Look18 会田誠/ジューサーミキサー

Designer 中島千景/石井成美





この服では、新ジャポニズムとして、村上隆さんと並んで知られている、会田誠さんの世界観を表現しました。 
 彼は、戦争、エログロ、美少女、暴力、ロリコン、酒、社旗通念への反発を多くテーマとしてあつかった作品を生み出しています。 
彼の作品はどれも、混沌としていて、ぐちゃぐちゃで一見何が描かれているのか、わかりません。 
しかし、よく見てみると、様々な意味の込められたものになっていて、一瞬、みただけで独特な彼の世界に引き込んでいく、という不思議なものです。 
 
そのため私たちのこの服も一見ごちゃごちゃとしていますが、ひとつひとつがエッセンスになっています。 
テーマカラーは白。基本スタイルはジャケット+パンツ。これにすることによって、素の状態である人間を表しています。 
そこに、クラッシュ加工を加えることによって、<戦争によって人々が傷つけられていること>だったり<多くの人間で構成されている”社会”をぶちこわす、タブーをおかす>という意味をこめています。 
そのクラッシュ加工の合間から、赤い生地を見せることによって、生身の肉体からこぼれ落ちる血液を表現しています。 
 ジャケットの袖は鎖と網で構成されています。 
ここはわざと普段服では使われない素材を用いることによって、型にはまらない、新時代を築く、という意味がこもっています。 
またがんじがらめで型に組み込まれていた日本も表しています。 
じっとしていれば腕は鎖や網に覆われているままです。 
しかし、モデルが動くことによって、このがんじがらめの状態を抜け出すことができます。 
これによって、型にはめ込まれた、昔の日本から抜け出し、あたらしい日本、新ジャポニズムである、会田誠さん自身を表しています。 
 逆側の袖は戦争をイメージした腕章に包帯、ジャケットの下には女子高生をイメージした、スクール水着、ベルトと一体化したプリーツスカートとシフォンスカートをメンズのモデルさんに着せることによって、異色のものを組み合わせる会田さんの作品を表しています。