マルチスピーシーズ人類学研究会第28回研究会 2019.5.31.


 第28回マルチスピーシーズ人類学研究会

アニミズムの新生に向けて
~人類学と民俗学の試みとして~



日時 2019年5月31日(金)13:00~17:00
場所

立教大学池袋キャンパス
12号館2階 ミーティグルームA,B
MAP

備考

問い合わせは、以下のメールアドレスまで。

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katsumiokuno[]rikkyo.ac.jp


【趣旨】
 人間の周りの様々な生物種やモノや人ならざるものたち。それらは、人が世界に向き合う時、人間とは姿かたちという見かけの点では異なるが、人間と内面的な共通性を持ったものとして立ち現れる場合がある。「身体的な非連続性」と「内面的な連続性」。対象に魂が宿るとする旧来のタイラー流のアイデアを退け、人類学は今日、そうした存在論の様式を〈アニミズム〉と呼ぶ。本研究会では、近年の人類学の議論などを手がかりとして、アニミズム論の新生を展望する。
 廣田龍平さんからは、Ph・デスコラの4類型で言うところのアニミズム的変身とアナロジズム的憑依の連続性について、日本の民俗社会において動物が人を化かす/人に憑くという事例を軸に発表していただく。
 甲田烈さんからは、近代の仏教哲学者・妖怪学者として知られる井上円了(1858-1919)の「活物論」を新しいアニミズムとして読み解くことを中軸にして、仏教の哲学・思想とアニミズムの関係について発表していただく。本覚思想批判に見られるように、生きとし生けるものに仏性があるという思想は、土着思想として非仏教的なものと解されてきた。しかし近年のアメリカ仏教やトランスパーソナル心理学の動向の一部が示すように、ノンヒューマンなものとの関わりにおいて「人間」を捉える思考はこうした仏教の再発見の中で見られるものでもある。こうした文脈から円了の思考の可能性を照らしかえそうとする。

【プログラム】
廣田龍平(東洋大学非常勤講師) 「人、獣になり、獣、人になる:動物妖怪譚における憑依と変化の交叉をめぐって」(仮)
甲田烈(東洋大学井上円了研究センター客員研究員)  「「活物論」を継承するー円了妖怪学に照らしたアニミズムの可能性ー」(仮)
コメンテータ 近藤祉秋(北海道大学)、奥野克巳(立教大学)