Look4 ゴヤ/我が子を食らうサトゥルヌス

Designer 中村祐次郎





私が取り上げた画家は、スペイン最大の画家で宮廷画家であるフランシスコ・デ・ゴヤだ。

その中でも特に注目したのは、『黒い絵』と呼ばれる14枚の壁画群である。
この14枚の絵は、ゴヤが『聾者の家』と呼ばれる別荘を装飾するために描かれたものであった。

なぜ黒い絵と呼ばれているかは、文字通り、黒を基調にした絵が多いからだ。
また、この14枚の絵には計り知れないほどの深い意味が込められている。

衣装の白いセットアップは、ゴヤがほとんど外出することなく、質素に生活したことをあらわしている。
また、別荘が二階建てということもあり、別荘の一階部分と二階部分という全体像も同時にあらわしている。
そして、この衣装の中心軸をなすのが14の装飾である。
これは、ゴヤの黒い絵を一枚一枚ひもといて、全てではないが、ゴヤがこの14枚の絵に込めたメッセージを読み取り、装飾として表現している。