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北イスラエル王国時代末期の実証的歴史研究

基盤研究©(研究課題番号:26370827)
研究期間 2014年4月1日~2017年3月31日(予定)
研究代表者 長谷川修一(立教大学・文学部・准教授)

研究目的

 本研究の全体構想は、紀元前8世紀後半から紀元前720年にかけての古代北イスラエル王国末期の政治史について、より実証性の高い、新たな歴史像を構築することである。具体的には、まず旧約聖書・同時代セム語碑文・関連する諸遺跡層位の物質文化を批判的に個別に研究し、その結果を総合するという手法を用いて、これまで十全に解明されてこなかった北イスラエル王国滅亡の歴史的経緯に関して、①王国末期の王朝交代と対外政策との関係、②首都サマリア陥落の正確な年代、③史料によってサマリア征服者が異なる歴史的・歴史叙述的背景、④三年間包囲が続いたとされるサマリア陥落の実態という四点を中心に明らかにすることを目的とする。

研究計画・方法

本研究では、以下の①~③の手順を踏み、北イスラエル王国末期の歴史像を構築する。

  1. 同時代を描いた聖書記事のオリジナルに近いテキストを復元し、史料価値の高い部分を抽出する。
  2. 同時代セム語文献資料の分析を通して、北イスラエル王国に大きな影響を及ぼし、後には同国を滅ぼしたアッシリアの国内政治情勢を再検討する。
  3. サマリアとそれ以外のパレスチナの遺跡の発掘調査結果を比較することにより、サマリア攻囲戦の特異性を解明する。

①~③の研究結果を総合的に考察する。

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