8月時点では、誰が中心に2005年調査をやるのかは、まだ決まっていなかった。少なくとも何も説明はなかった。2005年SSM調査とは別に、不平等研究に関してCOE(文部科学省の研究拠点形成費補助金、センターオブエクセレンス。大学院トップ30構想と呼ばれていたもの)を東北大がとったのだが、COEとSSM調査の両方を、東北大でやるのは無理があるからである(と村瀬は考えている)。

 2002年は、調査準備のための研究会が何度かあり、村瀬も9月に米国から帰国して早々に、盛岡での研究会に呼ばれて発表した。しかし研究会に何人かを呼んでおきながら、人を呼んだ斎藤友里子氏は発表もせず、その後も、95年データの分析さえしなかった。それなのに、2003年調査の質問案と称するものを勝手に作成した人がいるため、私はがっかりしている。既存のデータを分析もせずに、質問案を作ってうまくいくと思っているのだろうか。その後、どのような理由で質問項目が決まったのかさえ、私にも社会学者全般に対しても説明がない。多額の税金を使っていながら、広く議論して良い調査をしようという姿勢が欠けているのである。

 2003年には、日本と韓国と台湾で予備調査を行い。また、アメリカの社会学者(佐藤嘉倫氏と交流があるハーバード大学の社会学者のみ)とも連絡を取り合っており、アメリカでの調査と同様の質問文を入れて、何らかの国際比較を行う予定である。しかし、宣伝不足なので、このことはあまり知られていない。2003年9月時点では、韓国でのサンプリング方法さえも不明である(私が、最近の韓国では、選挙人名簿等の閲覧は禁止されており、日本のような無作為抽出はできないと言ったのだが、調査会社にまかせており、とくに確認していなかったのである)。また、きちんと組織を作って、多くの人から知恵を集める努力もしていない。2003年8月には仙台にて、調査票案作成のための研究会が行われた。その後、2003年調査の調査票案というファイルが、2003年9月に、メールにて多くの人に送られてきた。しかし、この内容はダブルバーレルやあいまいな言葉だらけの、かなり完成度の低いものだった。さらに問題なのは、仙台研究会での議論の内容を生かさず、研究会では出ていなかった質問が多数含まれていたのである。佐藤嘉倫教授がとった科研費だけで3000万円以上で、その他に2つの科研費プロジェクトが動いているのだが、多くの人から知恵を集めて議論する体制はできていない。あいまいな組織のまま仕事をすすめており、村瀬は問題を感じている。多額の税金と多くの人の労力を使っているのに、どのような理由でどの質問項目を決めたのかさえ、十分な連絡はない。良い調査をするための議論の努力も組織作りも、できていないのである。

 その結果として、2003年SSM調査と称するものは、多額の税金を使った結果として、低回収率と、無回答が多いという問題のあるデータになってしまったが、残念ながら、このことへの対策は何もとられていない。

 

 2004年度から、本格的な調査準備作業が始まるはずだったのだが、これまでのSSM関係者の多くに、具体的連絡は何もなかった。実は2004年度以降の実施体制も、だれが研究代表者になるのかも、1995年や2003年SSM調査のメンバーと相談しておらず、詳しいことは私には不明である。東北大の佐藤嘉倫教授が代表者となって科学研究費の特別推進研究を申請し、予算を取ったのは確かである。しかし佐藤嘉倫氏を初めとする申請者の多くは、理論研究者であり調査経験は少ない。私は数理社会学会に10年以上入っているが、調査の現場で使える数理モデルはない。数理モデルをSSM調査で活用しよう、うまくいくかどうかは、やってみなければ分からない、という計画では、旧日本軍が、やってみなければ分からないといって米軍を攻撃した計画と、何も変わらないのである。2003年はかなりの低回主率に終わっており、このままでは2005年本調査の失敗は必至である。2003年SSMの調査票には、妙な理論にもとづいた、非現実的で抽象的な、普通の人には答えられないような質問が多数、入ってしまった。このままでは2005年も適切な調査はできないことは確かである。2004年度以降に、どのような組織ができてどのような調査をするのか、事実は誰も知らないのだった。2003年調査の現状さえ、調査メンバーの私にも説明がなく不明なのである。

 

2.3.次回2005年調査の問題

 私の考えでは、次回SSM調査に関する最大の問題は、広く意見を集めるための組織作りをやっていないということである。一部の人の知恵だけで調査内容を決めていては、良い調査などできるわけもない。SSM調査は重要な学問研究であり公共性も高い。私は、開かれた組織を作り、やる気のある人は誰でも参加できる体制を整えるべきだと主張してきた。しかし現実には、調査メンバーへの連絡さえせず、一部の人だけで閉鎖的な組織を作り、非常に独裁的な運営がなされているのである。

