3rd POD開催‎ > ‎

第3回POD会議の開催にあたって(挨拶)

The 3rd POD (Power of Diversity) Conference, 2015
パフォーマンスと人間発達:演じる力、生きる力
言語的文化的多様性を生きる子どもたちのための第3回 POD 会議

 今年も POD 会議を開催します。世界的に見ても日本の子ども達の自己評価の低さはよく話題になるところです。学習意欲は未来の自分に期待する気持ちがなければなりません。自分に自信がなく、自分育てを望まない子、諦めてしまっている子どもは学習に積極的に向かうことはできません。教科学習はもちろんですが、他者とよき場をつくる力である社会的コミュニケーション・スキルの学習についても同じことが言えます。自分に、他者に、そして自分達が生きているコミュニティや社会に信頼を置き、その発達を推し進める主体となろうとする子どもたちはどのような活動の中で育つのでしょうか。多様性を生きる子ども達もその自らが背負う歴史や現在の事実を肯定しながら、自らの未来を切り拓く力が求められます。今回はそうした学習感覚を培う活動として演劇パフォーマンスという活動
の意義を皆で考えてみましょう。
 様々な演劇実践を通して、子どもを含む地域住民に遊びと学びの機会を提供する活動に関わる方々に集まっていただきます。芸術的パフォーマンスの子ども達の発達に与える影響や役割、課題について議論します。誰でもがお互いに異なり、誰でもが固有の存在です。「人は誰でもお互いに多様性を生きる存在である」というこのあたりまえの事実を前提として、演劇を中心とした芸術的パフォーマンスの可能性を探求します。このことが、言語的文化的多様性を生きる子どもたちの学習と発達の課題に対しても有意義な示唆を与えてくれることでしょう。是非奮ってご参加ください。

石黒広昭 (立教大学・文学部)
言語的文化的多様性を生きる子どもたちのための第 3 回 POD 会議 POD 事務局代表

主催:「海外にルーツがある文化的に多様な子ども達の表現活動を中心とした学習共同体の研究」(科学研究費助成事業 基盤研究(B) )
後援:可児市文化創造センター