Look9 脳と流動

Designer 石井成美

時間、時代、歴史、成長…流動しているものはたくさんあるが、これらはすべて人間が付与した単位、次元である。
なにかが流れ動いていると感じ、考えたのは脳。作り出したのも脳。私は流動=脳ではないか、と考えた。

ワンピース=脳。
キルトで脳のかんじを表したかったため、既製の布を使わず作った。糸を敢えて生地と同じ色にして目立たなくしたのは線ではなく形を目立たせたかったからである。
キルトの模様の縦は直線、横は曲線で構成した。直線は脳を動かす電気信号の回路を、曲線は脳のシワをイメージした。
大きくなりすぎた人間の脳の気持ち悪さを表現したかったため、中のキルト芯の量をランダムに変えた。

ジャケット=脳が生み出した「なにか」
「なにか」という抽象的なものを表現するのに、よく漫画などで人物の頭の上に出る、想像していることを表す吹き出しをイメージした。
これからも脳から生まれるものは増えていくことを表現するのに、どろどろと溶け出る感じの衿や裾にした。