EXCELでガウス分布を計算する場合にはnormdist関数が利用できる。
(ガウス分布は統計学で正規分布として知られており、normal distributionから
この名前が付いている。)
正規分布は確率分布としても使われ、全区間での積分値が1になるように規格化されている。
また、分布をx0±sの区間で積分すると、分布の68.3%となる。
2sだと95.4%、3sでは99.7%である。
このことは例えば頻度分布の数を足し上げたり、
countif関数を用い=countif(b1:b1000,">2.1")-countif(b1:b1000,">2.5")のようにして
2.1〜2.5の範囲のデータ個数を調べることにより、確かめることができる。
実際にガウス分布をデータの頻度分布と比較するには次のようにすればよい。
© 家城和夫(2008)
normdist関数はnormdist(x,x0,s,true/false)という形をしている。
4番目の引数はtrueかfalseと指定する。falseの場合は関数の値を返すが、trueだと
-∞からxまで積分した値を返す。
(積分されたガウス関数は誤差関数と呼ばれている。)
物理測定では通常このx0,sを用いて測定結果をx0±sと示す
が、
この誤差(s)の範囲内には測定データの約7割しか含まれていない!
$B$2*normdist(a3,$C$2,$D$2,true)のように計算すればよい。
(右の例ではC3セルに計算している)
trueの引数を用いたので、この値はガウス分布のxまでの積分値である。
normdist関数は積分すると面積が1であるような関数なので、
データの分布に合わせるためにデータの個数($B$2)をかけている。
$をつけて絶対参照としているのは
オートフィルを使ってすべての区間についての計算を繰り返す際に
パラメタの値が変わらないようにするためである。
これを行った結果、C列にはそれぞれのxまでの積分値が得られる。
xの最大値に対する積分値はデータの個数にほぼ等しいはずである。
B4=$B$2*normdist((A3+A4)/2,$C$2,$D$2,false)
というように計算してもよい。
これは積分の台形近似に対応している。