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イベントレポート
【9/28(金) 立教大学Eco OPERA! 環境教育シンポジウム
サンゴ礁から学ぶ『海・地球』~環境教育の実践~ レポート】
立教大学ESD研究センター P.C.:高橋敬子
日時: 2007年9月28日(金)17:00~18:30
場所: 立教大学 池袋キャンパス
題目: サンゴ礁から学ぶ『海・地球』~環境教育の実践~
発表者: 竹富町立竹富中学校、立教新座中学校、石垣市立富野小学校の児童・生徒及び先生、大堀健司氏(エコツアー「ふくみみ」代表)
 本シンポジウムは、「沖縄の海」をフィールドに、沖縄と東京の小・中学校の子どもたちが春から夏にかけて行った「サンゴ学習」で気づいたこと、学んだこと、感じたことを発表し、お互いの体験を共有することによって、サンゴを保全するためには何が必要かを会場全体が一緒になって考えることのできるものでした。
 第一部は、竹富町立竹富小・中学校、立教新座中学校、石垣市立富野小学校の3つの学校の活動発表です。
各校の概要はこちらをご参照ください。
【第1部:活動発表】
[1] 竹富町立竹富小・中学校
 竹富小・中学校では、小学1年生から中学生までが継続して「海」をテーマとした総合学習を行っています。小学5・6年生は、竹富島の海を知ることを目標に、サンゴと星砂を調べました。「サンゴって何?」「サンゴを守るためにはどうしたらよいか」等の聞き取り調査や、星砂の生態観察を行いました。これらの学習を通して、サンゴを守るためには、たくさんの人にサンゴの現状を知ってもらうこと、みんなが集まって何をすべきか話し合うことが大切だと学びました。
 竹富中学校では、(1)「温暖化による海面上昇から竹富島水没を防ごう!~We are CO2 Busters?~、(2)「竹富島のゴミ事情」の2つのテーマで総合学習を進めています。
今回は、(1)のテーマに関する発表がありました。
温暖化現象を調べていく上で、竹富島の平均気温はここ最近で1度上昇していることが分かりました。竹富島が水没してしまうことを心配して、水没までの期間を計算してみると、12,000年後という結果が出ました。今後は、サンゴの白化を防ぐためにはどうすればよいのか?温暖化を防止するためにはどうすればよいのかを考え、アクションプランを立てて実行したいです。
 最後に、サンゴ学習の感想が発表されました。
島を守っていきたいと思いました!
ひとごとだと思っていたことが、こんなに身近に迫っていることに驚き、怖くなった。サンゴを守らなければいけないという気持ちが芽生えました。
地球を守るという気持ちが竹富島を守ることにつながる。三味線の音や島のみんなの笑顔を守るために私たちに出来ることは何かを考えていきたい。
[2] 立教新座中学校
 石垣・西表島への修学旅行で学んだことを、写真を交えた発表と、2択のクイズ形式で参加者に紹介した後、サンゴ学習で学んだこと、これからやっていきたいことを1人ずつ発表しました。
サンゴの記事があると、進んで読むようになった。これからは冷暖房の設定温度に気をつけます。
マングローブの植林をすることで、サンゴのために何か貢献できたと思った。マングローブとサンゴ、海が互いに支えあって生きていることがわかった。
自然に対する考え方が変わりました。日頃の生活では、レジ袋をもらわない、エアコンの設定温度を注意するなどを行っています。
ゴミの分別など、環境について配慮するようになりました。
[3] 石垣市立富野小学校
 富野小学校では、平成18年度からサンゴ礁について体験を中心とした教育を実施しています。主な活動として、1人、2つずつのマイサンゴを決めて、継続的にサンゴの色と水温を観察する「コーラルウォッチ」を、学校近くの浜辺で行いました。5月~8月まで、計8回行う中で、サンゴの白化現象を観察することができました。また、これらの学習を通して、児童が大勢の前で発表できたことや、島人の宝である海に関心を持ち、守る意識が芽生えたことは大きな成果だといえます。
最後に、児童一人一人が「マイサンゴ」の絵とともにコーラルウォッチの感想を発表しました。
シュノーケリング:まるで宝石箱をひっくり返したよう!ふるさとの海。ここは私の宝物
コーラルウォッチ:お昼の1時~3時頃。マイサンゴ。元気かなぁと健康診断。海水の温度、サンゴの色を記録した!
サンゴの産卵:ピンクのつぶつぶが押し寄せていた。サンゴのお母さんが、夜一斉に卵をうんだのでした。サンゴはやっぱり動物でした!
サンゴの白化:海水の温度は37度!マイサンゴは少し白くなった。多くのサンゴが白化してきました。でも水温が下がってきたから元気を取り戻した。死なないで。元気でいてね。
命のつながり:地球にすむ生き物は、みんなつながっている。命はみんなつながっているのです。
【第2部:パネルディスカッション】
【パネリスト】
 大堀健司(エコツアー「ふくみみ」代表)
 古瀬浩史((株)自然教育研究センター取締役)
 上記小中学校の先生、生徒
【コーディネーター】
 阿部治(立教大学教授、立教大学ESD研究センター長)

 第2部では、第1部で発表した小中学校の児童・生徒と先生、そしてサンゴ学習を指導した環境教育担当者がパネリストとして参加しました。サンゴ学習の前後でのサンゴに対する印象の違いや、サンゴの保全のために伝えたいことは何かという2点を中心に話し合われました。
新座中学校では、「石みたい」というサンゴのイメージが、サンゴを見た後には「きれい」という印象に変わった生徒が多かったそうです。また、「きれい」と感じていたサンゴが、その後白化したと知ったときのショックは大きく、守らなければいけない!という意識が芽生えたことはとても重要な経験だったと担当の先生から話がありました。
 最後に、参加者の人たちに「サンゴを守るために伝えたいこと」が述べられました。
マイボトルを実践していることを伝えたいし、やってほしい。
個人が環境に悪いことをしていることが、そのまま地球規模の環境問題の悪化につながっていることを知ってもらいたい。
海にゴミを捨てないでほしいです!
このシンポジウムを契機として、多くの人たちがサンゴへの意識を高めてもらい、来年から始まる国際サンゴ礁年に関わってほしいという阿部治教授の言葉で、シンポジウムは締めくくられました。
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