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エジンバラ大学社会学研究科及びLSE(Department of Accounting)にて在外研究を行って以降、事物の評価や数量化の仕組みやそれが社会に与える影響を探究しています。現在は企業の社会的インパクトやM&Aのパフォーマンスがいかに認識・測定されるかに特に関心があります。
- “Quantified Hierarchy: An Ontological Analysis of Finance and its Application
in Impact Finance,” Rivista di Estetica, manuscript accepted.
- “Finance without Unified Measurement Framework: Rise of Collective Norm
Entrepreneurs in Impact Finance in Japan,” in Othmar, L. M. et al. (eds.), The Routledge Handbook of Green Finance, Routledge, 2023.
- 「M&Aを対象とした価値評価研究(一部担当)」『Business Insight(神戸大学現代経営学研究所)』第30巻第3号、2022年。
- 「会計制度に対する社会学的研究アプローチと社会的存在論の意義―伝統的会計利益に対するインパクト加重会計に着目して―」『社会関連会計研究』第33号、2021年。
- 「海外M&Aにおける複数評価原理の探究:価値評価研究における知見に基づく学際的分析」『日本情報経営学会誌』第40巻第1-2号、2020年。
- 「のれんの公正価値会計に関する実践の探求と国際比較」『立教ビジネスレビュー』第11号、2018年。
- 「サロン・ド・クリティーク 会計は何かを遂行するのか」『企業会計』第71巻第1号、2018年。
- 「書評 『計算と経営実践―経営学と会計学の邂逅―』」『産業経理』第77巻第3号、2017年。
- 「公正価値会計の社会学的分析―非上場株式の評価を題材として―」『流通経済大学創立50周年記念論文集』、流通経済大学出版会、2016年。
- 「ファイナンシャリゼーションと非上場株式の公正価値会計」『流通経済大学論集』第49巻第4号、2015年。
- 「複雑な金融商品の評価に伴う外部専門家の利用に関する国際比較研究」『ゆうちょ資産研究』第21巻、2014年。
- “Fair Value Accounting from a Distributed Cognition Perspective,” Accounting Forum, Vol. 38, No. 3, 2014 [link@ScienceDirect].
- Donald MacKenzie著、岡本紀明訳『金融市場の社会学』、流通経済大学出版会、2013年。
- 「金融社会論の台頭と会計研究への示唆」『流通経済大学論集』第47巻第4号、2013年。
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制度の社会的構成や遂行的側面の追究とその方法論的検討 |
学際的な観点から会計制度(やそれに付随する会計判断・評価・測定)のみならず、制度一般に影響を及ぼす社会的要素を検討してきました。インフォーマルな規範がフォーマルな制度にいかに作用するのか日々考えています。深く掘り下げると、制度をどう捉えるかという方法論的議論にも絡みがちです。
- “Social Ontology and the Identification of Generic Performativity in Social
Science: A Case of Performative Financialization,” Philosophy of the Social Sciences, 2023,Vol. 53, No. 4, 2023 [link@Sage].
- “Book Review, Nicholas Brisset, Economics and Performativity: Exploring Limits, Theories and Cases," Œconomia, Vol. 12, No. 2, 2022 [OpenEdition].
- “Collectively Accepted Social Norms and Performativity: The Pursuit of
Normativity of Globalization in Economic Institutions,” Journal of Economic Methodology ,Vol. 27, No. 3, 2020 [link@Taylor & Francis].
- 「定性的会計研究のゆくえ―解釈的会計研究の展望」古賀智敏編著『会計研究の系譜と発展』第15章所収、千倉書房、2019年。
- 「学際的会計研究の動向と展望―遂行性の概念に焦点を当てて―」『グローバル会計研究』第1巻第1号、2019年。
- “Collective Intentionality and Aggressive Earnings Management: Developing Norman Macintosh’s Arguments in the Debate over Principles-versus Rules-based Accounting Standards,” Critical Perspectives on Accounting, Vol. 22, No. 2, 2011 [link@ScienceDirect].
- “Socio-institutional Perspectives of Reality in Financial Accounting-The Creative Compliance and Accounting Standard Setting in Japan-,” International Journal of Critical Accounting, Vol. 3, No. 1, 2011 [link@inderscience].
- 「原則主義会計と細則主義会計―アメリカ・イギリス・カナダにおける動向」古賀智敏編著『財務会計のイノベーション』第14章所収、中央経済社、2009年。
- 「会計制度を支える信頼と制度的正統性」『流通経済大学論集』第41巻、第4号、2007年。
- 「財務会計における実質の構成―理論的枠組みの探究」『流通経済大学論集』第41巻、第2号、2006年。
- 「原則主義と細則主義の議論に関する多面的考察」『六甲台論集(経営学編)』第52巻、第1号、2005年。
- 「税務における経済的実質優先の論理」『税経通信』第59巻、第14号、2004年。
- 「英国における離脱規定と会計規制」『産業経理』第64巻、第2号、2004年。
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上記の理論的観点に基づき、会計基準等の制度設定過程に焦点を当てて研究しています。これまで会計基準のグロ-バル化等、特定の会計制度の動きに焦点を当て、背後にある社会的・政治的側面を探究してきました。最近は日本的な会計慣行(株式持ち合い等)と関係が深い制度設計に関心があります。
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“Financialisation in the Practice of Cross-Shareholdings in Japan: A Performative Pursuit of Better Corporate Governance,” Journal of Management and Governance, 2022, online first [link@Springer].
