第2回 ハンドボール部 関根直樹(コ3)
〜欠点を長所に〜

取材:ハンドボール部担当 記事:石見禎浩

精悍(せいかん)な顔つきでゴールを守る
「走・跳・投」。この言葉に表されるように、ハンドボールとはスピーディーかつダイナミックな競技だ。高く跳躍し、上空から放たれるシュートは見る者を魅了する。ハンドボールにおいてオフェンスばかりが注目されがちだが、実はGKの出来が勝敗に大きく関わってくると言われている。運動能力が最も高い選手がGKになるべきとする指導者も多い。そんな重圧にも負けず、守備の要として立大のゴール前に君臨するのが関根直樹だ。
「まさに守護神」。そう言わしめた試合があった。春季リーグ第3戦、関東学院大学との一戦。試合は撃ち合いの様相を呈したが、関根が好セーブを連発。関根の活躍に応えるように攻撃陣も奮起し、得点を重ねていく。結果こそ引き分けたものの、「関根がいなければ負けていた」と監督の河合は振り返る。
関根がGKを始めたのは高校に入学してからだった。それまではコートプレーヤーだったが、恩師からの勧めで転向を決意。やはり最初は「怖かった」という。関根が入学した
高めの難しいボールを片手でクリア
藤代紫水高はハンドボールの強豪校。「強い先輩たちと一緒にやれたことがGKとして成長できた要因」と語るようにその才能を開花させ、高校3年時には春の選抜優勝、インターハイ2位という成績に貢献した。そして文武両道を目指し、立大にアスリート選抜入試で入学。するとすぐにレギュラーの座を掴み、当時3部に所属していたハンドボール部を2部に押し上げた。当時の様子を二階堂(理4)は「頼りがいのあるキーパーが入って来た」と評し、チームの中ですでに欠かせない存在となっていた。
順風満帆に見える関根だが、身長175pとGKとして決して恵まれた体格とは言えない。「自分なりの身長を活かしたGKになりたい」という彼が、お手本であり、目標にしているGKがいる。浦和克行選手だ。浦和選手は宮崎大輔選手が所属しているプロチーム・大崎電気でGKを務めている。また、浦和選手は関根の高校時代の恩師の教え子でもあり、
1VS1の状況で見事にセーブ
身長もほぼ同じであるなど共通点も多い。そこからヒントを得て、考え出したのが"相手を誘うキーピング"だ。「自分の有利になるように」とわざとシュートコースを空け、相手にシュートを打たせることを意識しているという。こういった駆け引きの上手さが関根の強みだ。そして何より、自分の欠点を長所に変える力が今の関根の活躍を支えている。
ハンドボール部は今春のリーグで2部5位に終わった。しかし上位校相手に接戦を演じるなど、秋のリーグでは1部昇格を十分に狙える位置にいることは確かである。昇格という大きな目標に向け、関根は今日もゴール前に立ちはだかる。


     ゴールキーパーの魅力――

        「チームのために体を張れること」



名前 関根 直樹 (せきね なおき)
学部学科 コミュニティ福祉学部
スポーツウェルネス学科3年
背番号 #16
出身校 藤代紫水高等学校(茨城)


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