第55回マルチスピーシーズ人類学研究会
(オンライン研究会)


参与と生命II

個/体を超える、その手前とかなた



大衆思想の系譜研究会 共催

 日時  2021年9月29日(水)13:30~17:30
 場所  オンライン研究会(Zoomによる)
申し込み ・募集 若干名(無料)
・所定事項を記入の上、Google Formから申し込んで下さい。(申込期間6月27日(日)~9月27日(月)

【趣旨】
 今日の自然科学は、もはや生命の個体的な起源ではなく、遺伝子解析を通してその生態系のネットワークへと探求を拡張している。そうした動向とあたかも並行するように、21世紀の人類学は、精神と物質を截然と切りわけるのではなく、両者を記号過程の中継点や効果として捉えるという視座を展開している。またこうした思考は、バイオアートや現代の仏教哲学においても豊かに展開されているものであった。

 人間種に高度に発達したとされる意識や精神性は、しかしその種に独自のものではなく、他の生物種とも連続している。またそれは、他なるものから、人間種が問いかけられることでもあるだろう。そして、こうした観点から、個を超えるつながり・重なりや、アニミズムといったことの意義を照らしだすことができよう。

 「参与と生命」の第2回は、「個/体を超える、その手前とかなた」と題して、こうした問題意識をふまえつつ、隣接諸領域との対話に踏み込んでいこう。

 今回は、南方熊楠による粘菌への鏡検を支える言説に対する深い洞察を軸に、ハイデガーや華厳思想の存在論を媒介としつつ生命そのものを思考する「粘菌哲学」を構想している唐澤太輔さん、「生物の進化や生態系は、ヒトのこころの映し鏡である」という見地から、人間を生み出す内骨格動物(脊椎動物)の進化をたどる独自の「アニマンダラ」というフレームワークを提唱している天海ヒロさん、そして、「個を超える」トランスパーソナル心理学の試みを日本に導入した故・吉福伸逸のプロジェクトに伴走し、今日も個人臨床や企業研修、そして翻訳活動を通して活躍されているティム・マクリーン&高岡よし子さんをお招きし、話題提供をいただきながら、さらに思索を深めていきたい。
 
【プログラム】
司会進行:甲田烈(東洋大学井上円了哲学センター客員研究員)
13:30~13:40 趣旨説明
13:40~14:30 唐澤太輔(秋田公立美術大学 大学院複合芸術研究科・美術学部アーツ&ルーツ専攻 准教授)
         「粘菌生命論」(仮)
14:30~15:20 天海ヒロ(グラフィックデザイナー/アニマンダラ提唱者)  
         「種我同型論とアニマルメディスン」(仮)
15:20~15:30 休憩
15:30~16:20 ティム・マクリーン&高岡よし子((有)シープラスエフ研究所 代表取締役、取締役)  
         「プレゼンスとエッセンス」(仮)
16:20~16:25 休憩
16:25~17:30 質疑応答・総合討論





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