「チームの意識を変えたい」。秋の関カレ(関東学生選手権)に向けて、主将・浅間(法4)は意気込んでいた。 2013年6月、男子エペ団体は関東学生リーグ戦で2部最下位に沈み、3部との下入れ替えに進んだ。何とか勝利を飾ったものの、選手一人一人のメンタルや結束力の弱さが浮き彫りとなった。 「チームとしての目標は勝つことじゃない。たとえ負けてもみんながみんなをフォローし合えるような、素晴らしいチームを作っていくことが目標です」。 立大フェンシング部のモットーは「試合を楽しむ」ことにある。団体戦でポイントを挙げた選手は派手にガッツポーズし、ベンチも大きな声で盛り上がる。他大と違って少人数の立大だからこそ、まとまりを重視しているのが特徴だ。さらに今年は新入部員も多く、戦力面でも充実。今まで以上のチーム力で好成績を残すと思われた。しかし、先のリーグ戦ではなかなか満足のいく結果を出せなかった。試合中に「ベンチの雰囲気が悪くなった」(浅間)こともあったという。 少人数だからこそ、結束力はどこにも負けない最大の武器となる。浅間は言う。「試合で負けてくると自信がなくなって、チームに悪い影響を与えてしまう選手もいる。前向きに、そういう選手がいないように意識改革をしたい。チームのためを思ってチームのことを考えて、っていう意識にさせたい」。秋へ向けて、夏合宿や練習試合の日々を重ねた彼ら。実戦を踏まえた練習を行いつつも、常に明るい雰囲気を保ち続けた。後輩たちも徐々に「チーム」を意識し出し、結束力は着実に高まっていく。 この関カレをもって引退する浅間。部への思いをこう口にした。「一言で言うと個性が強いチーム。自分たちがやりたいことができるし、自分たちのスタイルで好きにできる。個性的なチームで自分は好きでした」。そして、後輩たちに思いを託す。「先輩が引っ張っていけるようなチームになってほしい。上を目指せないチームではないと思うので、来年は本当に上位を目指してほしいです」。常にチームを思って取り組みを続けてきた主将。彼が大切にしてきたものが、「1部昇格」という最高の形となる日もそう遠くはない。 (2月7日・小野錬)
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