21世紀文化人類学の波紋と影響
~言語人類学、妖怪研究、エコクリティシズムから考える~
日時 | 2021年6月27日(日)13:30~17:30 |
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場所 | オンライン研究会(Zoomによる) |
申し込み | ・募集 50名まで(無料) ・所定事項を記入の上、Google Formから申し込んで下さい。(2021年5月10日10:00~6月20日23:59) |
【趣旨】
20世紀末、文化人類学は暗かった。ポストコロニアルの嵐が吹き荒れ、文化人類学徒は「未開」のフィールドに行くことに二の足を踏み、机に向かって俯いて反省ばかりしていた。やがて猛省の袋小路から脱し、次なる時代の人類学が生まれた。
E.コーンは、人間だけが思考するのではなく、森が思考すること(シルヴィアン・シンキング)から始めてみよと唱えて、アメリカ哲学の巨人C.S.パースのセミオシスを援用しつつ、「人間的なるものを超えた人類学」を宣言した。E.ヴィヴェイロス・デ・カストロは、人間も動物も植物も精霊も神々も同じように精神を持ち、一つの宇宙論的な文化を形成する一方で、多数の身体すなわち多数の自然を有する存在論を、「多自然主義」として私たちに示してくれた。A.チンは、人間の本性(自然)は、種間の関係性だと唱えて、マルチスピーシーズ民族誌の研究を進めた。
こうした21世紀的な文化人類学の試みは、文化人類学の周辺の他の専門分野でどのように受け止められたのであろうか? 本研究会では、それぞれのトピックが言語学/言語人類学、比較思想、環境文学においてどのように捉えられたのか、どう発展させられてきているのか、個人の思索の中にどのように取り入れられてきているのかという観点から発表をしてもらいながら、「人類学の存在論的転回」界隈の波紋と影響を探ってみたい。
【プログラム】
趣旨説明 13:30~13:40 奥野克巳(立教大学 異文化コミュニケーション学部 教授)
<発表1> 13:40~14:25
浅井優一(東京農工大学 工学研究院 講師) 「コーン『森は考える』を言語人類学から捉え直す」(仮)
<発表2> 14:25~15:10
甲田烈(東洋大学 井上円了哲学センター 客員研究員) 「多自然的妖怪考」(仮)
<発表3> 15:10~15:55
山本洋平(明治大学 理工学部 准教授)「エミリー・ディキンスンと〈複数種〉の起源」(仮)
休憩 10分
<コメント1> 16:05~16:30
飯嶋秀治(九州大学 人間環境学研究院・准教授)
<コメント2> 16:30~16:55
野田研一(立教大学 名誉教授)
総合討論 16:55~17:30
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