About Us

ごあいさつ

私たちは多様な文化的背景を持つ海外にルーツのある子ども達について、その人達の学習を動機付ける学習活動の理論化を目指しています。ここで海外にルーツがある文化的に多様な子ども達(=学習者)とは、国籍にかかわらず、文化的境界を越えて生きる人々、すなわち、広い意味での「移民」を指し、一世ではない人達も含んでいます。私たちはこの人達を豊かな多様な資源を持っている子どもという意味で「言語的文化的に多様な子ども」あるいは「多様な子ども」と呼びます。

私たちは日本国内、そして国外の子ども達の学習と発達の支援をしている人々と協働して研究を進めています。子どもの年齢は問いません。支援する人達もまた多様です。当事者である子どもから高校生、大学生、大学院生、地域住民、教育関係者、研究者もいます。日本では、これらの子ども達に対する学習支援は依然学校が中心であり、放課後支援も学校がモデルになっているものが多いようです。しかし、現在の日本の学校のあり方は多様な子ども達に対して必ずしも豊かな環境とはなっていません。学校を越えた発想が必要です。学校もよりよくなっていく必要があります。私たちは既にそうした実践を継続的に行っている北米の研究グループと連携しながら、日本の各地域の独自性に根ざした学習理論の構築を目指しています。「かわいそうな子ども」を支援する実践は「学びに苦しむ子ども達」をさらに「自信のない存在」におとしめます。豊かな資源を持ちながらそれを十分生かすことができない子ども達の状況はどうすれば変えていくことができるでしょうか。私たちは多様な子ども達、多様な実践者と手を携えてそのことを考えていきます。

学習者の自尊心を高めるためには「自己表現活動」がとても大切です。私たちはそれを「リテラシー活動」と呼びますが、そこには読み書きだけでなく、パフォーマンスや多様なメディアをつかった表現も含みます。実は学業的な成功も自分を表現する力と無縁ではないことがわかっています。子ども達の発達が子ども達の学習を支えます。

私たちは、教育心理学、発達心理学、言語教育、日本語教育、社会教育を専門とする研究者の集まりです。私たちは、自分の実践を研究してみたい方々、多様性を持つ子ども達と実践に関心を持っている方々との協働を楽しんでいます。どうぞご関心をお持ちの方は気楽にお問い合わせ下さい。

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研究グループを代表して 石黒広昭(立教大学)