Look22 恋の流動

Designer 小林路香

『恋』の流動をテーマにデザインした。
恋をする時の感情とは移ろいでゆくものである。精神的、肉体的に特定の異性との一体感を分かち合いたい、とそれは時に叶わないこともあり、次第に自分よがりなものと変化し、エゴにとらわれていく。常には叶えられないことでやるせない思いに駆られたり、またまれに叶えられたりして歓喜したりする状態に身を置いたりする。しかし時が流れればささいなことでも不安や疑念を感じる。
恋をしなければ生まれない繊細な気持ちから生じるエゴを、胸の部分を合皮で固く、揺らぐことの出来ない相手への思い、しかしそこには「愛」とは違い自己中心的な感情で傷つきやすく脆いものを胸元のざっくりとした切れ込みで表し、また腹部のオーガンジーでは移ろいでいく揺らぎのある不安定な、また簡単に見透かされるチープな感情を表した。