 また、科研費の研究分担者に、調査経験の乏しい人間がいるため、非現実的な質問を詰め込んでしまい、データの質が落ちることも、大きな問題である。現に2003年SSM調査と称する調査は、かなりの低回収率と無回答の多さが問題なのだが、何も改善策を講じていない。調査の現場が分かっていない人が多すぎるのである。だいたい日本の社会学では、まじめに調査をした人よりも、他人のデータでたくさん論文を書いた人が評価されるということになりがちである。大学の外で調査をすると手間がかかるし、あまりたくさん論文を書くことはできない。しかし、調査をする人が少なくなれば、現実社会からデータが取られることは少なくなり、学問が発展しない。

 さらに2005年調査は、これまでの調査と比べ、回収率の低下や無回答の増加等、データの質の低下が予想される。単身世帯の増加や、治安の悪化、プライバシー意識の高まりのため、調査協力を得にくくなっており、とくに1990年代後半の全国調査は、回収率が低下しているのである。しかし、2005年SSM調査は、この点への対策を何も取っていない。全国の大学の協力を得て、都市部での調査実施に調査員を重点的に配置するなど、何らかの対策をとらない限り、次回SSM調査のみ回収率が低く、データの質が劣るということになってしまうだろう。

 2003年調査票の中に、理論的に高度なだけで、非現実的で抽象的な質問(原・海野の『社会調査演習』2.9に書いてあるあいまいな言葉、難しい用語などの問題)が多いというのも問題である。一般の人は難しくて答えられないし、分析時に、結局、何が分かったのか分からなくなる。ついでに書くと、実は、米国の社会学も、過度に理論的でだめな研究は、意外と多い。米国の大学も、理論は好きだが調査はあまりしない、という人が増えつつある。米国の大学は、人数が多く競争が激しいため、調査経験を積むよりも、とにかく他人のデータで論文を書け、という雰囲気が強い。また、大学と現実社会の距離が遠く、過度に理論的にすぎる研究も多い(日本のように、学者が下町を歩くようなことは、まずほとんどない。だいたい、歩くこと自体が少ない)。したがって、大学院でも、調査経験の豊富な人材を、育成しているわけではない。と言っても日本よりはましかもしれないが、日本の一部の大学院では、調査経験がある人材を育成している。今後の調査においては、理論的に高度で、一般の人には答えられない、非現実的で抽象的な質問を詰め込まないよう注意する、ということが非常に重要である。しかし残念ながら、現実には高度な質問を好む研究者は日本にも多く、修正は難しい。次回のSSM調査は、大きな失敗に終わる可能性が高い。

 

2.4.前回調査(1995年)の概要

調査名 「第5回社会階層と社会移動全国調査」
     略称 1995年SSM調査
     The national survey of Social Stratification and social Mobility

調査主体 1995年SSM調査研究会(研究代表者 東京大学教授 盛山和夫)
調査時期 1995年10月下旬から11月下旬
抽出法  層化2段無作為抽出法
母集団  日本全国の20歳から69歳の男女
サンプル数  A票4032、B票4032、威信票1675、合計9739人
有効回収数(有効回収率) 6571人(67.5%)

調査予算 文部省科学研究費補助金 特別推進研究
  計1億2千万円の予算を用いる予定 社会学では最大のプロジェクト

 

注 サンプル数など正誤表
 『1995年SSM調査コード・ブック』p.1とp.2に、威信票サンプル数1765とあるが、これは間違いで1675が正しい。またp.2に、B票男性の有効回収率が61.9とあるが、これも間違いで61.6が正しい。p.1の表に「区市町村数」とあるが、これも間違いで「母集団人口(有権者数)」が正しい
 全21巻の1995年SSM調査報告書『SSM調査シリーズ』にも、最初のページに回収率の票がある。ここにもB票男性の有効回収率が61.9とあるが、これも間違いで61.6が正しい
 その他にミスがあれば、ぜひご連絡ください!

 SSM調査は、1955年以来、10年に一度実施されている。調査主体は回によって異なる。第1回は、日本社会学会調査委員会によって実施された。1995年は、科学研究費特別推進研究を用いた任意の研究グループ(1995年SSM調査研究会)によって実施されている。

 現在はこの研究グループは解散し、新たに1995SSM研究会が作られ、下記のデータ管理委員会がデータを管理している形になっている。


2.5.前回調査(1995年)の研究成果
 個人の論文が多数ある他、1997年の『行動計量学』第24巻(1)や、1999年の『社会学評論』第50巻(2)にいくつかの論文がある。その他、以下の報告書と単行本が刊行されている。

 

『1995年SSM調査シリーズ』 −全21巻の報告書 1998年3月発行
 田中重人さんによる報告書目次一覧

 報告書入手方法 いくつかの大学図書館にて閲覧可能。
 北大、日大、立教大、東京大学、同志社大、京都大、金沢大、阪大、関西学院大、福岡大、九州大、Zurich大学など。

