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イベントレポート

ESD研究センター主催ワークショップ『写真で学ぼう!「地球の食卓」』

 宮崎花衣(開発教育協会) 
日時: 2011年1月29日(土) 10:30~17:30
場所: 立教大学 池袋キャンパス7号館7201号室
講師:

木下ゆり(静岡英和学院大学短期大学部食物学科専任講師、元JICA本部勤務)
津久井綾子(私立桜丘高校教諭、『地球の食卓』教材及びワークショップの開発のメンバー)
宮崎花衣(特定活動非営利法人 開発教育協会 ファシリテーター)

主催:

立教大学ESD研究センター(ESDRC)

後援:

(特活)開発教育協会/DEAR

    

【講座概要】
『地球の食卓-世界24か国の家族のごはん』(TOTO出版)の写真を使用した教材『写真で学ぼう!「地球の食卓」学習プラン10』(DEAR)のワークショップを体験し、参加者が、それらの教材を活用し、環境・文化・グローバリゼーションなど多様なテーマの学びを、それぞれの教育現場で実践していくことを目的として開催される。
当日行われたワークショップは以下のとおりである。

1.アイスブレイキング ~ビンゴ「私の食卓」
「もっとも利用するファストフード店は?」「野菜を買うときに注意することは?」「昨日の夕食に外国産のものはあったか?」などの質問がかかれたビンゴ用紙を使用し、なるべく初めて出会った人に質問し、それぞれの人から答でマスをうめていく。質問内容は、その後のアクティビティにも関わる内容で、自分の食生活をふり返るもの。参加者同士が話をする機会ともなる。

2.アクティビティ ~いただきます
ねらい:世界の色々な地域に住んでいる家族の「いただきます」の言葉から、食と宗教の関わりについて学び、私たちそれぞれが持つ“食べる”ことへの思いをふり返る。

①フォトランゲージ ~家族の宗教を当てる
  各グループに異なる写真(インド/クェート/フィリピン/ブータン)を1枚配り、気づいたことを模造紙 に書き込む。家族の住む国や家族構成、食べ物、宗教など、写真から推察できた内容をグループごと に発表する。
②クイズ ~宗教と食べ物の関係を知る
  4枚の写真を見ながら、「ベジタリアンの家族は?」
  「豚肉を食べない家族は?」「飽食を注意している宗
  教は?」など、クイズを行い、各宗教の食べ物に関
  する特徴や共通の教えについて学んでいく。
③食前の行為を考える
  各宗教の食前の行為が書かれたカード配り、グルー
  プごとにそれぞれどの家族が当てはまるかを考える。
  どの宗教でも食べ物への感謝の意味が込められて
  いることを知る。
④「いただきます」の意味を考える
 ・曹洞宗の食前の言葉である「五観の偈」を読み、その意味(訳文)をグループごとに考える。
 ・「五観の偈」の意味を理解する。自分の食生活を反省する意見がでてくる。
 ・自分にとっての「いただきます」の意味を考える。「いのちを『いただきます』」「元気を『いただきます』」
  「飢餓に苦しむ人もいる中で、食べられることへの感謝」「この食べ物に関わってくれた全ての人への
  感謝」などの意見が出る。

◎アクティビティを終えて
実際にその宗教を信仰する家族の写真を見ながら、具体的な慣習を知るアクティビティなどを体験した。リアリティーや興味関心をもって学べたと思われる。今回は指導者養成を目的としていたこともあり、既に知識も興味関心も十分な方ばかりであったが、さまざまな背景の方が集まり、グループで話し合う中で色々な気づきを得られたようである。

3.アクティビティ ~おいしい食べ方
 ①ドイツ/トルコ/ブータンの食事中の写真(手元、口元が隠されている)を見て、彼らが何をどのよう
   に食べているかを予想する。
 ②各自、普段の食事は、何を使ってどのように食べて
   いるかをふり返る。
 ③いつもと違う食べ方で、下記の料理を食べてみる。
   メニュー;おにぎり、にぎり寿司、温かいおそば、チ
   キンソテー、インドカレー(カレー、ライス、ナン)
 ④グループで気づいたことを、ワークシート「いつも違
   う方法で食べてみたら」に記入する。その後、グル
   ープごとに、発表する。
 ⑤それぞれの食べ方(箸、手、ナイフ、フォーク、スプ
   ーン)について気づいたことを全体で話し合う。
 ⑥箸食文化、手食文化、カトラリー文化の歴史や特徴について学び、小・中学校で、食べ方を通して、
   食の文化の多様性学ぶ際の、教える側のポイントについて説明がなされる。

◎アクティビティを終えて
今回のプログラムは、想像だけでなく、実際に様々な食べ方で料理を食べてみることができた貴重な機会であった。箸食文化の日本では、アフリカやアジアの手食文化に抵抗感を持つ人もいるが、手食文化圏のインドカレーを手で食べる体験、日本のおにぎりやにぎり寿司をナイフとフォークで食べる体験を通して、手食文化への先入観をなくし、改めて文化の多様性を感じる機会を持つことができた。

4.アクティビティ ~食料自給率を知ろう
ねらい:日本の食料自給率が低い現状に対して、様々な考え方があることを知る。また、食料自給率が低くなった背景、他の国や世界全体に対する影響について考え、日本の食をとり巻く状況を今後、どうしたらよいかを考える。

①フォトランゲージ
 写真(アメリカ/グアテマラ/中国/クェート/日本)から、家族の食の特徴や、家族構成、住んでいる 地域・国などを読み取る。グループごとに発表した後に、簡単に解説を加える。
②世界の国の食料自給率
 ・各国の品目別食料自給率表と、家族紹介カードを配付し、写真と家族紹介カードを参考に、自給率表  がどこの国のものかを当てる。
 ・各国の食料事情について簡単に解説する。
③日本の食料自給率
 ・日本の写真に写っている食材を自給率50%以上と、50未満に分けて書き出す。
 ・「写真の食品の自給率」表を配り、予想と見合わせて気づいたこと、意外だったことを全体で話し合う。
 ・自給率の種類や計算方法について説明する。
④フードマイレージ
 ・フードマイレージについて簡単に説明する。
 ・五目ラーメンの食材(小麦粉/豚肉/しいたけ/た
  けのこ/にんじん/エビ)が、どこの国で生産されて
  いるかを予想しながら、食材のイラストを世界地図に
  貼っていく。
 ・フードマイレージの概念について気づいたことを話し
  合う。また、その他の環境負荷を表す単位について、
  運搬以外に使用されるエネルギーについて学ぶ。
⑤影響について考える
  食べ物の多くを他の国から輸入することは、地球環境に/日本の農家に/私たちの生活に/他の国
   に/○○に、どのような影響があるかを考える。
⑥自給率が低くなった理由
 ・余剰農産物購入協定や農産物貿易の自由化など、自給率低下のきっかけとなったいくつかの政策を紹介する。
 ・各自で、“自給率が低くなった理由”についてブレインストーミングした後、グループ内で共有する。
⑦今後の私たちの食卓
  今後、食料生産&食料消費をどのようにしていきたいか、していくべきかについてグループ内で話し合う。その後、意見を共有する。

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