名古屋ワークショップ

公開パネルディスカッション
北米における言語的・文化的に多様な子ども達の学習状況と発達支援活動
 
20131214日(土)13301700 名古屋国際センター5階 第一会議室
 
 
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  世界には家庭と学校で言語や文化的実践の異なる子ども達が多くおり、このことが子ども達の教科学習はもちろん学校生活を困難にすることも少なくありません。今回はアメリカ合衆国・カリフォルニア州とカナダ・オンタリオ州でそうした子ども達の調査、支援を行っている二人の研究者を招聘し、その実際の状況を知ると同時に、実践上の課題や日本における同じような子ども達の発達支援に向けた手掛かりについて考えていきます。カリフォルニア州はメキシコ系移民を中心にスペイン語を第一言語とする人達が多いことで知られています。トロント市を代表にオンタリオ州も海外にルーツを持つ、多様な言語や異なる慣習を持つ達が多く住んでいる地域です。日本でも、言語的・文化的多様性を持った子ども達への支援は学校、学校外を問わず火急の課題となっています。

このパネルディスカッションでは、社会教育を専門とする研究者、日本語教育を専門とする研究者、日本の就学前の異文化教育を専門とする研究者を討論者として迎え、議論を深めたいと考えています。言語的・文化的に多様な子ども達に関わる学校関係者、放課後支援活動の関係者はもとより、子どもの発達と教育、日本や北米の学校制度について関心がある方々の参加を歓迎します。           

 

<パネラー>

・報告1 Olga Vasquez*(カリフォルニア大学サンディエゴ校准教授・カリキュラム,教師教育):サンディエゴにおける言語的文化的に多様な子ども達の放課後支援活動の理論的構造と実践、そして課題 *通訳あり

*カリフォルニア大学のコミュニティとの連携事業の一環として行われている、主にスペイン語を第一言語とする子ども達の就学前発達支援活動(私の教室(Mi Classe Magica))と児童学習支援活動(魔法の教室(La ClasseMagica))の創始者であり、その理論的、実践的研究を進めている。現在はコロンビアのアマゾン川地域に住む人々の言語的文化的多様性を生かした教育プログラムの開発と研究も行っている。

・報告2 竹内身和*(日本学術振興会特別研究員(立教大学)・教育心理学,言語教育):カナダ・トロント市の多言語化する小学校における授業の現状と理論的、実践的課題

*トロント市の小学校で英語を第一言語としない子ども達の授業参加の様子を長期参与観察した研究をもとに、そこから示唆される言語的・文化的多様性を持つ子ども達の支援のあり方について議論する。学校における支援は言語や教科支援に傾きがちであるが、特に子ども達のアイデンティティの形成を支援する活動やコミュニティと学校との連携の重要性をカナダ・オンタリオ州の状況を例示しながらその課題を議論する。

<討論者>

宮崎隆志(北海道大学大学院教育学研究院教授, 社会教育):全国の学童保育所、若者の就労支援施設などに おいて実践者の聞き取りを中心とした研究を行い、生きづらさを抱える子ども達、若者の発達支援について考えている。

舘岡洋子(早稲田大学大学院日本語教育研究科教授, 日本語教育):日本語教育の実践指導に長年携わると同時に日本語を教えること、学ぶことについて研究を進めている。近年はバンコクの継承語教育を行う実践グループとの協働研究も行っている。

内田千春(共栄大学教育学部准教授, 幼児教育):アメリカ・オハイオ州で日系幼稚園の園長兼教師として現地学校適応援助と日本への帰国支援、保護者支援を行いながらオハイオ州立大学で学位を取得。現在は言語的文化的に多様な子ども達を抱える就学前施設の保育者の支援課題について研究を行っている。

<企画・コーディネーター・司会>

石黒広昭(立教大学文学部教授,(発達心理学, 教育心理学) :人の発達と学習についての理論的、実践的研究を行う。(http://www2.rikkyo.ac.jp/web/ishiguro/ )主催科研代表

 

■スケジュール  *時間は目安です。全体の流れで変更されることがあります。   

 

1330 石黒 開会あいさつ 

1340 Vasquez氏報告  

1440 竹内氏報告    

1510 休憩 

1520 討論者 (宮崎) 

1535 討論者 (舘岡)

1550 討論者 (内田) 

1605 Vasquez氏応答

1620 竹内氏応答    

1630 全体討論

1655 石黒 閉会挨拶

 

主催:海外にルーツがある文化的に多様な子ども達の表現活動を中心とした学習共同体の研究プロジェクト

共催:公益財団法人名古屋国際センター,愛知外国につながる子どもの母語支援プロジェクト
 
 
●問い合わせ
POD事務局(←クリックするとメールフォームが現れます。)