立教大学 ESD研究センター
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立教大学ESD研究センターでは、立教大学の学部や大学院の教育に協力しています。

2009年度全学カリキュラム総合B科目:
 「ESD-持続可能な開発と教育 <持続可能な世界はいかにして可能か>」

 

【第11回 環境教育(2)】
2009年7月1日(水)  担当:阿部 治


 前回みたように、持続可能な開発のための方策には、技術開発・法制度の整備・意識改革がある。法制度の整備は国民意識が醸成されないと進んでいかないので、意識改革が必要である。ここに、環境教育やESDが貢献できると考える。とくに、2つのソウゾウリョクが重要である。どのような関係が必要なのかということを想像する(imaginate)と、そのビジョンを創造する(create)ことである。このためには正確な知識や技術が必要である。上記3つの方策は互いにつながっている。
 環境教育は学校教育にとどまらない。生涯学習として位置づけると、幼児期・学齢期・成人期でそれぞれ適した内容が考えられる。幼児期には、直接体験による感性学習、学齢期には知識・技術の学習、そして成人期における行動・参加の学習である。日本における環境教育は、公害教育、平和教育、人口教育、開発教育、と多様な教育活動がおこなわれてきた。大きく区分すると、自然系、生活系、地球系の活動である。しかし、1992年の地球サミットを機にこれらの教育活動の根っこは同じではないか、ということが認識され、それぞれが重なり合うようになってきた。それが、総合学習や環境自治体などの取り組みである総合系である。
 総合系の一つとして、環境自治体がある。これは、福祉や地場産業などの問題も含めて環境を考えるようになっている自治体である。地域学と称し、自分たちの住んでいる場をより良くしていくための活動も行われている。また、自然学校もある。現在全国に2000校ほどあり、都市地域の子どもや成人向けのみならず、過疎化が進む場の地域コミュニティや自然の再生、地域文化の伝承の場、高齢者の自己実現の場、といった役割も担っている。さらに、企業の社会的責任(CSR)として、コンプライアンスを守るだけではなく、環境や社会への貢献する企業も増えている。このように、環境教育は広義の環境教育へと広がりをみせ、ここにESDが登場したのである。

 =DVD 『教育トゥデイ 「学校版 環境教育ISO」』2002年=
 水俣市の取り組み。ISO14001を取得した市が、環境都市まちづくりの一環としてISO簡易版を作成 し、全市の学校で学校版ISO活動を実験的におこなっている。学校でおこなうことによって、生徒の 地域の環境活動参加や家庭での実践にもつながるという効果が生まれている。さらに水俣市では 、地域づくりに子どもたちの意見を反映させ、市民活動のすべてを循環型へ向かわせることを意図 している(市長談)。

 水俣市は典型的な環境教育都市である。現在も環境・福祉・健康をキーワードとして都市づくりを進めている。学校版ISO以外にも、地元の人々をガイドとする環境マイスター制や地元学による地域の見直し、教育旅行の誘致などにも積極的である。

  また、もうひとつのESD実践の事例として、霞ヶ浦のアサザプロジェクトがある。これは、水利用のために建設された塀によって起こされた波が、土を侵食して水性植物を生やさなくなってしまった土地で、植物の再生に取り組もうしているものである。群生して波を消す効果のあるアサザという小さな水性植物に注目し、大量群生させる試みをした。しかし、当初はうまくいかず、現在はソダという木を育て波を消し、その中でアサザを育てようと試みている。これらの取り組みは、都市住民と地域、大人と子ども、漁業と林業というように、様々な人を巻き込んでいる。それには伝えていくという作業が必要であるし、これが環境教育・ESDにつながるのである。このように、学びをベースとした環境・社会・経済の統合に着目していってほしい。

 

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