Ⅰ はじめに (ESD研究センター 湯本氏)
立教大学ESD研究センター湯本氏からのご挨拶。ESD研究センターの活動を紹介した。
Ⅱ 「世界中の子どもに教育を」キャンペーン紹介
(JNNE事務局長/シャンティ国際ボランティア会(SVA) 三宅 隆史氏)
2000年に「万人のための教育フォーラム」という会議が開かれた。2015年までに全ての子どもが初等教育を受けることができるという目標があるにもかかわらず、2007年時点で、まだ7200万人の子ども学校に行っていないという現実がある。世界中の子どもが教育を受けられることを願って、教育のための世界キャンペーンが2002年4月から行われている。昨年は、日本小中学校から約2万人の子どもが、世界では1200万人以上がキャンペーンに参加した。今年の目標は日本全国300校、約3万人の児童・生徒が参加することである。
Ⅲ モデル授業の実践紹介 (城谷氏)
講師略歴:城谷尚子氏 (財)日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)広報担当。2007年4月よりプラン・ジャパン入局。広報担当として支援者が任意で活動する「プラン支援者の会」の窓口を担当し、支援者への情報提供を行っている。教育キャンペーンでは教材作成を担当。
このモデル授業の対象は中学校1年生の生徒である。日本の学校では、いす、机、教科書など全ての勉強に必要なものが揃っている。しかし、世界中の学校の状況は様々である。
今日の授業は「世界一大きな授業」でギネス記録に挑戦する。これまで様々なテーマで行ってきたが、今年は、アフリカで開催されるサッカーのワールドカップにあわせて、FIFA(国際サッカー連盟)と連携し、教育のための資金について考える「世界一大きな授業」を世界同日に行う。世界中で100ヶ国以上が参加している。一昨年の2008年には世界中から885万人の子どもが参加し、ギネスに登録された。
授業のねらいは世界の教育の現状を知り、学校に行くことができない原因と問題点について考える。またすべての人々が教育を受けられるようになるためにどうしたらよいか意見を出し合う。
導入として、アフリカで行われるワールドカップと結びつけ、アフリカの国々について知るためのワークシートが用意された。グループになって、10分程度の話し合いを行った。
話し合いの後、ポスター教材を使って、授業を進めた。15分にわたって、学校に通えない原因について考える。児童労働、貧困が原因で学校に行けないこどもがたくさんいること、また、先生への支援も足らないということを気付かせる。
授業の後半は2枚目のポスターを使って、「教育のための資金が増えると、どんなことができる?」ということを生徒たちに考えさせる。ポスター教材以外に、世界中の子どもが学校に通えるために必要な援助額、世界のゲームソフト市場、世界軍事費をリボンの長さに換算したアクティビティを行い、わかりやすく表した。最後に、世界中の子どもが学校に通えるようにするために、一人ひとりができることを考え、選択肢の中から順番に並べ、グループで意見を出しあって終了となった。モデル授業のあとには途上国の教育現状を知るため、映像教材のうちの1作品である「スーダンの少女を訪ねて」を鑑賞した。最後に「効果的な開発教育の進め方」についてグループで話し合う時間を設け、教育現場での開発教育の進め方が話し合われた他、授業を受けた感想が寄せられた。
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