 報告書の執筆者に直接、問い合わせれば、少しは在庫がある場合もあります。

★東北大の原純輔教授にメールを出すと、報告書21巻全文の入ったCD−ROMを5500円で売ってくれます。購入申込みは Hara Junsuke <jhara( )sal.tohoku.ac.jp> まで。

 

一般向けの単行本
『日本の階層システム』 全6巻  東京大学出版会 (2000年6月〜)
1 『近代化と社会階層』       原 純輔編
2 『公平感と政治意識』       海野道郎(うみのみちお)編
3 『戦後日本の教育社会』      近藤博之編
4 『ジェンダー・市場・家族』    盛山和夫(せいやまかずお)編
5 『社会階層のポストモダン』    今田高俊編
6 『階層社会から新しい市民社会へ』 高坂健次(こうさかけんじ)編
 目次一覧はここをクリック

 

2.6.これまでの調査の問題点

 1985年のSSM調査は、1995年と比べると、少人数で行われた。しかしこれは、一部の人脈のみで調査をやった感じが強く、調査幹部と親しい人以外はデータの使用も難しく、多くの人が、しらけムードになった。1985年SSM調査の後に書かれた文章を読むと、そのようなことが書いてあるものがいくつか見られる。私の周囲で、その体制について怒っていた人も何人かいる。何しろ、85年の調査実施に協力した大学教員で、その後何の連絡もなく、データを使えなかった人もいるのである。データ使用を一部の人しかできず研究が発展しないのは非常に問題である。

 1995年はその反省をふまえ、広く人材を集めて100人以上が参加する大規模な組織を作った。そのため、かなり良い研究成果が上がったと言える。大人数を組織するのは手間がかかるが、学問的成果をあげるにはかかせないことである。しかしながら、2005年SSM調査については、どのように組織を作るのかについてさえ説明がない。一部の人は、手間がかかるから、大人数は集めたくないと言っている。私の前で、もめるのが嫌だから少人数でやりたいと言っている人までいる始末である。そういうことを言う人に限って、95年データの分析さえ十分にやっていない。せめて、勝手に変な質問を作って、周囲に迷惑をかけるのだけはやめてほしい。

 SSM調査を成功させるには、広く知恵を集める努力をすることが不可欠である。しかしながら、2005年の幹事と称する人たちは、組織作りや今後の方針さえ、メンバーにろくに説明もしていないのが現実である。面倒だから説明しないという姿勢があるのは確かなのだが、その一方、今後の階層研究の課題とは何か、幹事と称する人たちも、ほんとうのところよく分かっていない部分があるようだ。そんなことで良い研究ができるわけもなく、きちんとした組織作りをして意見を広く集めない限りは、2005年SSM調査は確実に失敗するであろう。

 

 


3.データ入手について ついに95年データ公開!

 2005年データは、調査終了後数年以内に公開する予定があったが、データの内容に問題があるためか、2008年10月時点で公開されていない。2004年4月より、1995年SSM調査のA,B票のデータが公開された。なぜか威信票は公開されていないが、東京大学社会科学研究所のSSJデータアーカイブホームページを見れば、データ入手について説明がある。研究目的ならば自由にデータ使用可能である。なぜか1985年のデータは公開されていないし、今後の公開の方針も説明がない。データ公開については調査メンバーで議論し、積極的に公開を進めるべきだろう。データはみんなで作ったものであり、一部の人のものではない。

 

 SSJデータアーカイブ

 

 1975年以前のデータは、以前、研究目的のために公開したことがあるので、1995年SSM調査の幹事などに連絡すれば、使用可能なはずである。しかしデータ公開に反対する人もいるようだ。私は以前、1985年SSM調査を手伝った、ある地方国立大学の教員と話したことがある。彼は調査実施でかなりの労力を使ったのに、結局その後、1985年SSM調査の幹部からは、何の連絡もお礼の言葉もなく、データを分析することもできなかった、とのことであった。けしからん話である。

 なおデータの管理のために、1995SSM研究会データ管理委員会(委員長 大阪大学大学院人間科学研究科 近藤博之教授)が作られている。この委員会は、消滅したわけではないようなので、詳しくはここに問い合わせても良いだろう。

 

 最近、大阪大学のホームページ上の「質問紙法にもとづく社会調査データベース(SRDQ)」にて、SSM調査の調査票等が公開された。また、一部のデータは、ホームページ上で分析可能である。

 

 大阪大学SRDQ

 SSM調査等の調査概要

 


 

4.1995年SSM調査 体験談!

 村瀬が1995年10月と11月に、院生として、SSM調査の調査員をやったときの体験談です。調査後に、注意点などについて村瀬が書いたメモを、SSM調査メンバーの一部にメールで送ったもの。注意点などは今後に生かしたいと思います。

 

                       1995.11.16.

