「ゴールキーパーを入れて11人の仲間」。監督の言葉は、ゴールキーパーを加えて発揮される、立大女子ホッケー部のチーム力を表している。
巧みなパスさばきでグラウンドを走るボール。それをスティックで操り、一体となってフィールドを駆け回る選手の姿は、見る者の目を放さない。しかしグランドホッケーは、その華麗な姿からは想像できないほどハードなスポーツとも言える。使用されるボールは野球の硬球よりも硬く、スティックで繰り出されると時速160キロのスピードをも超える。まともに食らえば大怪我につながりかねない。そのため、ゴールキーパーは全身を覆う防具を装着し、最後の守備者としてゴールに立つ。
「やっぱり最初はみんなと走ることも出来なくて、装備するのも大変でした」。4年になってやっと慣れた、と笑う新井は、
ゴールキーパーの重責を改めて感じたのは、昨年の関東秋季リーグだった。初のペナルティストロークで決着を付けた成城大戦。選手がそれぞれキーパーと1対1でシュートを放つ緊張感の中、見事相手のシュートを阻み、勝利に貢献した。しかしこのリーグ戦ではあと一歩という所で優勝を逃し、入れ替え戦も敗北。悔し涙を流した彼女たちは、今季に1部昇格の望みを託す。
「自分のミスが、失点につながる。最後には自分は守らなくてはいけないことに、プレッシャーをすごく感じます」。しかし、それが同時にゴールキーパーの魅力でもあると言う。ホッケーでは、ゴール手前のサークルで攻撃側と守備側に分かれてゲームを展開するセットプレーがある。攻撃側にとっては点を入れる絶好のチャンスであり、
秋季リーグで引退となる新井。常に後ろから選手を励まし続け、一緒になってゴールを守り続けて来た彼女の言葉には、チームへの思いがにじみ出る。そして、今季の目標についてこう語った。「無失点で1部に昇格したい。次の代に、後輩につなげたいですね」
ゴールキーパーの魅力―― 「自分が、みんなのピンチを救える」
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