帆走原理

ヨットとはどのような原理で動くのか?
これは僕たちが乗っているヨットの写真です。


よく皆さんに勘違いされますが、まず第一にヨットは漕ぐものではなく風を利用して動かすものです。
ヨットが風を利用して動くのならば、帆船のように風下にしか進むことができないと思われる方もいるでしょう。しかし、今のヨットは風上に対して45度まで自由に動き、風上の目的地へジグザグに走って行くことが出来ます。



風上に向かう原理には、揚力が関係してきます。

揚力については諸説ありますが今回は簡単に説明します。
揚力で動くもののイメージと言えば飛行機ですが、その翼を例にとってみると翼の断面形は、上面の緩やかなカーブと下面の平らなラインで構成されます。翼の上面はカーブした分だけ、下面より長いことが特徴です。
風の流れを観察すると、翼の前方で上面と下面へと2つに分かれた風は、同じ時間をかけて翼の表面を通過し、後方で同時に合流します。翼上面はカーブした分、下面より長いのですから、翼上面を流れる風は、より長い距離を速いスピードで流れなければなりません。
「水や空気のような流体は、流速が速くなるにしたがって圧力が低くなる」という「ベルヌーイの定理」として知られる空気の性質によって、翼上面を高速で流れる風の圧力は低下します。こうして生じた圧力の差は、圧力の高い下方から圧力の低い上方へと翼を引き上げます。
これが揚力を生み出す仕組みです。

センターボードとは船のヨットの下に突き出ている板みたいなものです。ヨットが風上に向かうときの推進力は、セール〔帆〕に働く揚力とセンターボードに発生する反作用の合成により得られます。
揚力自体は斜めに進む力ですから、センターボードを使って横に流れてしまうのを止めることにより風上にジグザグ進めるわけです。

この説明だけでは、ヨットの原理をなかなか想像しづらいと思うので、
是非一度ヨットに乗ってみてはいかがでしょうか?