      SSM調査AB票回収後
      職業評価班のみなさまへのメール(一部編集):体験談その1
             村瀬 洋一
 
1995年SSM調査 職業評価班のみなさまへ
 10月27日から30日まで、SSM本調査(AとB票)の回収に行って来ました。東北大では、学生に勉強させるため、少し多いのですが、1地点24人を4人の学生調査員と管理の院生で行きました。ご参考までにそのときのメモをお伝えします。
 
 
SSM調査 実査を終えてのメモ(村瀬)
 
1.回収率について
 村瀬は宮城県某市の担当で、学生調査員4人をつれていきました。JR駅のそばで、区画整理のすんだ、アパートの多い地区で、回収率がどうなるかはじめはとても不安でした。しかし、調査員の学生はよく頑張ってくれ、遅いときで夜9時過ぎまで訪問した結果、24件中21件回収できました。アパートの1人暮らしでも、夜8時半以降に行けば、在宅が多いようです。
 ちなみに、大きな漁港だけあって、職業は魚関係のものが非常に多かったです。遠洋漁業にでていて来年まで帰ってこないため、調査不能の方が1人いました。
 回収率の向上には、一調査員の担当数を減らし何度も繰り返し訪問する、夜7、8時代を特に重点的に回る、ということが重要のようです。会うことができれば、たいてい何とか応じてもらえます。拒否は2件だけでした。断られても、簡単にはあきらめないように、と言ったのですが、あまりしつこく言うと、おこられてしまうこともあり、難しいところです。
 私の聞いた俗説によると、気の強そうな、がっしりしたごつい調査員よりも、どちらかというと弱々しい、あるいは子供っぽい調査員の方が、相手に警戒されず、断られにくく、回収率はよいそうですが、そんな傾向もあるかもしれません。強い態度ででるよりも、泣き落としの方が、回収率に関しては効果があるようです。
 安全上の問題や、調査員の精神的な面を考えると、2人1組で回るというのも良いようです。相手の都合の良い時間が重なった場合は手分けして回ることもできるし、一人で孤独な場合よりは疲れにくいかもしれません。
 
2.質問内容の問題
●家事を手伝うかという問
 遠洋漁業に出かけていてふだん家にいない人は、いるときは手伝うけど、ふだんは物理的に無理、という答えがあった。家にいる場合について答えてもらえばよいのか、ふだんは家にいないのだから手伝わないという答えでよいのか、判断に困った。
 
●難しい言葉
 資産格差 →財産の差、などもう少し軟らかい表現の方が良いようだ。
 職業生活の重視 なにを意味するのか分からない。
 公平とか、難しいことを考えるのがいやだという反応もあった。
 日本社会の中で5つの層に分ける、というのも難しい。
 
●ダブルバーレル
 B票問27「家族の信頼と尊敬」 信頼は大事だが、尊敬はいらない、という反応もあった
 
3.結果がほしい人への対策
 数人の対象者の方から結果がほしいと言われた。学生調査員の中には、お礼の手紙くらい出すべきであり、SSM調査研究会で出さないなら、自分で個人的に出す、といっている人がいた。他の地区でも、結果を知らせろ、という声は結構あったらしい。
 私としても、回答してくれた方すべてに調査結果のお知らせを渡すのは、最低限の礼儀として必要ではないかと思う。忙しいところ協力してもらったのに、結果のお知らせもお礼状もないのでは、社会調査に対する不信感をますます強める結果になると思う。私が仙台でやった環境問題の調査の時は、回答者約1200人すべてに、単純集計中心の8ページほどの「調査結果のお知らせ(速報)」を郵送した。一人に200円かかるとして7000人に送ると140万円かかるが、SSM調査の予算1億2000万円から捻出できない金額ではない。
 「お知らせ」を作る手間がかかるというなら、私が作ってもいいので、来年度の予算で是非やっていただきたいと思います。全員に分厚い報告書を送るのは無理でしょうが、来年の5月にデータができた時点で、単純集計中心でよいので、結果のご報告を作るべきではないでしょうか。さらに詳しい結果がほしい方は研究会までご連絡ください、と書いておけばよいと思います。
 
4.住所が分からない人
 現地に行ったら、まず、なるべく詳しい住宅地図を、図書館や市役所の市民課などで入手する。地図があっても見つからない家もあり、詳しい地図は必須である。宮城県立図書館には、県内の全市町村の住宅地図はあったようだ。大学名を言い、目的を話せば、協力していただける。
 見つからない家があったら、警察や、自治会・町内会長、クリーニング屋などできく。それでも分からない家があったので、市役所の市民課や、固定資産税課(法務局で測量した図面が送られてきている)に行ったところ、去年、町字変更があった地番で、役所でもおおよその場所しか分からなかったが、何とか見つかった。ただし、明治時代に測量した図面しかなく、不正確なものもあった。
 
