

Look24 削角
Designer 中島千景
私は、流動とは“大きいもの、ごつごつしたもの、から小さいもの、シンプルなもの、スマートなものにむかって変化、進化していくときに起こるもの。”だと考えた。
たとえば川の上流では、石は大きくてごつごつしている。しかし流されていくうちにちいさくて丸い石に変化していく。生物も、昔は恐竜のように大きくて硬い殻や甲羅をもっていたが、今は小さくてスマートな生物が生存している。
昔の戦闘着も、鎧のように重くてごつごつしていて、硬いものであった。しかし、映画などで描かれる未来の戦闘着はボディスーツのような、シンプルでスマートなものである。
このように流動とは、大きくてごつごつしたものから、小さくてシンプル、スマートなものに向かって変化、進化していくときに起こるものだと考えた。私はこの考えをこの衣装で表現した。
肩にはプロテクター、ひじにはひじあて、後ろには鎧のような切りかえしをつけ、硬くごつごつとしたデザインにした。またプロテクターの部分の生地はうろこ模様の硬いエナメル生地を使い、コートの生地には硬い接着芯を貼ることによって、硬く、ごつごつとした進化する前の状態を表現した。
ベースになるコートは、基本形のコートよりもタイトで襟を高くしたり、上半身の部分をタイトにすることにより、ボディスーツのようにスマートな形にした。
最後に、左の脇腹から背中にかける黄色い筋は人間の一番の基本、シンプルな部分である、骨をイメージしました。