概要

研究目的

 本研究は、考古学班による考古学的調査・研究と文献史学班による海外所蔵史料調査・研究を基軸に、文献史料・考古資料の双方の分析結果を相互補完的に用いて、これまで不明であった紀元前7~5 世紀におけるアッシリア・バビロニア・アカイメネス朝ペルシアという三帝国による行政州支配の実態を明らかにすることを目的とする。特に、短期間に支配が交替したこれら三帝国間の行政州経営戦略の共通点、時代的・地域的差異、変遷に注目し、土地制度・軍制・交易・物流・宗教文化・食文化の浸透など多角的視点から分析する。さらに、分析から浮かび上がった各行政州支配の実態をふまえ、その背後にある三帝国間の「帝国イデオロギー」など、歴史的・社会的・思想的背景についても考察する。

研究計画・方法

 本研究はイスラエル国内で考古学班が実施する4 年度に亘る考古学的調査・研究と、文献史学班による海外の図書館・文書館における所蔵史料調査・研究を基軸とする。考古学班は毎年夏季に現地で調査に当たり、文献史学班は平成30・32 年度に海外の図書館で文献調査・研究に従事する。各年度末にかけて研究会を開催し、当該年度の研究成果を発表する。平成30 年度には発掘調査成果を国際学会(ICAANE)で報告し、平成31 年度中に文献史学班から3 名の研究者による研究発表を国際学会(RAI)において行って国内外の研究者からフィードバックを得、32 年度後半には両班の研究成果を総合するシンポジウムを国内で開催する。研究成果は適宜英文・和文で学術論文として投稿するほか、研究終了後に欧文のモノグラフとして出版することを計画している。

研究体制

Page Top