【第26回】シャーマニズムとは何か?
今日は、シャーマニズムについて学ぶ。
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シャーマニズムを定義し、分類し、人はどのようにシャーマンになるのかを示した上で、
A
現代のシャーマニズムについて紹介する。
B
後に、現代のシャーマン=スピリチュアル・カウンセラー
を取り上げて、シャーマニズムの本質に迫りたい。
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シャーマニズムとは何か
【定義】
シャーマンキング シャーマンキング 少年・麻倉葉が、「シャーマンファイト」に参加し、 シャーマンキングとなるまでの話。 |
シャーマン shaman |
シャーマン、シャマンは、シベリアの牧畜狩猟民 エヴェンキの言葉でその地域の宗教的職能者のこと |
シャーマンの定義 |
a. シャーマンとは医師であり、祭司であり、 ソシャルワーカーであり、霊能者である |
b. シャーマンは神や精霊から その能力を授けられ、 それらと直接交流することで、 予言、病気治しを行う職能者 |
シャーマンは、
目に見える人間の住む世界と目に見えない神や精霊の住む世界を
自由に行き来することができる。
わたしたちの祖先は、いまから何万年も前に、あちこちで、
さまざまな問題や苦悩を解決するために、人が持つ能力を、どのように生かすことが
できるのかということに関して、一つの技法を手に入れるようになった。
それが、今日、我々がシャーマニズムと呼んでいるものの原型である。
シャーマンとは、地球上のさまざまな地域で、トランス、すなわち、
変性意識状態
(Altered State of Consiousness)
に入って、目に見えない世界と交信し、そのことをつうじて、病気やけがを治したり、
共同体の安寧を祈願したり、予言を行ったりする人物のことである。
シャーマンは、ふつうの人には見えない回路をつうじて、その社会・文化における
隠された真実へと接近する。
ソビエト連邦と中国では、シャーマニズムは、 共産主義政権の弾圧や迫害を受けた。 ソビエト政府は、1920〜30年代に、シャーマンたちに 職務を放棄するように強制し、 それに応じれば、市民権や利益を提供すると約した。 シベリアでは、シャーマンは、多くの場合、 共同体のリーダーであったため、 階級の敵とみなされて、時には、 ヘリコプターに乗せられて 「飛んでみろ!」と命じられて、 突き落とされたりした。 KGBの将校が、病気であると見せかけて、 シャーマンを射殺したという逸話も残っている。 旧ソ連では、社会体制によって、シャーマニズムは衰微した。 |
【分類:シャーマニズムの二つの型】
@憑霊型 (possession) |
トランスに陥り精霊に憑依される。 東アジアに多い。 |
A脱魂型 (ecstasy) |
トランスに陥り霊魂を 霊界へと飛翔させる。 シベリア、モンゴル、北南米に多い。 |
トランス=変性意識状態
Altered States of Consciousness
地球上におけるシャーマニズムの分布 |
南米の幻覚植物を 用いたシャーマニズム アマゾンのシャーマン モンゴル・トゥングースの シャーマニズム ホース・ボーイ 立教・異文化・モンゴルFS2016 【Facebook】立教・異文化・モンゴルFS2016 韓国のシャーマニズム 東北地方のイタコ 日本の東北地方などで死者の霊などを自身に乗り移らせて、 その言葉を語る口寄せなどを行う、日本のシャーマニズム イタコとは? 恐山のイタコ |
【成巫:人はどのようにシャーマンになるのか?】
(成巫過程)
召命型 神や精霊がシャーマンになる人物を選び、 その人物がシャーマンになるまで、 心身の試練を課すもの |
世襲型 シャーマンの死後に、遺族のなかに 巫病を経験する者が現れて、 やがて子孫のうち一人が シャーマンを継承するというもの |
修行型 自発的に神や精霊のもとで修行して、 シャーマンとしての力能を修得するというもの |
A
現代都市のシャーマニズム
〜ネオ・シャーマニズム〜
1970年代の
ネオ・シャーマニズム運動
<背景> 古くから、超自然的世界と交信するために 使われてきた薬草や薬物は、支配的な政治体制や宗教教団に よって長らく禁圧されてきた。 1960年代のドラッグカルチャーは、 それらを逆に、聖なるハーブとして崇拝する道を開き、 その結果として、人びとは、変性意識状態に対して 抵抗をもたなくなっていった。 1960年代にはまた、現代社会に住む人びとの 実存的な不安の解決を模索する過程で、 フェミニズム、ヒーリング、菜食主義という ニューエイジ的な価値観が広く普及することになる。 1960年代になると、ヤキ・インディアンのシャーマンとの 対話からなるカスタネダの著作がベストセラーとなり、 その著作の中心的なテーマである「別の現実」に対する関心が喚起され、 それ以降、ヨーロッパ以外の宗教、精神性への興味関心が高まった。 要は、合理主義や科学主義を介して、 自然環境を収奪し、人間の暮らしを改変し、 物質的な豊かさのイデオロギーを地球上に行き渡らせてきた 現代の資本主義社会の真っただ中に暮しながら、 それに深刻な危機を嗅ぎつけた人たちのなかから、 シャーマニズムが提供する叡智へと引きつけられ、 それを生活のなかで実践しようとする人たちが現れるようになった。 <実践> 南米・ヒバロ社会の研究者であるマイケル・ハーナーは、 地球上の多様な文化のなかからシャーマニズムのコア となる部分を抽出して、シャーマニズムを実践することの 意義を唱えるようになった。 彼は、アメリカの都市住民に向けて、 週末にワークショップを開くようになった。 彼は、「シャーマニズム研究財団」を主宰し、 地球上のシャーマニズムの調査と保護活動に携わっている。 ネオ・シャーマニズムのワークショップでは、 リーダーが太鼓を打ち鳴らし、参加者はその音を聞きながら、 しだいに、シャーマン的な意識の状態に入ってゆく。 その後、参加者は、守護霊となる パワー・アニマルを探し出し、それらからメッセージを 受け取ることによって、自らが抱える問題に対する 解決のヒントを得るようになる。 |
B
現代のシャーマンとしての
スピ・カン
我々の身近な現代の
シャーマニズムについて見てみよう
江原啓之公式サイト
天国からの手紙 GWに海で溺れた長男を助け、父親は逝った。 長男は、自分が助かった裏で父が亡くなったことで悩む。 江原啓之さんは、その場に行き、父が心臓発作で亡くなったことを霊視した。 江原さんは、亡き父の思いを伝え、 彼が発したことばに情感を揺さぶられ、 残された家族は癒されてゆく。
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こうしたシャーマニックな能力とは、
人類がもつ潜在的能力である。
シャーマンは、世界のこちら側とあちら側を
往き来しながら、世界のこちら側に生き、
苦しむ人びとの問題の解決にあたる。
わたしたちは、こうした解決の仕方を、
頭ではなく、全身(魂)で理解できる。
わたしたちは、シャーマニズムを、
学問以前に知っているはずだ。