第57回マルチスピーシーズ人類学研究会
(オンライン研究会)


アートと人間的なるものを超えた人類学

~展覧会「Land and Beyond |大地の声をたどる」をめぐって~


 日時  2021年8月9日(月)20:00~22:00
 場所  オンライン研究会(Zoomによる)
申し込み ・募集 若干名(参加無料)
・所定事項を記入の上、Google Formから申し込んで下さい。(申込期間7月27日(火)~8月8日(日))

【趣旨】
人類学のコモンセンスを踏み越えて、 E.コーンは、『森は考える』 (2016[2013]) を、考えているのは何も私たち人間だけでなく、森が考えているというところから出発してみようという呼びかけから始めた。そのエピローグには「超える(Beyond)」というタイトルが付けられている。その研究は、「人間的なるもの」について考えるこれまでの人類学の「正しい(right)=右利き」のやり方を突き崩し、それを超えていくための、「左利き」の人類学者コーンからの供物であった。

私たちは、コーンが試みた多自然主義の全体性にどのように接近することができるのか? 人間の象徴言語以前の記号過程と「イメージ」によって、というのがコーンの戦略であるが、それとは別の接近法がある。アートである。

現在開催中の展覧会「Land and Beyond |大地の声をたどる」(7/21-8/29@POLA MUSEUM ANNEX)では、北海道の知床を舞台に、世界各地の海でフィールド・レコーディングとサウンド・インスタレーションを手がけ、知床の流氷にマイクを差し出す行為を「瞑想的な狩猟」と呼ぶ上村洋一、知床を歩きながら、土や水、動植物、人間など諸存在がそれぞれの言語で土地の物語を表現しているさまに耳を傾け、言葉や図を生みだすエレナ・トゥタッチコワが、ひとつの空間で交差する。Beyondとは、大地が感じることから出発するための呼びかけに与えられた言葉である。

本研究会では、二人のアーティスト、展覧会のキューレーションを担当した四方幸子を迎え、自然の声、世界制作、多自然主義などについて、参加者のみなさんとともに考えてみたいと思う。

 
【プログラム】
20:00~20:05 奥野克巳(立教大学)
         「趣旨説明」
20:05~20:25 上村洋一(アーティスト)
         「瞑想的な狩猟――環境に浸り入るために」
20:25~20:45 エレナ・トゥタッチコワ(アーティスト)
         「知床の道を歩く」
20:45~21:25 
四方幸子(キューレーター)+上村洋一+エレナ・トゥタッチコワ
         「 「Land and Beyond |大地の声をたどる」をめぐって」
21:25~21:30 休憩
21:30~22:00 ディスカッション

参考:四方幸子さんによる展覧会の紹介記事




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