2007年度より理学研究科において実施していた前期課程「医学物理士養成プログラム」と後期課程「医学物理研究コース」の内容を継続・統合し,2017年度より新たに「医学物理学副専攻」を設置しました。
「医学物理学副専攻」の概要
立教大学理学研究科では,2007年度より文部科学省「がんプロフェッショナル養成プラン」,2012年度より「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の補助を受け,立教大学大学院理学研究科博士課程前期課程において「医学物理士養成プログラム」を,博士後期課程において「医学物理研究コース」を設置し医学物理士養成及び医学物理研究者養成を行ってきました。本研究科ではこれらコースの発展的継続として,2017年度より「医学物理学副専攻」を設置しました。
「医学物理学副専攻」は,これまでの「医学物理士養成プログラム」および「医学物理学研究コース」の内容を継続するとともに,学生にとってより受講しやすい形を目指しています。主専攻とともに,副専攻で医学系科目を選択することにより,医学物理士の養成だけでなく,医療機器メーカー等で活躍する人材育成も期待されます。また,我が国ではがん対策基本法の方針に基づき,小学校・中学校・高等学校でのがん教育が急務となっています。本学でも中学校・高等学校の理科教員を目指す学生が一定数おり,本副専攻では中高におけるがん教育の仕組み作りや医療人と交渉が出来る教員養成も視野に入れています。
制度概要
本学大学院理学研究科博士課程前期課程,または後期課程に在学し,医学物理学を学修することを強く希望する者に対し,所定の要件を満たした場合「医学物理学副専攻」修了の認定を行う制度です。なお,副専攻認定は主専攻を修得する事が必要です。さらに,所定の要件を満たし,将来医学物理士を希望する者が,推薦認定試験に合格した場合に順天堂大学大学院医学研究科(博士課程)への推薦を行います。
○ 対象者:理学研究科前期課程,または後期課程在学者
○ 募集人数:若干名
○ 順天堂大学への推薦制度:医学物理学副専攻に登録し,指定科目から所定の単位を修得(当該年度修得見込みを含む)
した登録者に対して口頭試問を行います。試験日程は,9月中旬を予定しており,要領は別途掲示します。なお,
順天堂大学大学院医学研究科放射線治療学への推薦は,推薦認定試験に合格した年度の翌年度の入学に対してのみ有効です。
指定科目【2020年度以降の登録者用】 (2019年度までの登録者はこちら)
区分 | 所定単位数 | 開講学期 | 科目名 | 単位数 | 備考 |
必修 | 5 | 秋学期 | 放射線治療物理学 | 2 | |
医学概論 | 2 | 随意科目*1 | |||
春学期期間外 | 医学物理学実習*2 | 1 | 随意科目*1 | ||
選択必修A (関連基礎科目) |
2 | 春学期 | 電子工学特論 | 2 | |
宇宙放射線特論 | 2 | ||||
原子・分子物理特論 | 2 | 隔年開講 | |||
原子核物理学 | 2 | ||||
原子・分子物理学 | 2 | ||||
ハドロン物理学 | 2 | ||||
選択必修B (医療物理関連科目) |
2 | 春学期 | 放射線計測特論 | 2 | 隔年開講 |
放射線生物学特論 | 2 | 隔年開講 |
※1:大学院前期課程の修了要件単位には算入されない。
※2:履修登録に関する手続き(科目登録)は不要である。1週間程度の実習を行い,レポートを提出する。成績は確定次第個別に通知する。詳細については別途掲示する。なお,この科目は2023年度まで開講されていた「インターンシップ(医学物理士)」と同一の科目である。
指定科目の特徴
医学物理学副専攻の指定科目は,主専攻での単位取得と並行して習得できるよう最大限の配慮がなされています。必修科目において医学と放射線の基礎について学び,選択必修Aでは関連分野を通して放射線科学に対する理解を深め,選択必修Bにおいて放射線の医療分野への応用に関する実践力を高めます。更にインターンシップでは,本学の連携校である順天堂大学において,実際の医療現場での研修を通して,最新の放射線がん治療における治療計画や治療装置について集中的に学ぶことができます。