NHKで制作された「ホットスポット 最後の楽園」のダイジェスト版を上映。
村田氏には以前、「里山」を上映してもら
ったのだが、今回のホットスポットは、そん
な身近な里山とは対極にある知らない世界
と思われがちだが、生物多様性という視点
では同じであるという。多くの命が密接に
関わりながら、一つの命を作っており、その
サークルの中に人間もいるのだ。また、昨
年のCOP10が制作のきっかけにもなってい
る。
34箇所あるホットスポットのうち、なぜこ
の6箇所を選択したのか。メディア側として
は、ある程度娯楽的な要素も考えるとなると、動かない植物を描くのは難しいし、地味。その点、動物は動くし視聴者にアピールもできる。他には、特徴的な場所であること。例えば、キツネザルはマダガスカルにしかいないし、ニュージーランドにはコウモリ以外哺乳類がいないなど。
最新の遺伝学や科学は、進化の物語に新しいドラマを生み出しており、ホットスポットには新しい説をもとにした大胆な仮説なども隠し味として入っている。その中で、多様性の貴重さ=命の大切さなどもわかってくるのではないか。
この作品は、4カ国による国際共同制作によるものである。同じ番組でも、各国のテイストにあわせて編集されている。例えば、日本人の独特のテイストは、情感を好む、行間を読む民族だと思っているので、情報量を少なく、見ている人に感じてもらえるような作品に仕上がっている。ただし、これを海外の人が見ると、のろいと思われる。
COP10をきっかけに制作したものだが、果たして終わった後でも視聴者に関心を持ってもらうにはどうしたらいいか。本来テレビとは、一度やったものはやらない。しかし今回、福山氏を起用したことにより、生物多様性に関心のない人が、福山氏をきっかけに関心を持ってもらうことができた。そして、本人も関心を持ってくれ、継続して行うことができるようになった。このように、継続的に行う一つの方法として、第三の要素を取り入れることによって、毎年特集を組むことも可能かもしれない。
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