5.調査の所要時間
 私も、学生調査員の管理の他、3人ほどにたいして調査員をやってみたのですが、平均30分くらいでした。若くて職歴の少ない人だと25分、転職の多い人は40分以上かかることもあります。
 
6.その他、学生調査員の反応
 入るのがこわいぼろいアパートが多かったが、中には大きなテレビがあったりして豊かだった。
 年収の拒否はなかった。資産の方が、分からない、が多かった。
 年収や、奥さんと別居している人に家族構成を聞くのは、抵抗があった。
 農村地帯では、気さくで、はにかみやな、古き良き日本をみたようだった。
 くずれそうな家の多い地区の方が、回収率が良かった。
 依頼状裏のグラフをみただけで、難しそうで自分にはとてもできない、もういい、という反応もあった。
 田舎は世間が狭い。初日に行った家の周りに、2日目には調査のことが広まっていた。
 喫茶店など休めるところがある地区は、調査員にとって快適だった。田舎で、店もなにもないところは、トイレを借りるのも苦労した。休むところがなく、1日中動き回っていると、疲労が激しい。
 大学の近くで学生の一人暮らしが多いところは、回収が困難。低回収率に終わった。
 
 
 なお、明日から4日間、威信調査のため某町へ、今度は調査員として行ってきます。試しに院生と2人で予行演習をしてみたのですが、30分ほどかかりました。内容は、問2で、20の職業についてえんえんと「学歴が高いと思うもの」、「技能が必要と思うもの」などの評定が続き、その後、問3で50ほどの職業の威信の評定なので、はっきり言ってかなり飽きます。もう少し違う感じの問をはさんで気分を変えるとか、はじめは「学歴の高い」などでなく、知り合いがいるか等、もう少し抵抗の少ない問から始めるなどした方が良かったのではないでしょうか。
 85年のように、回答記入欄は線で囲むとか、調査票の表紙に挨拶文を書くなどの工夫もほしかったところです。
 以上、長文失礼しました。

 


                                 1995.12.25.
      SSM威信調査の感想などについてのメール:体験談その2
                 村瀬 洋一
 
 研究室でやった、その他の調査の仕事などをかかえていて、すっかり遅くなってしまいましたが、SSM威信調査の調査員をやった感想などを書いたので、ご参考までにお見せします。
 
19951122記 威信調査を終えて
 私は宮城県の某町へ行って来ました。基本的には農村ですが、工業団地を造成し、最近の工業団地にしてはそれなりに成功したところです。温泉やキャンプ場などの観光産業も少しあります。人口は25000くらいです。私の担当の対象者10人中、病気入院中を除く9人から回収することができました。院生と2人で、11月17-20日に行きました。
 
1.事前の注意
 実査に行く前に、必ず予行演習をした方がよい。
 企業規模について、調査に慣れていない学生調査員だと、支店の人数を聞いてすましてしまうことがある。インストラクション時に注意する。
 職業の聞き方は詳しく注意する。本人の仕事の内容や、事務員なら部署などについても、詳しく聞き取る。
 自営と経営者の区別について具体的に指示しておく。
 
2.回収率向上の工夫
 農村部も共稼ぎが多く、平日の昼間は対象者に会えない。夜7時以降と日曜に徹底的に回るのが回収率向上には最も効果的である。土曜が休みでない企業も、田舎には結構ある。
 午前中に訪問しても、仕事前で忙しかったりするので、専業主婦以外には有効ではない。
 本調査では、仙台市中心部で回収が困難な地域でも、学生調査員がよく頑張ったこともあり、24人中21人から回収できたところもありました。調査法の工夫と調査員の努力次第で、回収率は向上させることができるような気がします。やる気があり、態度が大きくない、丁寧な調査員ならば、回収率がよいようです。
 
3.対象者とのやりとり
 対象者に会って、はじめに調査の依頼をすると、「絶対こたえなくてはいけないの?」と聞かれることがよくある。そのようなときは、強い態度では出ず、あくまでも丁寧に、「もちろんそんなことはありませんが、協力していただけるとありがたいのですが」と答える。強気に出るよりも、弱気な態度であったほうが相手も断りにくく、結局は応じてくれる。
 「どんな内容の調査?」と聞かれることもよくある。そのときは、いくつか、あまり抵抗がないような質問の内容を例示できると良い。
 「全国の大学で協力してやっている、対象者は全国で1万人くらいである、全国の有権者からくじ引きのような方法で選ばせていただいた」など、調査主体、サンプル数、抽出法などについても説明できるようにしておく。
 調査を始める前に、「プライバシーについては十分に配慮し、お答えが漏れることはありませんので、よろしくお願いします」などのあいさつをした方がよい。
 あいさつや、プライバシーの保持について約束、調査主体、サンプル数、抽出法の説明などが、調査票の表紙に書いてあるとやりやすかった。緊張しているときに、暗記しておいたことを言うのはやりにくい。
 このような調査が、何の役に立つのか、といった質問をされた。労働組合(共産党系)から、似たような調査を頼まれることがよくあり、協力することにしているのだけれども、いつも、こんな調査をして社会が変わるのか、といつもきいているそうだ。調査には協力することにしているのだけれども。
 多くの人が、こんなに質問があるとは思わなかった、まだあるんすか、という反応をした。
 田舎だったせいか、粗品は、こんなものいただいてすみません、という反応で、何だこんなものか、という反応は少なかった。
 
