Look15 普遍的な綺麗さ

Designer 諏訪翔子

綺麗でエレガントだけど着ることが大変なドレスの時代から、カジュアルで動きやすいものが主流の現代へと移り変わった。
普段、あまりにも着飾ることは何となく恥ずかしいという風潮だが、女性はウェディングドレスに憧れたり、見えない部分(下着など)ではフリルやレースが多く用いられたものを好むなど、心の底では可愛らしく綺麗な物を今も好んでいるのではないか。
ただ、いくらドレスに憧れても、なかなか大袈裟なドレスを着ることは出来ない。だったら、せっかくの機能性が必要とされないショーでくらい、豪華な服を作ってみたい。
今回の服は、フリルやレース、ビジューなどを使って、遠い昔も、多くの時が流れた今も(そして、もしかしたらどんな国にも)きっと変わらずに存在するであろう、女性の「やっぱり綺麗なものが好き」といった心に響く服、ということをテーマとした。
細かいディテール一つひとつにまで、意味が込められている訳ではない。だが、見て下さった方に少しでも、流動していっている中に存在する、普遍的な「綺麗、可愛い」を感じて頂ければ幸いである。
また、制作していく中の相談で、ドレスの地の金の布を、初めに私がイメージしていた後ろ2体と揃いの金より薄めな色から、こちらの金に変更した。思っていたより鋭い印象になり、それに合わせてジャケットなどの装飾の甘さも控えめにした。優美な印象とはまた違うものになったが、これはこれで女性の強さを表現しているようでいいのかなと思う。