生活と防災についての意識調査
2012年仙北調査
ご回答へのお礼と結果のお知らせ(速報)
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調査主体
立教大学社会学部 教授 間々田孝夫
准教授 村瀬洋一
e-mail murase()rikkyo.ac.jp
東北大学情報科学研究科
政治情報学研究室 准教授 河村和徳
御礼
先日は、私どもが実施いたしました調査にご協力いただき、まことにありがとうございました。みなさまのご理解により、貴重な調査結果を得ることができ、深く感謝しております。利府町、富谷町、大和町、大郷町、大衡村、大崎市松山地区、大崎市三本木地区の2006人を対象として実施し、今のところ1339人(回収率67%)のご回答をいただいております(2月28日時点)。
このたび調査結果の報告書を作成いたしましたので、ご覧いただければ幸いです。これは、主な項目について結果を要約したものとなっております。まだ回答が届きつつあるので、確定した結果ではなく速報となっております。
このような調査の場合、多くの方のご回答を整理してコンピューターに入力した上での、データ作成作業や分析にはかなりの時間を必要とします。そのため、結果のお知らせの完成には、時間を要してしまいます。ご送付が遅くなりましたことをお詫びいたします。なお、まだご回答でない方は、これからでも結構ですのでご回答いただければ幸いです。
今後のお問い合わせ先について
今後数年かけて、調査結果をさらに分析し、復興政策に生かすよう努力し、学会や学術論文にて発表していく予定でおります。この調査に関するご感想や、より詳しい分析結果等に関してお問い合わせがありましたら、上記担当者までご連絡いただけますよう、お願い申しあげます。
1.一般的な社会意識について
1.1.生活満足感
現在の自分の生活について、「満足」と「どちらかといえば満足」を合わせて、男女とも8割近くが生活に満足していると回答。男性の方がやや満足感が強い。
図 現在の生活全般満足感
1.2.社会への不公平感
今の世の中について、「公平だ」と「だいたい公平だ」を合わせて、男性で2割強、女性で2割弱が公平と回答。不公平という答えの方が、圧倒的に多い。生活満足感と比べ、社会に対する評価は厳しいようだ。女性の不公平感は男性よりやや強い。女性の方が、社会の中で多くの問題を感じていることの反映かもしれない。
図 一般的にいって、いまの世の中は公平だと思いますか
2.生活への不安感・健康
2.1.将来への不安感
今後の生活について不安を感じる、という問に対して、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせて、8割近くが不安を感じると答えている。全般的に、将来への不安感が強いといえる。
図 今後の生活について不安を感じる
今後の収入見通しについても、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせて、男女とも6割以上が、下がる可能性が高いと答えている。男女の差は少ない。
図 今後の収入は、震災以前と比べて下がる可能性が高い
将来への希望についても、「どちらかといえばそう思わない」と「そうは思わない」を合わせて、男性の7割弱、女性の7割以上が、将来の自分の暮らしに希望を感じていないと答えている。女性の方がその傾向が強い。
図 将来の自分の暮らしに希望を感じる
2.2.健康状態
健康状態については、「良い」と「まあ良い」を合わせて男女とも3割がよいと回答している。「あまり良くない」と「良くない」を合わせて男女とも2割以上が、自身の健康状態をよくないと答えている。
図 現在の健康状態
ふだんの生活において精神的に疲れを感じる、という問に対して、「よく当てはまる」と「だいたい当てはまる」を合わせて、男性のおよそ5割弱、女性の6割以上が、精神的に疲れを感じている。女性の方が精神的な疲れが大きいようだ。
図 精神的に疲れを感じる
ふだんの生活においてよく眠れないことがある、という問に対して、「よく当てはまる」と「だいたい当てはまる」を合わせて、男性のおよそ3割弱、女性の3割以上が、不眠状態であると答えている。女性の方が眠れない状況にあるようだ。
図 よく眠れないことがある
3.近隣との人間関係
悩みごとを相談する、またはされたりするような近所とのつきあいに関して、「よくある」と「たまにある」を合わせて、男性の6割、女性7割以上が悩みごとの相談といったつきあいがあると答えている。女性の方が近所とのつきあいがよくあるようだ。
図 悩みごとを相談する、またはされたりするような近所とのつきあい
町内会や自治会などの地域活動への参加については、月1回以上で男性3割弱、女性2割強であった。女性に比べて、男性の方が高頻度で地域活動に参加しているが、まったく参加したことがない男性も多い。
図 町内会や自治会など地域活動への参加
4.地震による被害
震災による被害は、自宅建て替えが必要は数%だが、自宅の修理は5割前後ある。家の中のものが壊れた人は、男性7割、女性8割弱である。自分自身がけがをした人は数%だが、友人知人のけがや死者は2割強があると答えている。
図 震災による被害
損害金額は、男女ともに高齢になるほど多くなっている。若年者は、保有財産が少ないためか、損害も少ない。
図 震災による財産の被害金額区分と回答者年齢層
5.職業と生活の変化
震災後に仕事(または勤め先)に変化があったかという問いに対して、ほとんどの人は仕事に変化が見られなかった。数%は震災後に失業している。1割ほどが仕事に変化が見られた。
図 震災後における仕事の変化
支出の変化について聞いたところ、貯金や財産を切り崩していると答える人が3割弱ほどいる。レジャー費の切りつめは約3割、洋服代の切りつめは、女性で4割以上であった。今後の景気への影響が予想される。
図 最近の生活における支出の変化