4.調査票の内容
 自分の知り合いがいる職業ほど高く評価しているような傾向を感じた。
 問2のなりたい職は、女性的職業が少なく、女性の対象者はあげにくかったようだ。積極的な性格の人は、何でもやってみたい、全部、と答えた人もいた。
 「仕事のやり方を自分で決められる」、「文化的教養」、とは何か、意味をつかみりくかったらしい。
 レストランのコックといのは高級なイメージがあるらしい。ラーメン屋のおやじも入るのか、と聞かれて、判断に困った。
 スポーツ選手は多様で、多くの2軍などの選手は収入も低いのだろうが、どの程度のものを思い浮かべればよいのか、と聞かれた。
 問2の他人を動かす力が強い、というのは曖昧だったようで、人気があるという意味か、他人を感動させる(心を動かす)という意味か、他者を指図することができる、部下が多い、など、人によっていろいろな受け取り方をされたようだ。
 問3の職業を高いか低いとか言う、というのも、あいまいである。人気が高いか、収入が高いと言うことか?など、何人かから質問をうけた。世間で評価される、社会的地位が高い、引くいである、などの補足の質問文があると良かった。
 問2でいろいろな評定をした続きで、質問の流れとして自然だったためか、問3に対する倫理的な抵抗感を示されたことはなかった。
 問6の、日本社会を5段階に分けて上、中、下で答える、というのは難しいらしく、多くの人が考え込み、「どういう意味?」、と聞かれたりした。
 
5.その他
 町の最も立派な建物が役所や警察署で、道路沿いの立派な建物はパチンコ屋である。某区役所も、黒御影石に区役所とほってあって、驚いた。
 老人ホームの理事の対象者に、お宅の教授がアルツハイマーになったときは是非うちにはいるように伝えてくれ、と言われた。
 
6.サンプリングの時の話
 話が前後しますが、サンプリングのため役所の選挙管理委員会に行ったときの話をすると、仙台市青葉区役所や郡山市役所は、選挙人名簿の閲覧はしばしばあるらしく、係りの人は慣れているようだった。郡山では、係りの人に、抽出間隔は?などときかれたそうだ。青葉区役所では、事前に所定の申請書類の提出を求められ、ガードが堅い感じだった。役所によっては、事前に電話しただけで、簡単に閲覧させてくれた。ただし、事前にこちらから郵送した依頼状について、はんこくらい押しておいてほしい、とも言われた。
 
7.本調査について感じたことなど 補足
・就職ネットワークの質問
 お母さんの友達の取引先、などはどう分類するのか。ネットワークの一番はしの部分しかきけない問になっているので、難しい感じがした。選択肢の内容が不十分か。
 学校にきたパンフレットをみて応募した、は学校の紹介でよいのか。
 
・調査票に、対象者番号は事前に記入しておく。でないと、A票とB票を間違える。
 
・調査要領
 対象者に会ったときの受け答えの流れ図を作っておくと良い。
 職業の聞き方などについての注意点をもっと詳しく書いておいてほしい。
 調査になれている中央調査者の調査員向けで、学生にはあまり親切な内容ではなかった。
 
8.SSM調査全体への注文
●これまでのスケジュールについて
 予備調査をもう少し活用できるとよかった。予備調査結果を見て、質問文の修正などをするのかと思っていたが、予備調査結果を入手していない人も多いのではないか。時間がなかったので仕方がないのかもしれないが、予備調査後、いつのまにか質問文が修正されていたといって、文句を言っている人も、私の知る範囲で複数いたようだ。
 全体的に、時間的余裕がもう少しあるとよかった。スケジュール担当委員でも作って、時間の管理を厳格にしてはどうか。
 
●今後の予定について
 今後の予定がどうなるかも少し心配である。分析が進まず、研究成果が出ないうちに時間がたってしまうとよくない。85年SSM調査も、分析されていない項目が結構あるような気がする。人間、締め切りがないと働かないことも多いものだから、分析結果の全体の発表会をもうけるなど、何か工夫をしてはどうか。
 