- 「英国』中野貴之編著『IFRS適用の知見:強制適用および日本における任意適用の分析』第11章所収、同文舘出版、2020年。
- 「サロン・ド・クリティーク 会計制度のダイナミクスを捉える試み」『企業会計』第71巻第2号、2019年。
- “Norm Entrepreneur Lobbying and Persuasion: A Case Study Involving the IASB's Modification of an Exposure Draft,” Research in Accounting Regulation,Vol. 29, No. 2, 2017 [link@ScienceDirect].
- 「国際的規範のダイナミクスとIFRS―ローカルな規範のグローバルな反映に向けて―」『国際会計研究学会年報』2012年度第2号、2013年。
- "Collaborative Pursuit of the Global Convergence of Accounting Standards:
An Analysis of the Change of Accounting Standards and Complementary Tax
Law Reform in Japan," in William, D. Nelson (ed.), Advances in Business and Management, Volume 5, pp. 263-278, Nova Science Publishers: New York, 2012 [link@Kinokuniya].
- 「情報技術の発展と簿記記録の対象の拡大―排出権の認識を題材として―」『日本簿記学会簿記理論部会最終報告書』第5章所収、2010年。
- 「わが国リース会計基準改訂の政策過程分析―会計基準のコンバージェンスの追求と法人税法との補完性―」『流通経済大学論集』第44巻、第1号、2009年。
- 「財産の使用権としてのリース資産」『六甲台論集(経営学編)』第50巻、第2号、2003年。
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例えば以前、知的資本に関する某科研費プロジェクトに参加させて頂く機会を得て、知的資産の認識・ 測定・開示に関する研究も細々と続けています。
- 「知的資本を中心とした非財務情報に対するアプローチの変化―研究者の問題意識を題材として―(付馨との共著)」 『日本知的資産経営学会誌』第7号、2021年。
- 「制度の遂行性から見た知的資産認識への課題と胎動」 『日本知的資産経営学会誌』第6号、2020年。
- 「新規公開(IPO)目論見書における知的資産情報の開示分析(島永和幸、戸田統久との共著)」
古賀智敏、榊原茂樹、與三野禎倫編著『知的資産ファイナンスの探求―知的資産情報と投資・
融資意思決定のメカニズム』第14章所収、中央経済社、2007年。
- Tony Tollington著、古賀智敏監訳、高橋聡・KPMGビジネスアシュアランスとの共訳
『ブランド資産の会計』、東洋経済新報社、2004年。
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日本会計研究学会、日本簿記学会、国際会計研究学会、中小企業会計学会、応用哲学会、科学社会学会、グローバル会計学会、日本知的資産経営学会、会計理論学会、European
Accounting Association、Critical Accounting Society
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2022~2024年度 文部科学省科学研究費助成金 基盤研究(C)
「企業業績評価の社会的シフトに関する理論的・実践的研究―インパクト加重会計を中心に」 (研究代表者)
2021年度 村田学術振興財団 研究助成
「コーポレートガバナンス・コードの導入に伴う政策保有株式縮減の理由と経済的帰結の探究」(研究代表者)
2020年度 立教大学SFR(学術推進特別重点資金)
「国際研究論文作成経費」(研究代表者)
2019年度 立教大学SFR(学術推進特別重点資金)
「国際研究論文作成経費」(研究代表者)
2018年度 立教大学SFR(学術推進特別重点資金)
「国際研究論文作成経費」(研究代表者)
2018~2021年度 文部科学省科学研究費助成金 基盤研究(C)
「のれんの会計処理をめぐる国際的駆け引きと会計基準設定における説得の探究」
(研究代表者)
2017年度 立教大学SFR(学術推進特別重点資金)
「国際研究論文作成経費」(研究代表者)
2016~2017年度 野村マネジメント・スクール学術研究支援(研究助成)
「非上場株式及びのれんの評価に関する理論と実務の国際比較研究」(研究代表者)
2014~2015年度 文部科学省科学研究費助成金 若手研究(B)
「非上場株式の公正価値会計における理論と実務の比較分析」(研究代表者)
2013~2014年度 一般財団法人 ゆうちょ財団 研究助成
「複雑な金融商品の評価に伴う外部専門家の利用に関する国際比較研究」
(研究代表者)
2013年度 文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(A)
「国際的なリスク・エクスポージャーと最適開示の制度設計に関する総合的研究」
(研究分担者)
2012年度 公益財団法人 全国銀行学術研究振興財団 研究助成
「金融社会論の適用と金融商品評価の実務に関する国際比較研究」(研究代表者)
2011年度~2012年度 文部科学省科学研究費助成金 若手研究(B)
「公正価値会計の普及に関する批判的・社会学的研究」(研究代表者)
2010年度下期 公益財団法人 野村財団 国際交流助成
「金融商品の公正価値会計の適用実態に関する調査研究」(研究代表者)
2007年~2008年度 文部科学省科学研究費補助金 若手研究(スタートアップ)
「リース会計基準改訂の意義と社会的受容に関する研究」(研究代表者)
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Scandinavian Journal of Public Administration (University of Gotenburg)―International Advisory Board Member
Applied Finance and Accounting (Redfame)―Associate Editor |
・応用哲学会第15回年次研究大会(4月22~23日@金沢大学)
・Social Ontology 2023 Conference (8月15日~8月19日@ストックホルム大学)
・日本知的資産経営学会(9月22~23日@専修大学)
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