ESDを簡潔に表現するならば、「持続可能な開発*」に向けた「教育の再方向付け」といえます。ESDは、持続可能な開発を通じて全ての人々が安心して暮らせる社会を実現するために、必要な力や考え方を人々が学び育むことです。この場合の教育とは、単に学校教育だけでなく、学校外教育(ノンフォーマル/インフォーマル教育)、すなわち、地域や社会のあらゆる場で誰もが取り組むべき教育です。
*「持続可能な開発」は多様で曖昧な概念ですが、「国連環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)の報告書において示された「将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような開発」が、一般的に最も受け入れられている定義であるといえます。また、この概念においては、国際的(地球レベル)な視点や、環境と貧困等の諸問題の結びつきが重要視されており、「環境的」・「経済的」・「社会的」目的を包括する概念であると考えられています。 |