●参加者層の拡大
 さらに多くの人の参加がほしい。SSM調査は、階層研究、計量分析に若い人材をリクルートする貴重な手段である。
 博士課程を持つ7つの旧帝大のうち、名古屋、京都は参加があまりないし、私学の院生の参加も多くはないようだ。
 
●予算の倹約
 私が言うまでもないこととは思うが、SSM調査の予算は、貴重な税金である。官官接待にならないよう、徹底的な倹約をしてほしい。会議などは、すべて大学でやってもよいのではないか。お役所仕事的な、コスト感覚の薄い、無計画な使い方はすべきではない。予算の使い方の事務的な面についても、厳正に行ってほしい。空出張が多い、などと噂がたったりしたら、大問題になりかねない。
 
9.対象者への結果の送付について
 私としては、予算的に可能ならば、簡単なものでも良いので、調査対象者の方への「お礼の手紙と結果のお知らせ」は作成するべきだと思います。
 対象者の方が、自分の答えた結果がどのようなものか知りたい、と思うのは当然のことですし、お世話になった方にお礼の手紙を送るのは、最低限の礼儀、あるいは社会的ルールだと思います。研究者のやった調査で、研究に打ち込んでいるからといって、社会的ルールを破っていい、という理由にはならないと思うのです。また、何のお礼もしなければ、結果として、社会調査に対して不信感を持つ人を出してしまうことになってしまうでしょう。
 結果がほしいという反応がくることは分かっていましたが、対象者に何のお知らせもしないとは、調査要領を見るまで分からなかったし、現時点で意見を言ってはいけない理由もないと思うのです。また、結果のお知らせを作るにしても、96年7月にデータが完成した後、来年度以降の予算でやることになるので、時間的余裕はあるでしょう。
 前回のメールで書いたとおり、「結果のお知らせ」の作成にはたいした予算はかからず、SSM調査の費用から捻出できないわけではないと思います。
 「結果のお知らせ」としてどのようなものを作るべきかなど、私なりの案は、またのちほど出させていただきます。

 


SSM調査幹事の皆様へ のメール
 
 これまでの社会調査では、調査対象者への調査結果のお知らせは、ほとんどなされてきませんでした。調査をやった後は疲れているし、そこまで手が回らなかったというのが本当のところだと思いますが、最近、社会調査への不信感が高まっている理由の一つには、いくら協力したところで、お礼や結果のお知らせをもらえない、ということがあると思います。
 科学研究費をもらっているから研究でがんばるのは、研究者ならば当然のことですが、だからといって結果の報告をしなくていいという理屈にはならないと思うのです。報告を作るのにはそれほどの労力はかかりません。報告を作ったために疲れ果てて、研究が進まなくなるわけではないでしょう。私が研究室で調査をやったときには、必ず結果の要約を作って対象者に郵送しましたが、そのために自分の研究が停滞したことはないつもりです。研究室の調査やSSM調査や、学会や研究室の事務をしつつ、日本社会学会や数理社会学会で発表し、論文を書いているつもりです。
 調査をされた人たちが、自分が答えた調査の結果を知りたいと思うのは当然でしょう。自分が参加した調査の内容を知る権利もあると思いますし、調査する側は、その気持ちに答えるべきではないでしょうか。最低限の礼儀として、結果の報告を作る程度の労力は払うべきだと思います。
 今回の調査では、対象者からきかれない限り、結果の送付については特にふれませんでした。対象者の中には、「大学のきちんとした調査なんだから、後できっと結果のお知らせくらいはもらえるだろう」と思っている人も少なからずいるはずです。そうした人たちは、調査をされただけで、その後なしのつぶてでは、社会調査への不信感を強めることになってしまうと思います。また、「調査結果は送らない」と説明された対象者のすべてが、心から納得してくれたならばよいのですが、その場ではひきさがっても、心の中ではあきれている人もいるでしょう。私が対象者なら、「忙しい中せっかく時間を割いてやったのに、結果を知らせもしないとは、無礼な連中だぜ」と思うでしょう。
 東北大学の学生調査員の中には、対象者から「あたしも大学で調査をやったときには、必ずその後お礼に言ったものだ。結果の報告くらいは、必ずするもんだよ」とくぎを差されてきた人もいました。
 結果はお知らせできないと言われたのに、その後、お礼の手紙+結果の報告がきたからといって、約束が違うと言って怒る対象者はあまりいないでしょう。結果を送らないメリットよりも、送らないことによって多くの人に不信感を与えるデメリットの方が大きいと思います。
 
