KIMURA Mizuka-LAB

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UG SEMINAR

みなさん、木村自ゼミへようこそ!

本ゼミでは、文化人類学の考え方や研究手法について学びます。文化人類学は、異文化の なかに身を置き、異文化の調査対象者のなかで濃密なフィールドワークを行い、そこから 得たデータを民族誌として記述する学問です。また、フィールドワークと民族誌の記述を とおして、自分自身の当たり前を相対化し、新しい生の可能性を創造する学問でもあります。

近代人類学の父と呼ばれるブロニスラウ・マリノウスキは、パプアニューギニアのトロブ リアンド諸島で、3年にも及ぶフィールドワークを行いました。私は、台湾の中国系イス ラーム教徒のあいだで、約2年間調査をしました。その間に、現地の言葉を習得し、現地 の人々の日常の細かな慣習や考え方を身に付けます。マリノウスキは、文化人類学のこう した研究手法の根底にあるものを、「住民の視点から(from native’s point of view)」と呼 んでいます。

皆さんが大学に所属している間には、大学の勉強やアルバイト、部活・サークル活動など で、文化人類学本来の濃密なフィールドワークはなかなか実施できません。しかし、アル バイト先や日常の部活なども、「住民の視点」を客体化することで、十分に人類学的な調 査対象になります。もちろん海外の様々な文化的事象も研究対象にできます。まずは、自 分のなかの不思議をできるだけ上手に育てて、長く付き合えるフィールドを探してみてく ださい。

木村自

3年生ゼミの授業では、まず文化人類学的な民族誌/エスノグラフィーを読み、味わい、 人はどのような現場(フィールド)に出会い、何を不思議に感じ、どのような調査をとお して、エスノグラフィーを書き上げたのかを考えます。文化人類学の視点と研究手法を、 エスノグラフィーを読むことで身につけます。

その後、国内のフィールドに出向いて、調査合宿を行います。2017年から2019年までは、 沖縄県の宮古島で、調査を行いました。調査テーマは、宮古島の外国人住民のライフヒス トリー、ハンセン病当事者の経験の調査、宮古島の農業に関する調査、宮古島の伝統儀礼 の継承に関する調査、観光業の発展と町の変化に関する調査など多岐にわたります。宮古 島滞在中は、農家民泊に宿泊し、地元の人と親睦を図ります。

*2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、合宿調査は中止となりました。 3年ゼミの後半では、フィールド調査のまとめと、各自のゼミ論文の執筆を行います。ゼ ミ論文は、卒業論文に向けて自分の問題関心を明確にします。ゼミ論文のテーマは、皆さ んしだいです。ただし、フィールドワークにもとづく論文の執筆が奨励されます。

宮古島合宿 調査の後の宴 バーントゥのお面

宮古島の合宿

調査の後の宴

バーントゥのお面

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