 結果のお知らせについての私の案は、1ページに「見出し、グラフ、解説」を2つ載せる、といった体裁で、8ページ程度(お礼文とSSM調査の説明を1ページ、本文7ページ)のものを作成し、回答してくださった方全員に送る、というものです。すべての問についての結果は載せられませんが、結果の要約の文章とグラフ14個(男女別、年齢別などのグラフでもよい)くらいの掲載は可能でしょう。対象者の方には「予算の都合上、すべての問について詳しい分析結果は差し上げられませんが、結果の要約をお送りするので、さらに詳しい結果についてご希望の場合は、研究会までご連絡ください」とお礼文の中に書いておけばよいと思います。
 そうした要約やグラフでも、興味のある人にとっては、十分におもしろいものだとおもいます。少なくとも、自分たちが答えた調査が、どのように利用されるのか、少しはイメージをつかむことができます。要約だからといって、いい加減な文章で社会調査への不信感を強めるものになってしまうとは限らないと思います。マスコミ発表にまかせるよりは正確な内容になるのではないでしょうか。
 
 本格的な分析に時間がかかるのは事実です。しかし、データが来年の7月にはできる予定で、その後は分析可能なこと、プライバシーにふれない形の分析も可能なことも事実ですが、それらは、対象者にはふせているのです。報道は、いつになるかも、マスコミが取り上げてくれるかも分からないし、見ない人も多いのです。マスコミというフィルターを通した情報が正確とも限りません。
 そもそも、「調査される側」に対し、データは7月にはできてるけど、研究に専念するために結果のお知らせは作らないとか、じきに報道されるかもしれないから、結果を知りたければ報道を注意していて見ていろなどと、面と向かって言えるでしょうか。大きな声で言えないようなことは、すべきではないと思います。
 だれが「結果のお知らせ」を作るかは、SSMの幹事に一任したいと思います。幹事から、実際の作成作業の多くを東北大学で分担してほしいと言われたら、私は喜んでやります。
 たとえ単なるお礼状でも税金の無駄だとは思いません。それならば、対象者に差し上げた粗品や事前の挨拶状も税金の無駄でしょうか。対象者に感謝の気持ちを伝え、少しでも調査への不信感を減らす機能があるならば、有効なものだと思います。
 
 そもそも大学人は、調査に協力してくれた大学外の多くの人々に、どれほど感謝の気持ちを持っているのか疑問です。大学は特権的なもので、調査は必ず社会の役に立つのだから協力して当然であり、お礼も感謝もいらないと言えるのでしょうか。現実の多くの調査は社会に貢献できるほどのものにはなっていないし、多くの人々は、大学がそんなことで金を使うよりも、税金をやすくしてほしいと思っているはずです。

 

5.参考文献

原 純輔・盛山和夫.1999.『社会階層 −豊かさの中の不平等』東京大学出版会.
 ★社会階層研究に関する基礎的な教科書。
 http://www.utp.or.jp/shelf/199909/053012.html
盛山和夫他編. 2000. 『日本の階層システム』第1〜6巻.東京大学出版会.
 ★1995年SSM調査の成果をまとめた単行本。
直井優他編.1990.『現代日本の階層構造』第1〜4巻.東京大学出版会.
 ★1985年SSM調査の成果をまとめた単行本。
原純輔編.2002.『流動化と社会格差』ミネルヴァ書房.
今田高俊.1989.『社会階層と政治』東京大学出版会.
 ★階層構造の閉鎖性について、1985年までのSSM調査をもとに論じている。
橘木俊詔・八木匡.1994.「所得分配の現状と最近の推移 −帰属家賃と株式の
  キャピタル・ゲイン−」.石川経夫編.『日本の所得と富の分配』東京大学出版会.
 ★最近の日本の所得格差について論じ、近年の日本社会は先進諸国の中でも格差が大きく、経済的に平等な社会とは言えないと主張している。
1995年SSM調査研究会.1995.『SSM産業分類・職業分類(95年版)』
  1995年SSM調査研究会.
 ★産業分類は簡略。職業分類は、日本の国勢調査の職業分類をもとに作られた独自の職業コード。
1995年SSM調査研究会.1996.『1995年SSM調査 コード・ブック』1995年SSM
  調査研究会.
 ★1995年SSM調査の標本抽出法や、調査票とコードの解説を掲載。
1995年SSM調査研究会.1997.『1995年SSM調査 基礎集計表』1995年SSM調査研究会.
安田三郎.1971.『社会移動の研究』東京大学出版会.
富永健一編.1979.『日本の階層構造』東京大学出版会.


 

7.リンク

東北大学 田中重人さんSSM調査ページ

武蔵大学 橋本健二さん 階級に関する記述が多い

オランダ HARRY GANZEBOOMさん

 国際職業分類などのSPSSプログラムがある。

村瀬の論文 SSM調査シリーズ「関係的資源保有の格差と規定因」 SSM調査報告書より

富山大学 佐藤裕さん SSM調査シリーズ「男性の家事参加」

東京大学出版会 日本の階層システム全6巻案内

慶應熊坂さんSSM調査

慶應熊坂さんSSM調査2

東大SSJデータアーカイブ 海外のデータ入手

 



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